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7章 二人の炭鉱探索
アースの書~炭鉱探索・4~
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これは一体どういう事だろう?
アカニ村で出会った時は、デュラハンなんて一言も言われなかった。
だから俺の事をそう認識していなかったはずだ。
なのにさっきデュラハンと叫び、ラティアの頭がある事に驚いた様子も見せている。
そして、この声…………これらを考えるとある結論に至る。
それはソフィーナさんの正体がレインかもという可能性があるという事だ。
だが、可能性があるというだけでレイン本人と断言が出来ない。
それだと色々おかしなところが出て来るんだよな。
まず、どうしてレインがソフィーナという偽名を名乗って仮面で素顔を隠しているのかだ。
俺達にレインの顔が割れているから、見つかってもすぐに逃げられない為に変装していると考えられるが……偽名を使っている意味が全く分からない。
俺達を追うのに偽名なんて使う必要なんてないからな。
次にアカニ村で出会った時の事も謎だ。
猪突猛進タイプのレインがあの時は襲ってこず、あまつさえ俺に話しかけて来るだなんて……まさか、今俺だと気付いた……? いや、そんな都合のいい話がありえないか。
そもそも、レインほどの実力者がポイズンフロッグの毒でやられるとも考えられない。
うーん……わからん。考えれば考えるほどわからん!
この人はレインなのか? それとも別人でソフィーナさんなのか?
あーいつもくっ付いているジョシュアの姿があればなー……1発で判断できるのに。
仕方がない、ここは様子を見る事にしよう。
あとラティアには悪いが、ソフィーナさんの正体がレインかもと言うのは黙っておこう。
曖昧な事を吹き込んで、この場がややこしくなってしまうのも嫌だしな。
「……え~ト……あの~すみませン……どなたでしょうカ?」
ああ、そうか、ラティアはレイン……いや、この場合はソフィーナさん……か? ややこしいな。
よし、現状は仮面を着けているからソフィーナさんと呼ぶことにしよう。
そのソフィーナさんの方はラティアと出会った事が無かったか。
……あ、これはチャンスじゃないか。
レインの方ならラティアと出会っているから、自分はレインですよーって正体を明かすかもしれん。
「あ、アタシは……」
アタシは? 何だ?
レインか? ソフィーナさんか?
「……ソ、ソフィーナといいます」
ここの名乗りはソフィーナさんの方か。
「ソフィーナさン……ですカ」
うーん……こうなったら、ひとつ質問をしてみてつついてみるか。
『なあラティア。どうして、この人が俺達に対してデュラハンと叫んだのか聞いてみてくれないか? 少し気になってな』
さて、この質問に対してソフィーナさんはなんて答えるだろう。
「あ~確かニ……あの、ソフィーナさン。お伺いしたいのですガ、どうして私を見るなりデュラハンって叫んだんですカ?」
「えっ! あ~……え~と……その~……」
ソフィーナさんが口ごもっている。
言えない事情があるのか?
「……アタシがデュラハンと叫んじゃったのはですね…………それは……そっそう! レインです! レインからデュラハンの話を聞いていたからなんですよ!」
「レイン様からですカ?」
「はい……えと、本当は他の人に話しちゃ駄目って言われていたんですが……ちゃんと説明しないといけませんよね。アタシはレインからデュラハンを追ってほしいという依頼を受けていましてね。それで聞いていたデュラハンの特徴が貴女と一致していたので、つい叫んでしまったんですよ……その、アーメットの凹みとか……」
口ごもったのはしゃべるなと言われていたからと……なるほどね。
「はァ……そういう事でしたカ……」
その話が本当ならレインの奴め、厄介な事をしてくれたな。
ソフィーナさんの他にも同じような依頼をしている可能性はある。
……アーメットの凹みか。
早く直さないといけないな、これは。
「あっ! 思い出した! デュラハンの格好によく似たオッドアイの女性剣士がいるから、間違わない様に気をつけなさいと言われていたんだった……確か、アイリスさん……ですよね?」
それ、もっと早く思い出してほしかったですね。
急に後ろから叫ばれるのはたまったもんじゃないのだから。
「え? アイリス? ……いエ、私は……」
ラティアの奴、偽名を使っていた事を忘れているっぽい!
まだレインかもという疑いが晴れていないのに、ラティアと名乗るのは非常にまずい!
『アイリスだ! その姿ではア・イ・リ・ス・パーカー!』
「……あッ! ソッソウデ~ス! 私ガアイリスデ~ス!」
危ないところだった。
にしても、急にカタコトって……逆に怪しまれたかもしれない。
「あ~やっぱりか~失敗しちゃったな~あっはははは!」
怪しまれずにすんだようだ。
つか、普通なら笑い事じゃないと思うんだがな。
人をモンスターと勘違いしているんだし。
まぁある意味、今の俺はモンスターみたいなものだから何も言えないけど……。
「イエイエ、気ニシナイデ下サ~イ!」
「あっと、いけない! ツレと待ち合わせをしていたんだった! すみません、アタシはこれで失礼しますね。また機会があればお会いしましょう」
ソフィーナさんが頭を下げ、俺達から離れて行った。
ツレと待ち合わせ……あー、あの教会で怒鳴っていた奴か。
なら、俺達と話している所を見られてなければいいが……ちょこっと話していただけで怒鳴っていたからな、あいつ。
多分、嫉妬深い奴なんだろうな。
「あー……もう話は済んだかな?」
『「あっ」』
そうだ、爺さんの存在をすっかり忘れていた。
「すみませン! もう済みましタ! それでは炭鉱に向かいましょうカ」
「しっかり頼むぞ……まったく……」
結局、レインなのかそうじゃないのかの結論は出せずじまいだったな。
まぁどちらにせよ、追われているという立場は変わらずだ。
これからはソフィーナさんにも十分気を付けて行かないといけない。
となると、ますます早くオリバーを見つけ出さないといけなくなったぞ。
俺は気を引き締めなおし、炭鉱へと向かった。
アカニ村で出会った時は、デュラハンなんて一言も言われなかった。
だから俺の事をそう認識していなかったはずだ。
なのにさっきデュラハンと叫び、ラティアの頭がある事に驚いた様子も見せている。
そして、この声…………これらを考えるとある結論に至る。
それはソフィーナさんの正体がレインかもという可能性があるという事だ。
だが、可能性があるというだけでレイン本人と断言が出来ない。
それだと色々おかしなところが出て来るんだよな。
まず、どうしてレインがソフィーナという偽名を名乗って仮面で素顔を隠しているのかだ。
俺達にレインの顔が割れているから、見つかってもすぐに逃げられない為に変装していると考えられるが……偽名を使っている意味が全く分からない。
俺達を追うのに偽名なんて使う必要なんてないからな。
次にアカニ村で出会った時の事も謎だ。
猪突猛進タイプのレインがあの時は襲ってこず、あまつさえ俺に話しかけて来るだなんて……まさか、今俺だと気付いた……? いや、そんな都合のいい話がありえないか。
そもそも、レインほどの実力者がポイズンフロッグの毒でやられるとも考えられない。
うーん……わからん。考えれば考えるほどわからん!
この人はレインなのか? それとも別人でソフィーナさんなのか?
あーいつもくっ付いているジョシュアの姿があればなー……1発で判断できるのに。
仕方がない、ここは様子を見る事にしよう。
あとラティアには悪いが、ソフィーナさんの正体がレインかもと言うのは黙っておこう。
曖昧な事を吹き込んで、この場がややこしくなってしまうのも嫌だしな。
「……え~ト……あの~すみませン……どなたでしょうカ?」
ああ、そうか、ラティアはレイン……いや、この場合はソフィーナさん……か? ややこしいな。
よし、現状は仮面を着けているからソフィーナさんと呼ぶことにしよう。
そのソフィーナさんの方はラティアと出会った事が無かったか。
……あ、これはチャンスじゃないか。
レインの方ならラティアと出会っているから、自分はレインですよーって正体を明かすかもしれん。
「あ、アタシは……」
アタシは? 何だ?
レインか? ソフィーナさんか?
「……ソ、ソフィーナといいます」
ここの名乗りはソフィーナさんの方か。
「ソフィーナさン……ですカ」
うーん……こうなったら、ひとつ質問をしてみてつついてみるか。
『なあラティア。どうして、この人が俺達に対してデュラハンと叫んだのか聞いてみてくれないか? 少し気になってな』
さて、この質問に対してソフィーナさんはなんて答えるだろう。
「あ~確かニ……あの、ソフィーナさン。お伺いしたいのですガ、どうして私を見るなりデュラハンって叫んだんですカ?」
「えっ! あ~……え~と……その~……」
ソフィーナさんが口ごもっている。
言えない事情があるのか?
「……アタシがデュラハンと叫んじゃったのはですね…………それは……そっそう! レインです! レインからデュラハンの話を聞いていたからなんですよ!」
「レイン様からですカ?」
「はい……えと、本当は他の人に話しちゃ駄目って言われていたんですが……ちゃんと説明しないといけませんよね。アタシはレインからデュラハンを追ってほしいという依頼を受けていましてね。それで聞いていたデュラハンの特徴が貴女と一致していたので、つい叫んでしまったんですよ……その、アーメットの凹みとか……」
口ごもったのはしゃべるなと言われていたからと……なるほどね。
「はァ……そういう事でしたカ……」
その話が本当ならレインの奴め、厄介な事をしてくれたな。
ソフィーナさんの他にも同じような依頼をしている可能性はある。
……アーメットの凹みか。
早く直さないといけないな、これは。
「あっ! 思い出した! デュラハンの格好によく似たオッドアイの女性剣士がいるから、間違わない様に気をつけなさいと言われていたんだった……確か、アイリスさん……ですよね?」
それ、もっと早く思い出してほしかったですね。
急に後ろから叫ばれるのはたまったもんじゃないのだから。
「え? アイリス? ……いエ、私は……」
ラティアの奴、偽名を使っていた事を忘れているっぽい!
まだレインかもという疑いが晴れていないのに、ラティアと名乗るのは非常にまずい!
『アイリスだ! その姿ではア・イ・リ・ス・パーカー!』
「……あッ! ソッソウデ~ス! 私ガアイリスデ~ス!」
危ないところだった。
にしても、急にカタコトって……逆に怪しまれたかもしれない。
「あ~やっぱりか~失敗しちゃったな~あっはははは!」
怪しまれずにすんだようだ。
つか、普通なら笑い事じゃないと思うんだがな。
人をモンスターと勘違いしているんだし。
まぁある意味、今の俺はモンスターみたいなものだから何も言えないけど……。
「イエイエ、気ニシナイデ下サ~イ!」
「あっと、いけない! ツレと待ち合わせをしていたんだった! すみません、アタシはこれで失礼しますね。また機会があればお会いしましょう」
ソフィーナさんが頭を下げ、俺達から離れて行った。
ツレと待ち合わせ……あー、あの教会で怒鳴っていた奴か。
なら、俺達と話している所を見られてなければいいが……ちょこっと話していただけで怒鳴っていたからな、あいつ。
多分、嫉妬深い奴なんだろうな。
「あー……もう話は済んだかな?」
『「あっ」』
そうだ、爺さんの存在をすっかり忘れていた。
「すみませン! もう済みましタ! それでは炭鉱に向かいましょうカ」
「しっかり頼むぞ……まったく……」
結局、レインなのかそうじゃないのかの結論は出せずじまいだったな。
まぁどちらにせよ、追われているという立場は変わらずだ。
これからはソフィーナさんにも十分気を付けて行かないといけない。
となると、ますます早くオリバーを見つけ出さないといけなくなったぞ。
俺は気を引き締めなおし、炭鉱へと向かった。
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