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サンド=ラシール
サンドとマグナム
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ーーーーーサンド=ラシール
リュカと夕食を食べ終わった俺は自室でいつもの日課をこなすため、引き出しにしまってある空の「薬莢」を取り出し机の上に置いた。
この薬莢はクライドンマスターに初出場した時に記念として廃棄されるものを譲ってもらったものだ。
クライドン用のライフルだけあってその大きさは普通のライフルのそれとは3倍程の大きさであり、子供心を擽るサイズであった
「さてと……」
少し離れたベッドの上に座り、机上にある薬莢をじっと見つめ、大きく深呼吸をする。
「右ッ!」
そう発すると机上の薬莢はまるで意思を持ったかのように、すぅーーッっと右側へ移動する。
「左ッ!」
同様に薬莢は左側へ移動する。
そこからは「上!」「回れ!」などを発し、その声に呼応する様に薬莢は命じられた通り動いていく。
クライドンマスター出場後、自分の才能をより考察したくなった俺は、この薬莢遊びを訓練として毎日行っている。
動かす対象はペンでも消しゴムでもなんでも良いのだが、この薬莢が重さ、大きさ共に丁度良く、何より少量ではあるがユグドラシルを使用しているものだというのがこの薬莢を使う理由だ。
ユグドラシルに対しての自分の能力はとても「効き」がよく、この二年程の訓練でわかったことの1つでもある。
ある程度、この遊びを堪能した後、一際大きな深呼吸をし、仕上げに入る準備をする
「こっちへ来いッ!」
そう叫ぶと「了解」とばかりにくるくると薬莢は廻りながら俺の胸元へ飛んでくる。
この回転具合が俺の調子のパラメータであるのもこの訓練を通じて学んだ事の1つだ。
調子が良ければ等間隔でくるくると回り、逆に調子が悪いと回転が歪だったり、スピードも遅すぎたり早すぎたりするのだ。
今日の回転は…『絶好調!』やはり明日がクライドンマスター優勝や明日の新型発表会で俺のテンションはマキシマムらしい。
「よぉーーし、よしよしよし! マグナム君は良い子ですねーッ!」
ちなみにこの薬莢は「マグナム君」と名付けた。
我ながらいいセンスをしてると思う。もう2年近くも共に居るとそれなりに愛着が湧くものである。
そして俺は褒める事も忘れない!俺という男はきちんと成果を讃える男なのである。
空の薬莢をこれでもかと撫でながら『そろそろ寝ようかな』と思っていると、ふと視線を感じた。
今日に限り、開けっ放しだった扉からこちらを覗くリュカと目があった……
「何してるの?」
ーーなぁあああああああッ!
しまったぁッ! 今までクールでニヒルで妹想いのスーパーエキセントリック兄のイメージを崩さずに生きてきたっつーのに、よりによって一番見られたくない姿を見せてしまった!
夜更けにベッドの上でどでかい薬莢に名前をつけた挙げ句を満面の笑みで撫で撫でしている奴……うん、どう考えても変態だ。
まるで、いつもお世話になっております感が満載だッ!
軽めに見積もってもド変態だ。
な、何か言い訳をしなければ……
「ほら、、この、なんだ……穴がさ! 良い大きさだろ?」
「ーーーは?」
ぐぉおおおおッ! 何を言ってるんだ俺はッ!
穴を褒めるな! 高校生が女の子に「穴」を褒めるな!
だめだ、な、何とかこの悪魔の状況を打破しなければ! リュカを引かせない様に会話を繋げなければッ!
「ち、違うんだリュカ! ほら、これマグナム君って言ってさ、触ってるとなんて言うか……そう、いい硬さなんだよ!」
「ーーーうわぁ……」
やっちゃたぁーッ! 俺ことサンド君やっちゃたぁーッ!
硬さを褒めるな! 高校生が女の子に「硬さ」を褒めるな!
「お兄ちゃんって……変態さん?」
「違うッ! それは違うぞリュカ! 男はこの形に憧れるもんなんだよ!」
「どういうこと?」
サンド君のエッチッ! もう知らないッ!
某し○かちゃんならきっとこう言うであろう。
やる事なす事全てが裏目に出た俺は放心状態でヘタるようにベッドに座り込んだ。
「あのさ、お兄ちゃん」
「んー?」
ジト目でリュカを見つめる俺に向け、リュカはきちんと作った笑いを浮かべ
「何があっても私はお兄ちゃんの味方だから」
「おやすみ」と扉を閉めリュカは自室へと戻っていった。
死にてぇ……
鳥になって飛べたらどんなに素晴らしいことだろうか…
あ、土砂降りに変わってるわ……飛んでも落ちるだけだじゃん。
うん、寝て忘れよう。
「戻れ」
マグナム君は力なくひょろひょろと机に戻っていった。
『絶不調』なのは誰が見ても明らかだった
リュカと夕食を食べ終わった俺は自室でいつもの日課をこなすため、引き出しにしまってある空の「薬莢」を取り出し机の上に置いた。
この薬莢はクライドンマスターに初出場した時に記念として廃棄されるものを譲ってもらったものだ。
クライドン用のライフルだけあってその大きさは普通のライフルのそれとは3倍程の大きさであり、子供心を擽るサイズであった
「さてと……」
少し離れたベッドの上に座り、机上にある薬莢をじっと見つめ、大きく深呼吸をする。
「右ッ!」
そう発すると机上の薬莢はまるで意思を持ったかのように、すぅーーッっと右側へ移動する。
「左ッ!」
同様に薬莢は左側へ移動する。
そこからは「上!」「回れ!」などを発し、その声に呼応する様に薬莢は命じられた通り動いていく。
クライドンマスター出場後、自分の才能をより考察したくなった俺は、この薬莢遊びを訓練として毎日行っている。
動かす対象はペンでも消しゴムでもなんでも良いのだが、この薬莢が重さ、大きさ共に丁度良く、何より少量ではあるがユグドラシルを使用しているものだというのがこの薬莢を使う理由だ。
ユグドラシルに対しての自分の能力はとても「効き」がよく、この二年程の訓練でわかったことの1つでもある。
ある程度、この遊びを堪能した後、一際大きな深呼吸をし、仕上げに入る準備をする
「こっちへ来いッ!」
そう叫ぶと「了解」とばかりにくるくると薬莢は廻りながら俺の胸元へ飛んでくる。
この回転具合が俺の調子のパラメータであるのもこの訓練を通じて学んだ事の1つだ。
調子が良ければ等間隔でくるくると回り、逆に調子が悪いと回転が歪だったり、スピードも遅すぎたり早すぎたりするのだ。
今日の回転は…『絶好調!』やはり明日がクライドンマスター優勝や明日の新型発表会で俺のテンションはマキシマムらしい。
「よぉーーし、よしよしよし! マグナム君は良い子ですねーッ!」
ちなみにこの薬莢は「マグナム君」と名付けた。
我ながらいいセンスをしてると思う。もう2年近くも共に居るとそれなりに愛着が湧くものである。
そして俺は褒める事も忘れない!俺という男はきちんと成果を讃える男なのである。
空の薬莢をこれでもかと撫でながら『そろそろ寝ようかな』と思っていると、ふと視線を感じた。
今日に限り、開けっ放しだった扉からこちらを覗くリュカと目があった……
「何してるの?」
ーーなぁあああああああッ!
しまったぁッ! 今までクールでニヒルで妹想いのスーパーエキセントリック兄のイメージを崩さずに生きてきたっつーのに、よりによって一番見られたくない姿を見せてしまった!
夜更けにベッドの上でどでかい薬莢に名前をつけた挙げ句を満面の笑みで撫で撫でしている奴……うん、どう考えても変態だ。
まるで、いつもお世話になっております感が満載だッ!
軽めに見積もってもド変態だ。
な、何か言い訳をしなければ……
「ほら、、この、なんだ……穴がさ! 良い大きさだろ?」
「ーーーは?」
ぐぉおおおおッ! 何を言ってるんだ俺はッ!
穴を褒めるな! 高校生が女の子に「穴」を褒めるな!
だめだ、な、何とかこの悪魔の状況を打破しなければ! リュカを引かせない様に会話を繋げなければッ!
「ち、違うんだリュカ! ほら、これマグナム君って言ってさ、触ってるとなんて言うか……そう、いい硬さなんだよ!」
「ーーーうわぁ……」
やっちゃたぁーッ! 俺ことサンド君やっちゃたぁーッ!
硬さを褒めるな! 高校生が女の子に「硬さ」を褒めるな!
「お兄ちゃんって……変態さん?」
「違うッ! それは違うぞリュカ! 男はこの形に憧れるもんなんだよ!」
「どういうこと?」
サンド君のエッチッ! もう知らないッ!
某し○かちゃんならきっとこう言うであろう。
やる事なす事全てが裏目に出た俺は放心状態でヘタるようにベッドに座り込んだ。
「あのさ、お兄ちゃん」
「んー?」
ジト目でリュカを見つめる俺に向け、リュカはきちんと作った笑いを浮かべ
「何があっても私はお兄ちゃんの味方だから」
「おやすみ」と扉を閉めリュカは自室へと戻っていった。
死にてぇ……
鳥になって飛べたらどんなに素晴らしいことだろうか…
あ、土砂降りに変わってるわ……飛んでも落ちるだけだじゃん。
うん、寝て忘れよう。
「戻れ」
マグナム君は力なくひょろひょろと机に戻っていった。
『絶不調』なのは誰が見ても明らかだった
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