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9章 奴を捕まえろ!
8、猪鹿蝶の味
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レバニラを食べたいと思っても、ニラなんて物は無いからレバニラは諦めるしかない。
内臓類は普通に焼いて食べていいのかな。
「こ、これは普通に焼くだけで良いんだよね?」
「うん。適当な大きさで、切って焼いちゃって」
「わ、わかった」
こういったのを焼くとなると石の板の出番なんだけど、流石に持って来てない。
拠点に取りに戻るとしても、往復分と石を焼くのに時間がかかる。
内臓って痛んでくるのが早いから時間をかけたくないんだよな。
「んー……仕方ないか」
僕はこぶし大くらいの大きさのある石を焚き火の周りに囲むように置き、その石の上に出来る限り平べったく大きい石を選んで置いた。
加工する時間も勿体ないから、凸凹やある程度丸まっていても許容範囲としよう。
即席の石焼はこれで完成。
けど、石が焼けるまでの時間が勿体ないから、心臓と肝臓を一口サイズで切り揃えて木の枝に刺して焼いておくか。
これはこれで美味しく焼けるだろうしな。
僕は鱗で猪鹿蝶の心臓と肝臓を力任せに輪切りにして、木の枝の先に刺していった。
そして枝に刺したのを焚き火の前の地面に突き刺して準備完了、後は焼けるまで待つのみ。
「で、これをどうするかだな……」
このよくわからない網状になっている部位はなんなんだろう。
食べられるから、ここにあるんだろうけど……こんなの見た事が無いんだよな。
触った感じは脂肪みたいだけど、どうやって焼けばいいんだ。
木の枝に巻き付けてもうまく焼ける気がしないから、石が焼けるまでは置いておくか。
とりあえず、これで今できる事は終わった。
内臓と石の焼き具合を見つつ、アリサの解体具合を様子見するか。
目線を向けるとアリサは手際よく頭や尻尾、足先を切り落して、皮を剥ぐ作業に入っていた。
「すげぇなー」
手際がプロみたいだ。
にしても、毛皮が手に入るのは大きいぞ。
衣服にしてもいいし、地面やベッドに敷くのもいい。
この辺りはアリサと相談しないとな。
「おっ……スンスン」
すごく良い匂いがして来たぞ。
内臓はよく焼かないと怖いけど……うん、この位焼ければ問題ないだろう。
「ア、アリサ……さん、焼けたよ」
「おっ! まって、ました! 今、行くね!」
アリサは作業の手を止め、僕の方へと飛んで来た。
解体を頑張っているんだし、一番おいしいそうに焼けている奴を渡すべきだよな。
えーと……うん、この心臓がいいかな。
「は、はい、どうぞ」
僕はアリサに焼けた心臓を手渡した。
「ありがとう! おお……肉だあ~」
目を輝かせて、すごい幸せそうな顔をしているよ。
まぁ目の前に肉があればそうなるか。
「それじゃあ、いただきま~す! パクッ……んんっ!! おいひぃ~!! おいひいよ!!」
いつもと若干リアクションが違う。
どれ、僕も食べよう。
肝臓の一つを手に取り、口へと運んだ。
「フーフー……はむ……モグモグ……ほああああああああ!」
独特の濃厚な風味、そして粘り気のあるこの食感! まさにレバー!
この無人島で食べたどんな物よりうまい!
ああ……あまりにもおいしすぎて涙が出てきそうだ。
僕たち二人はおいしさのあまり、あっという間に食べきってしまった。
あーこれだけでも十分満足した感じなのに、まだ本命の肉がこの後控えていると思うと楽しみで仕方ない。
「ふぅ~……少し休憩したら、作業再開するね」
「あっ……よ、よろしく」
出来れば今すぐと言いたいけど、流石にそれは我儘すぎるよな……僕何もしてないし。
※
レバーの効果が出たのか、はたまた肉をすぐ食べるという意気込みがあったのか、作業を再開したアリサはあっという間に猪鹿蝶の解体を済ませてしまった。
「うん、だいたい、こんな感じかな。どんなふうに、食べる?」
「そ、そうだね……えーと」
一部を今日食べる分に回して、残りは干し肉といった保存食する方が良いよな。
でも、どうせなら……。
「き、今日は好きな部位を好きなだけ食べて、残りは保存食にしようか」
「おお! 好きな部位を、好きなだけ!? それ、のった!」
さて、どの部分を食べようかな。
バラにロースにヒレ……もも肉も捨てがたいな。
うーん、これは悩むぞ。
「うちは。ここと、ここと、ここと、ここと……」
おいおい、各部位全部食う気かよ。
いくら何でもそれは食べ過ぎじゃないかな。
まぁ好きな部位を好きなだけって言ったし、無人島だと豪華な食べ物だ。
文句を言うのは野暮ってものだよな。
石の焼き具合も完璧。
まずは、肉がくっ付かない様に猪鹿蝶の脂身を置いて油を広げる。
おお……この時点で、もううまそうな匂いがするぞ。
「そ、それじゃあ肉を焼いて行こうか」
「お~~!!」
アリサが猪鹿蝶の肉を焼き石の上に置いて行く。
ちょっ僕の焼く場所が無くなっちゃう。
慌てて自分の分も置いて、肉が焼けるのを待った。
肉はジュージューといい音をたて、僕のお腹もグーグーと鳴っている。
早く焼けろー早く焼けろー。
そんな事を思っていると、すぐに猪鹿蝶の肉がいい具合に焼けてきた。
僕とアリサは同時に焼けた肉を手にとり……。
「「いただきます!」」
同時に肉にかぶりついた。
「「はむ……モグモグ……」」
……うまい! うますぎる!!
肉の甘み、そして脂身部分はとろけるようでありながらしつこさ、脂っぽさを感じないぞ。
味は豚肉に似ているけど、ちょっと違うな。
多分、これが猪の味……いや鹿の味かな? まぁどっちも食べた事が無いからはっきりとは言えないけど、これはかなりおいしい。
今まで食べた焼肉で一番かもしれないぞ。
あー! 米と一緒に食いてぇえええな!
「んんん~! おいしいよおおおおおおおおお!」
アリサが大声で叫んだ。
その叫びたい気持ちはよくわかる。
僕1人だったら確実に叫んで小躍りしていただろうな。
内臓類は普通に焼いて食べていいのかな。
「こ、これは普通に焼くだけで良いんだよね?」
「うん。適当な大きさで、切って焼いちゃって」
「わ、わかった」
こういったのを焼くとなると石の板の出番なんだけど、流石に持って来てない。
拠点に取りに戻るとしても、往復分と石を焼くのに時間がかかる。
内臓って痛んでくるのが早いから時間をかけたくないんだよな。
「んー……仕方ないか」
僕はこぶし大くらいの大きさのある石を焚き火の周りに囲むように置き、その石の上に出来る限り平べったく大きい石を選んで置いた。
加工する時間も勿体ないから、凸凹やある程度丸まっていても許容範囲としよう。
即席の石焼はこれで完成。
けど、石が焼けるまでの時間が勿体ないから、心臓と肝臓を一口サイズで切り揃えて木の枝に刺して焼いておくか。
これはこれで美味しく焼けるだろうしな。
僕は鱗で猪鹿蝶の心臓と肝臓を力任せに輪切りにして、木の枝の先に刺していった。
そして枝に刺したのを焚き火の前の地面に突き刺して準備完了、後は焼けるまで待つのみ。
「で、これをどうするかだな……」
このよくわからない網状になっている部位はなんなんだろう。
食べられるから、ここにあるんだろうけど……こんなの見た事が無いんだよな。
触った感じは脂肪みたいだけど、どうやって焼けばいいんだ。
木の枝に巻き付けてもうまく焼ける気がしないから、石が焼けるまでは置いておくか。
とりあえず、これで今できる事は終わった。
内臓と石の焼き具合を見つつ、アリサの解体具合を様子見するか。
目線を向けるとアリサは手際よく頭や尻尾、足先を切り落して、皮を剥ぐ作業に入っていた。
「すげぇなー」
手際がプロみたいだ。
にしても、毛皮が手に入るのは大きいぞ。
衣服にしてもいいし、地面やベッドに敷くのもいい。
この辺りはアリサと相談しないとな。
「おっ……スンスン」
すごく良い匂いがして来たぞ。
内臓はよく焼かないと怖いけど……うん、この位焼ければ問題ないだろう。
「ア、アリサ……さん、焼けたよ」
「おっ! まって、ました! 今、行くね!」
アリサは作業の手を止め、僕の方へと飛んで来た。
解体を頑張っているんだし、一番おいしいそうに焼けている奴を渡すべきだよな。
えーと……うん、この心臓がいいかな。
「は、はい、どうぞ」
僕はアリサに焼けた心臓を手渡した。
「ありがとう! おお……肉だあ~」
目を輝かせて、すごい幸せそうな顔をしているよ。
まぁ目の前に肉があればそうなるか。
「それじゃあ、いただきま~す! パクッ……んんっ!! おいひぃ~!! おいひいよ!!」
いつもと若干リアクションが違う。
どれ、僕も食べよう。
肝臓の一つを手に取り、口へと運んだ。
「フーフー……はむ……モグモグ……ほああああああああ!」
独特の濃厚な風味、そして粘り気のあるこの食感! まさにレバー!
この無人島で食べたどんな物よりうまい!
ああ……あまりにもおいしすぎて涙が出てきそうだ。
僕たち二人はおいしさのあまり、あっという間に食べきってしまった。
あーこれだけでも十分満足した感じなのに、まだ本命の肉がこの後控えていると思うと楽しみで仕方ない。
「ふぅ~……少し休憩したら、作業再開するね」
「あっ……よ、よろしく」
出来れば今すぐと言いたいけど、流石にそれは我儘すぎるよな……僕何もしてないし。
※
レバーの効果が出たのか、はたまた肉をすぐ食べるという意気込みがあったのか、作業を再開したアリサはあっという間に猪鹿蝶の解体を済ませてしまった。
「うん、だいたい、こんな感じかな。どんなふうに、食べる?」
「そ、そうだね……えーと」
一部を今日食べる分に回して、残りは干し肉といった保存食する方が良いよな。
でも、どうせなら……。
「き、今日は好きな部位を好きなだけ食べて、残りは保存食にしようか」
「おお! 好きな部位を、好きなだけ!? それ、のった!」
さて、どの部分を食べようかな。
バラにロースにヒレ……もも肉も捨てがたいな。
うーん、これは悩むぞ。
「うちは。ここと、ここと、ここと、ここと……」
おいおい、各部位全部食う気かよ。
いくら何でもそれは食べ過ぎじゃないかな。
まぁ好きな部位を好きなだけって言ったし、無人島だと豪華な食べ物だ。
文句を言うのは野暮ってものだよな。
石の焼き具合も完璧。
まずは、肉がくっ付かない様に猪鹿蝶の脂身を置いて油を広げる。
おお……この時点で、もううまそうな匂いがするぞ。
「そ、それじゃあ肉を焼いて行こうか」
「お~~!!」
アリサが猪鹿蝶の肉を焼き石の上に置いて行く。
ちょっ僕の焼く場所が無くなっちゃう。
慌てて自分の分も置いて、肉が焼けるのを待った。
肉はジュージューといい音をたて、僕のお腹もグーグーと鳴っている。
早く焼けろー早く焼けろー。
そんな事を思っていると、すぐに猪鹿蝶の肉がいい具合に焼けてきた。
僕とアリサは同時に焼けた肉を手にとり……。
「「いただきます!」」
同時に肉にかぶりついた。
「「はむ……モグモグ……」」
……うまい! うますぎる!!
肉の甘み、そして脂身部分はとろけるようでありながらしつこさ、脂っぽさを感じないぞ。
味は豚肉に似ているけど、ちょっと違うな。
多分、これが猪の味……いや鹿の味かな? まぁどっちも食べた事が無いからはっきりとは言えないけど、これはかなりおいしい。
今まで食べた焼肉で一番かもしれないぞ。
あー! 米と一緒に食いてぇえええな!
「んんん~! おいしいよおおおおおおおおお!」
アリサが大声で叫んだ。
その叫びたい気持ちはよくわかる。
僕1人だったら確実に叫んで小躍りしていただろうな。
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