【完結】デュラハンは逃走中-Dullahan is on the run-

コル

文字の大きさ
上 下
2 / 75
1章 二人の始り

レインの書~始まり~

しおりを挟む

 って、ちがーう!

 こんな壮大な話にしたい訳じゃない!

 私はただ普通に恋に落ちて恋愛したいだけ!

 毎日告白されるのに、付き合ったのは数回だけ。

 私自身に問題があるという訳でもない。

 イケメンなお兄ちゃんに愛されてて羨ましいなんて言われるけど、全くそんなことない。

 だって、私に彼氏ができない理由、それはずばり!

 お兄ちゃんのせいなんです!


 この前だって…


「ずっと前から好きだった。付き合って欲しい」

 私も彼のことが好きだった。
 返事はもちろん

「私も『ストープ』...お兄ちゃん」

 一体どこから聞き付けて来たの。

「初めまして」

「ど、どうも...」
美月みつきの事が好きなんだって?」

「えっと、この方は...」
「あ、私のお兄ちゃん」

 告白してるところを見られるとか嫌だよね。

「初めまして、」
「美月のこと好きなの?」

「はい!美月の事を好きな気持ちは、だ『誰にでも負けないって?口ばっかりじゃなぁ』」

「ちょっとお兄ちゃん!」

 もう、失礼なこと言わないでよ。

「俺よりも美月の事が好きだって証明できる?」

 また何を言い出すのかと思えば、

「はい」

 こんな人相手にしなくていいのに、

「じゃあ...美月のこの全部分かりきってるんだ」

「それは、」

 まだ付き合ってもないんだから、全部なんて知ってるわけない。私だって知らない。

「これから、お互い少しずつ知っていけばいいんだから」

「今は彼と話してるんだよ」

「だって…」

 こうなったら私でも止められない。

「ねぇ、美月の身長、体重、バスト、血液型、好きな食べ物、怖いものぜーんぶ知ってるのかって聞いてるんだけど?」

 今、聞いてはいけないものがあったような…

「ちょっとお兄ちゃん!」

 そんなの知ってる訳ないでしょ!?
 知ってるお兄ちゃんの方が怖いよ!

「えーっと、ごめん美月。やっぱり今の告白忘れて」

「え...」

 また…?
 また告白されて直ぐに振られるの?

「あー、ごめんね。なんか悪いことしちゃったみたいだね」

 全く悪いって顔してない。

「お兄ちゃんはなんでいつも私の邪魔ばっかりするの!?」

「なんの事?俺はたまたま通りかかっただけだよ」

 たまたま…

「嘘つかないで!」

 これで何回目だと思ってるの。

「俺が嘘なんかつくと思ってるんだ....」

「いや、それは...思ってないよ、」

 いつもこのやり口で負かされる。
 だって、そんな顔されたら、良心が痛むんだもん

「ならよかった」


 こうやって、いつもお兄ちゃんに言い負かされてしまう。


 もう、二度と恋人なんて作れないかもしれない。
 そう思っていたのに、転機が訪れた。
しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

うっかり女神さまからもらった『レベル9999』は使い切れないので、『譲渡』スキルで仲間を強化して最強パーティーを作ることにしました

akairo
ファンタジー
「ごめんなさい!貴方が死んだのは私のクシャミのせいなんです!」 帰宅途中に工事現場の足台が直撃して死んだ、早良 悠月(さわら ゆずき)が目覚めた目の前には女神さまが土下座待機をして待っていた。 謝る女神さまの手によって『ユズキ』として転生することになったが、その直後またもや女神さまの手違いによって、『レベル9999』と職業『譲渡士』という謎の職業を付与されてしまう。 しかし、女神さまの世界の最大レベルは99。 勇者や魔王よりも強いレベルのまま転生することになったユズキの、使い切ることもできないレベルの使い道は仲間に譲渡することだった──!? 転生先で出会ったエルフと魔族の少女。スローライフを掲げるユズキだったが、二人と共に世界を回ることで国を巻き込む争いへと巻き込まれていく。 ※9月16日  タイトル変更致しました。 前タイトルは『レベル9999は転生した世界で使い切れないので、仲間にあげることにしました』になります。 仲間を強くして無双していく話です。 『小説家になろう』様でも公開しています。

辺境領主は大貴族に成り上がる! チート知識でのびのび領地経営します

潮ノ海月
ファンタジー
旧題:転生貴族の領地経営~チート知識を活用して、辺境領主は成り上がる! トールデント帝国と国境を接していたフレンハイム子爵領の領主バルトハイドは、突如、侵攻を開始した帝国軍から領地を守るためにルッセン砦で迎撃に向かうが、守り切れず戦死してしまう。 領主バルトハイドが戦争で死亡した事で、唯一の後継者であったアクスが跡目を継ぐことになってしまう。 アクスの前世は日本人であり、争いごとが極端に苦手であったが、領民を守るために立ち上がることを決意する。 だが、兵士の証言からしてラッセル砦を陥落させた帝国軍の数は10倍以上であることが明らかになってしまう 完全に手詰まりの中で、アクスは日本人として暮らしてきた知識を活用し、さらには領都から避難してきた獣人や亜人を仲間に引き入れ秘策を練る。 果たしてアクスは帝国軍に勝利できるのか!? これは転生貴族アクスが領地経営に奮闘し、大貴族へ成りあがる物語。

なんども濡れ衣で責められるので、いい加減諦めて崖から身を投げてみた

下菊みこと
恋愛
悪役令嬢の最後の抵抗は吉と出るか凶と出るか。 ご都合主義のハッピーエンドのSSです。 でも周りは全くハッピーじゃないです。 小説家になろう様でも投稿しています。

異世界へ誤召喚されちゃいました~女神の加護でほのぼのスローライフ送ります~

モーリー
ファンタジー
⭐︎第4回次世代ファンタジーカップ16位⭐︎ 飛行機事故で両親が他界してしまい、社会人の長男、高校生の長女、幼稚園児の次女で生きることになった御剣家。 保険金目当てで寄ってくる奴らに嫌気がさしながらも、3人で支え合いながら生活を送る日々。 そんな矢先に、3人揃って異世界に召喚されてしまった。 召喚特典として女神たちが加護やチート能力を与え、異世界でも生き抜けるようにしてくれた。 強制的に放り込まれた異世界。 知らない土地、知らない人、知らない世界。 不安をはねのけながら、時に怖い目に遭いながら、3人で異世界を生き抜き、平穏なスローライフを送る。 そんなほのぼのとした物語。

白い結婚三年目。つまり離縁できるまで、あと七日ですわ旦那様。

あさぎかな@電子書籍二作目発売中
恋愛
異世界に転生したフランカは公爵夫人として暮らしてきたが、前世から叶えたい夢があった。パティシエールになる。その夢を叶えようと夫である王国財務総括大臣ドミニクに相談するも答えはノー。夫婦らしい交流も、信頼もない中、三年の月日が近づき──フランカは賭に出る。白い結婚三年目で離縁できる条件を満たしていると迫り、夢を叶えられないのなら離縁すると宣言。そこから公爵家一同でフランカに考え直すように動き、ドミニクと話し合いの機会を得るのだがこの夫、山のように隠し事はあった。  無言で睨む夫だが、心の中は──。 【詰んだああああああああああ! もうチェックメイトじゃないか!? 情状酌量の余地はないと!? ああ、どうにかして侍女の準備を阻まなければ! いやそれでは根本的な解決にならない! だいたいなぜ後妻? そんな者はいないのに……。ど、どどどどどうしよう。いなくなるって聞いただけで悲しい。死にたい……うう】 4万文字ぐらいの中編になります。 ※小説なろう、エブリスタに記載してます

貴族家三男の成り上がりライフ 生まれてすぐに人外認定された少年は異世界を満喫する

美原風香
ファンタジー
「残念ながらあなたはお亡くなりになりました」 御山聖夜はトラックに轢かれそうになった少女を助け、代わりに死んでしまう。しかし、聖夜の心の内の一言を聴いた女神から気に入られ、多くの能力を貰って異世界へ転生した。 ーけれども、彼は知らなかった。数多の神から愛された彼は生まれた時点で人外の能力を持っていたことを。表では貴族として、裏では神々の使徒として、異世界のヒエラルキーを駆け上っていく!これは生まれてすぐに人外認定された少年の最強に無双していく、そんなお話。 ✳︎不定期更新です。 21/12/17 1巻発売! 22/05/25 2巻発売! コミカライズ決定! 20/11/19 HOTランキング1位 ありがとうございます!

魔力∞を魔力0と勘違いされて追放されました

紗南
ファンタジー
異世界に神の加護をもらって転生した。5歳で前世の記憶を取り戻して洗礼をしたら魔力が∞と記載されてた。異世界にはない記号のためか魔力0と判断され公爵家を追放される。 国2つ跨いだところで冒険者登録して成り上がっていくお話です 更新は1週間に1度くらいのペースになります。 何度か確認はしてますが誤字脱字があるかと思います。 自己満足作品ですので技量は全くありません。その辺り覚悟してお読みくださいm(*_ _)m

魔拳のデイドリーマー

osho
ファンタジー
剣と魔法の異世界に転生した少年・ミナト。ちょっと物騒な大自然の中で、優しくて美人でエキセントリックなお母さんに育てられた彼が、我流の魔法と鍛えた肉体を武器に、常識とか色々ぶっちぎりつつもあくまで気ままに過ごしていくお話。 主人公最強系の転生ファンタジーになります。未熟者の書いた、自己満足が執筆方針の拙い文ですが、お暇な方、よろしければどうぞ見ていってください。感想などいただけると嬉しいです。

処理中です...