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ゾンビストーンを貰いました
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「また、つまらぬゾンビを見てしまった」
呟くと同時にリモコンで停止ボタンを押す。
俺の唯一の趣味はゾンビ映画鑑賞である。
そして予告編を見ない至上主義の俺は、手当たり次第にゾンビ映画を見てはガッカリするサイクルを繰り返していた。
ゾンビ映画は当たり外れがとても大きい。俺の中で『当たり』の部類とは、あのゾンビ独特の無個性な個性を活かしつつ、細部に描かれる人間ドラマがしっかりとしている作品である。
無論ゾンビ映画なのでグロさに特化しているのも悪くは無い、が、大抵そういうのは、監督が思いついたグロシーンの総集編を見せつけられているようで個人的にはあまり好ましくはない。
今回の『デッドセットラジオ』に至っては、グロさも人間ドラマもあまりに中途半端で、最後まで鑑賞した自分を褒めてあげたいまである。
「ラジオの要素何だったんだよ……」
ゾンビになった太ったラジオDJがブースに入った人間の脊髄にストローを刺してチューチュー髄液を吸ってたシーンが一番面白かった。
ラジオが関係するシーンはその10秒だけだったし、何より今考えると意味が分からない。最後何か踊ってたし。
「寝るか」
と、部屋の電気を消した所で急激に心臓が痛くなってきた。
「イタタ、いや、これ洒落になってない……」
駄作とは言えゾンビ映画を馬鹿にした罰だろうか?段々と意識が無くなっていくのを感じ、きっと俺は死んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はい、お疲れ様」
「え?何が?」
起き上がると、とても暗い、地面すら認識出来ない程の真っ暗な空間にいた。
中空にほわっと眩しい光が差し込む、その方向へ目をやると、そこには金髪ショートカットで翼の生えた美しい女性がふわふわと宙を浮きながら「何がって何が?」という表情で俺を見下ろしていた。
「俺、死んだ?」
「バッチリ」
簡潔に言う人だこと……
詳しく聞くと、俺は心臓発作で死んでしまったらしい。んで、特に目立った犯罪経歴などが見当たらないので、転生可能人物としてリストアップされたと。
「あの、天使?さん、お名前伺っても良いですか」
「ガブリエル」
……天使の語彙力よ仕事しろ。ガブリエルって事は天使なんだろうけど、天使って全員こういう人達なのかなぁ。
「ガブリエルさん、俺はどういう世界に転生するんですかね?」
「後で言う。あと語彙力は貴方よりあるから」
おおう、心読まれた。余計なことは考えず、言わずでいったほうがいいなこりゃ。
「で、俺はどうすればいいんですかね?」
「ちょっと待って。今読む」
そう言うとガブリエルは俺の額に手をかざし、そこから暖かい光が差し込んでいくのを感じた。
悪い感じはしないが、心なしか吸い込まれていく感覚がある。
「うわ、引く。ゾンビ好きなの?」
「え?ああ、まぁそう言う映画とかゲームとかは好きですね」
「うわ、引く。じゃあこれ」
2回引かれた俺に、ガブリエルから手のひらサイズの何やら禍々しいラグビーボールの用な形をした『石』が手渡された。
「何ですかこれ?」
「適正がゾンビだったからゾンビストーン。説明、いる?」
「お願いします」
やっぱり語彙力のないガブリエルの話を要約すると、俺は昔やってたファンタジー系統のゲームのような世界に転生するとの事だった。他の転生先候補もあるが、この日本で死んだ人には大人気の転生先なので、もう最近は有無を言わさず日本人はそういった世界が宛てがわれるらしい。
そして、この世界の特徴は魔物をカード状態にし、使役する世界……ポ○モンとかそう言うやつかな?
その世界でカードを使役出来る人間を『マスター』と呼ばれているそうで、俺もそのマスターとやらになるとか。
最後にこの『ゾンビストーン』なるものだが、実際は他に『ゴブリンストーン』やら『ヴァンパイアストーン』などがあり、魔物をカード化するに際し、このストーンと共鳴出来ればカード化出来るらしい。
共鳴って言うのは、相手の『同意』もしくは『強さの比』で成功するらしく、成功すればその魔物の種族がストーンと同じになると。
「て事は、当然種族間で争ってる世界ってことですよね?」
「バッチリ。流石日本人」
少しテンションが上がってきた。
どうせ現実世界の俺は死んでいる訳で、その記憶を維持したまま異世界であろうと生き続けられると言うのは、見ようによってはある意味1つの天国の形ではないだろうか。
ちょっとにやけている俺を見たガブリエルが、残念な物を見るように見下ろしている。
小さなため息を吐いたガブリエルは、「ただ……」と俺のテンションを下げる1言を放つ。
「ゾンビストーンは超不人気。笑うとか正気?」
「え?なんで?カッコいいじゃん」
「……そこで生きていくのよ」
「あ、そうか」
その1言で少し冷静になる。
確かに、ヴァンパイアだドラゴンだとか言う物騒な世界でゾンビが数匹いた所でどうしようも無い気がする。
「あの、どうにか別のーー」
「行き先の変更は出来ないし、適正外のストーンも渡せない」
また心を読まれたのか言い切る前に断言されてしまった。
あぁ、八方塞がりですねこれ。
「それじゃ、第二の人生頑張ってね」
言うやいなや、ガブリエルは転生の呪文を唱え始める。
漆黒の地面から淡い青色の魔法陣が浮かび上がり、その中央にいる俺からキラキラと輝く何かが浮遊し始める。
俺の体が段々と浮き上がり、いざ異世界転生へという時ーー
「誰!?」
叫ぶガブリエルの表情が険しく急変し、辺りを見渡す。
刹那、ガブリエルの背後の空間が裂け、中から鍵爪の手が出てきた。
「危ない!」
しかし、俺の叫びは通じずにガブリエルは背後に迫った鍵爪に対処出来ずにその腹を貫かれてしまった。
「ガハッーー」
「ククク……いい声だ天使よ! それこそが俺への鎮魂歌だ!」
「天使……狩……り」
その鍵爪は高らかに笑うと、その裂け目に引っ込み消えてしまった。
ちょっと待って! そんなサプライズ聞いてないよ。
俺は魔法陣から必死で手を伸ばし、ドサりと堕ちたガブリエルを掴み引き寄せる。
「おい、ガブリエルさん!大丈夫ですか?!ガブリエルさんッ!」
「……悔しい。私は、こんな所で…」
「あんまり喋らないで! 医者は? って居るはず無いか。なんか魔法とかで治せないんですか?」
「無理。天使狩りの傷は……癒やせ……ない」
そんな!!
ただ、そんな事が出来るならとうにやっているであろう。
俺は必死で考える。こんな可愛い子が目の前で死んでいくのを見届けて呑気に転生出来るほど薄情な人間にはなりきれ無い。
「何か、何か手はないのか?」
「何故貴方がそんなに……そう、優しいのね」
自分の頭の悪さをこれ程恨んだ日が、まさか死んだあとに来るとは思わずに必死で何が出来るかを考え込む。
ただ、明らかな致命傷を前に、生前の記憶では何もする事が出来ないという事実だけが眼前に広がっていく。
何か使えるものを探すが、この空間には何もない事実が俺を焦らせる。
「持っているのは、このゾンビストーンって奴だけか……あッ!」
ハッとすると同時に行動に移す。もうこれしかない!
「ガブリエルさん!これ、ゾンビストーン使いましょう!」
「私が? ゾンビに?」
死にゆく寸前だと言うのに死ぬ程嫌な顔をされた。
確か共鳴の条件は、相手の同意か力で屈服させるか、だったかな。
俺はゾンビストーンを床に置き、ガブリエルの手を握り心に問いかけるよう訴える。
「今なら俺のチョップ1回で、ガブリエルさん死んじゃいますよ!1回でいいんです!頷いてください!まだ死にたくないでしょう!」
「馬鹿な人……」
少し、笑ったように感じたガブリエルは、残り少ない体力で頷く。
すると、床に置かれたゾンビストーンが虹色に光り輝き、俺とガブリエルを包み込んだ。
うぉおおお!なんか凄い体力が持ってかれる!
きっと瀕死であっても天使というのは貴重で強大な存在なのであろうか?
手を離すか?いやしかし、その握った小さな手を離すと全てが無駄になってしまいそうな気がしたため、死んでいるのに必死で力を込める。
転生の魔法陣がより一層の輝きを放っていた。
恐らく、もうすぐで転生が始まってしまうのであろう。
時間がない!
「間に合え!間に合えぇえええ!」
ーーーキュイイイイインンッ
様々な光が集約し始めた所で、再び俺の意識は無くなった。
呟くと同時にリモコンで停止ボタンを押す。
俺の唯一の趣味はゾンビ映画鑑賞である。
そして予告編を見ない至上主義の俺は、手当たり次第にゾンビ映画を見てはガッカリするサイクルを繰り返していた。
ゾンビ映画は当たり外れがとても大きい。俺の中で『当たり』の部類とは、あのゾンビ独特の無個性な個性を活かしつつ、細部に描かれる人間ドラマがしっかりとしている作品である。
無論ゾンビ映画なのでグロさに特化しているのも悪くは無い、が、大抵そういうのは、監督が思いついたグロシーンの総集編を見せつけられているようで個人的にはあまり好ましくはない。
今回の『デッドセットラジオ』に至っては、グロさも人間ドラマもあまりに中途半端で、最後まで鑑賞した自分を褒めてあげたいまである。
「ラジオの要素何だったんだよ……」
ゾンビになった太ったラジオDJがブースに入った人間の脊髄にストローを刺してチューチュー髄液を吸ってたシーンが一番面白かった。
ラジオが関係するシーンはその10秒だけだったし、何より今考えると意味が分からない。最後何か踊ってたし。
「寝るか」
と、部屋の電気を消した所で急激に心臓が痛くなってきた。
「イタタ、いや、これ洒落になってない……」
駄作とは言えゾンビ映画を馬鹿にした罰だろうか?段々と意識が無くなっていくのを感じ、きっと俺は死んでいった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーー
「はい、お疲れ様」
「え?何が?」
起き上がると、とても暗い、地面すら認識出来ない程の真っ暗な空間にいた。
中空にほわっと眩しい光が差し込む、その方向へ目をやると、そこには金髪ショートカットで翼の生えた美しい女性がふわふわと宙を浮きながら「何がって何が?」という表情で俺を見下ろしていた。
「俺、死んだ?」
「バッチリ」
簡潔に言う人だこと……
詳しく聞くと、俺は心臓発作で死んでしまったらしい。んで、特に目立った犯罪経歴などが見当たらないので、転生可能人物としてリストアップされたと。
「あの、天使?さん、お名前伺っても良いですか」
「ガブリエル」
……天使の語彙力よ仕事しろ。ガブリエルって事は天使なんだろうけど、天使って全員こういう人達なのかなぁ。
「ガブリエルさん、俺はどういう世界に転生するんですかね?」
「後で言う。あと語彙力は貴方よりあるから」
おおう、心読まれた。余計なことは考えず、言わずでいったほうがいいなこりゃ。
「で、俺はどうすればいいんですかね?」
「ちょっと待って。今読む」
そう言うとガブリエルは俺の額に手をかざし、そこから暖かい光が差し込んでいくのを感じた。
悪い感じはしないが、心なしか吸い込まれていく感覚がある。
「うわ、引く。ゾンビ好きなの?」
「え?ああ、まぁそう言う映画とかゲームとかは好きですね」
「うわ、引く。じゃあこれ」
2回引かれた俺に、ガブリエルから手のひらサイズの何やら禍々しいラグビーボールの用な形をした『石』が手渡された。
「何ですかこれ?」
「適正がゾンビだったからゾンビストーン。説明、いる?」
「お願いします」
やっぱり語彙力のないガブリエルの話を要約すると、俺は昔やってたファンタジー系統のゲームのような世界に転生するとの事だった。他の転生先候補もあるが、この日本で死んだ人には大人気の転生先なので、もう最近は有無を言わさず日本人はそういった世界が宛てがわれるらしい。
そして、この世界の特徴は魔物をカード状態にし、使役する世界……ポ○モンとかそう言うやつかな?
その世界でカードを使役出来る人間を『マスター』と呼ばれているそうで、俺もそのマスターとやらになるとか。
最後にこの『ゾンビストーン』なるものだが、実際は他に『ゴブリンストーン』やら『ヴァンパイアストーン』などがあり、魔物をカード化するに際し、このストーンと共鳴出来ればカード化出来るらしい。
共鳴って言うのは、相手の『同意』もしくは『強さの比』で成功するらしく、成功すればその魔物の種族がストーンと同じになると。
「て事は、当然種族間で争ってる世界ってことですよね?」
「バッチリ。流石日本人」
少しテンションが上がってきた。
どうせ現実世界の俺は死んでいる訳で、その記憶を維持したまま異世界であろうと生き続けられると言うのは、見ようによってはある意味1つの天国の形ではないだろうか。
ちょっとにやけている俺を見たガブリエルが、残念な物を見るように見下ろしている。
小さなため息を吐いたガブリエルは、「ただ……」と俺のテンションを下げる1言を放つ。
「ゾンビストーンは超不人気。笑うとか正気?」
「え?なんで?カッコいいじゃん」
「……そこで生きていくのよ」
「あ、そうか」
その1言で少し冷静になる。
確かに、ヴァンパイアだドラゴンだとか言う物騒な世界でゾンビが数匹いた所でどうしようも無い気がする。
「あの、どうにか別のーー」
「行き先の変更は出来ないし、適正外のストーンも渡せない」
また心を読まれたのか言い切る前に断言されてしまった。
あぁ、八方塞がりですねこれ。
「それじゃ、第二の人生頑張ってね」
言うやいなや、ガブリエルは転生の呪文を唱え始める。
漆黒の地面から淡い青色の魔法陣が浮かび上がり、その中央にいる俺からキラキラと輝く何かが浮遊し始める。
俺の体が段々と浮き上がり、いざ異世界転生へという時ーー
「誰!?」
叫ぶガブリエルの表情が険しく急変し、辺りを見渡す。
刹那、ガブリエルの背後の空間が裂け、中から鍵爪の手が出てきた。
「危ない!」
しかし、俺の叫びは通じずにガブリエルは背後に迫った鍵爪に対処出来ずにその腹を貫かれてしまった。
「ガハッーー」
「ククク……いい声だ天使よ! それこそが俺への鎮魂歌だ!」
「天使……狩……り」
その鍵爪は高らかに笑うと、その裂け目に引っ込み消えてしまった。
ちょっと待って! そんなサプライズ聞いてないよ。
俺は魔法陣から必死で手を伸ばし、ドサりと堕ちたガブリエルを掴み引き寄せる。
「おい、ガブリエルさん!大丈夫ですか?!ガブリエルさんッ!」
「……悔しい。私は、こんな所で…」
「あんまり喋らないで! 医者は? って居るはず無いか。なんか魔法とかで治せないんですか?」
「無理。天使狩りの傷は……癒やせ……ない」
そんな!!
ただ、そんな事が出来るならとうにやっているであろう。
俺は必死で考える。こんな可愛い子が目の前で死んでいくのを見届けて呑気に転生出来るほど薄情な人間にはなりきれ無い。
「何か、何か手はないのか?」
「何故貴方がそんなに……そう、優しいのね」
自分の頭の悪さをこれ程恨んだ日が、まさか死んだあとに来るとは思わずに必死で何が出来るかを考え込む。
ただ、明らかな致命傷を前に、生前の記憶では何もする事が出来ないという事実だけが眼前に広がっていく。
何か使えるものを探すが、この空間には何もない事実が俺を焦らせる。
「持っているのは、このゾンビストーンって奴だけか……あッ!」
ハッとすると同時に行動に移す。もうこれしかない!
「ガブリエルさん!これ、ゾンビストーン使いましょう!」
「私が? ゾンビに?」
死にゆく寸前だと言うのに死ぬ程嫌な顔をされた。
確か共鳴の条件は、相手の同意か力で屈服させるか、だったかな。
俺はゾンビストーンを床に置き、ガブリエルの手を握り心に問いかけるよう訴える。
「今なら俺のチョップ1回で、ガブリエルさん死んじゃいますよ!1回でいいんです!頷いてください!まだ死にたくないでしょう!」
「馬鹿な人……」
少し、笑ったように感じたガブリエルは、残り少ない体力で頷く。
すると、床に置かれたゾンビストーンが虹色に光り輝き、俺とガブリエルを包み込んだ。
うぉおおお!なんか凄い体力が持ってかれる!
きっと瀕死であっても天使というのは貴重で強大な存在なのであろうか?
手を離すか?いやしかし、その握った小さな手を離すと全てが無駄になってしまいそうな気がしたため、死んでいるのに必死で力を込める。
転生の魔法陣がより一層の輝きを放っていた。
恐らく、もうすぐで転生が始まってしまうのであろう。
時間がない!
「間に合え!間に合えぇえええ!」
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様々な光が集約し始めた所で、再び俺の意識は無くなった。
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