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7章 様々な使い道
5、塩作りと罠の中
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……。
目を開けると、青空が広がっていた。
何で僕は横になって地面に寝ているのだろう。
えーと……そうだ、バムムを使ってアリサが火を起こして……それから……それから……あれ? それからどうなったんだっけ?
何かものすごい衝撃を受けたような気がするんだけど……駄目だ、その辺りの記憶が全く思い出せない。
ゆっくり上半身を起こし、辺りを見わたすと2つのかまどに火が入っていた。
アリサが火を入れてくれたのかな。
けど、そのアリサの姿が見えない。
「あ、目、覚めた?」
声のした方向を見ると、両手に枝を抱えたアリサの姿があった。
ああ、薪拾いに行ってくれていたのか。
「大丈夫? 何処か、体のおかしいところ、ある?」
アリサが枝を地面に置いて、傍に寄って来た。
「え? んー……と、特におかしいところはないけど……」
自分の体をあちこち触ってみても何処も痛みを感じない。
寒気、だるさ、熱も無いからいたって健康だけど……何かの病気だとしたらまずいぞ。
当然ながら無人島に病院なんてものはない。
命に関わる菌に感染していたらもう終わりだ。
僕はここまでなのか? そんな……。
「そう? 平気なら、良いんだけど……びっくり、しちゃったよ。抱き付いたら急に顔、真っ赤にして、倒れるんだもの」
こんな無人島で終……え?
「……抱き……つき…………ハッ!!」
思い出した!!
火がついた時、突然アリサが僕に抱き付いて来たんだった!
その瞬間に心臓がものすごい速さで動いて、顔が熱くなって、意識が飛んで……。
「……」
倒れたのは体調不良でも病気でもない。
強いて言うなら、異性に対しての免疫力が無さ過ぎた。
ただそれだけの事。
「ど、どうしのた? やっぱり、どこか具合が……」
「だっ! 大丈夫! ほら、この通り!」
僕は勢いよく立ち上がり、屈伸運動をして元気アピールをして見せた。
言えるわけがない……倒れた原因が抱き付かれたからだなんて。
「あっ! 火! 火を付けてくれてありがとう! さっそく塩を作ろうかー! あははは!」
僕は土器の器と空のビンをさっと手にして、海へと走って行った。
「……? 本当、大丈夫なのかな?」
海水から塩を作る準備開始だ。
まずは土器の上に不純物を取る為に布を被せて、その布の上にビンに入れた海水をそそぐ。
土器が海水でいっぱいになったら、かまどの上に置く。
これで塩作りの前準備完了、実に簡単。
「あ、後はこのまま海水を煮詰めていって、とりあえず……3分の1くらいの量になったら海水をつぎ足して、また3分の1くらいの量になったら海水をって作業を……4~5回くらい繰り返して、高濃度の塩水を作る感じ……かな」
「なんか、ずいぶん大雑把ね」
「え? そ、そう?」
そう言われても、どうしてもそうなっちゃうんだよ。
何故なら海水から塩を作る動画は、投稿者それぞれで鍋の大きさが違うんだもの。
そうなると、当然煮込む海水の量もバラバラになってしまう。
仮に海水の量が決まっていたとしても、僕の作った土器がどの位入るのか不明だから結局は勘でやるしかないわけだ。
「……まっいっか。とりあえず、これで塩、出来るわけだね」
「う、うん」
うまくいけばね。
いや、うまくいかないと困るんだけども。
さて、このまま煮ている器を見ていても仕方がない。
海水が減るまではどうしようもないから、その間に他の事をやってしまおう。
「へ、減るまで海水を見てても時間が勿体ないし、罠に獲物が入っているか見に行かない?」
「おっ待って、ました! 何が獲れてるか、楽しみだな~」
今日の食事でもあるからな、何か獲れていてほしいよ。
獲れた魚に作った塩をふって焼いて食べる。
ああ、想像しただけで涎が出そうだ。
えーと、この辺りにもんどりを設置したはずなんだけど……あったあった。
沖に流されていなくて良かった。
よし、さっそく回収をしよう。
「あ、ねぇねぇ」
「ん?」
海へ入ろうとすると、アリサが声を掛けて来た。
「罠、うちが取りに、行ってもいい?」
自分で作った罠だから気になるのかな。
陸に上げるだけだし、問題ははないだろう。
「う、うん。いいよ」
「やった!」
アリサは嬉しそうに海へと入って行った。
そして、もんどりを海中から取り出した。
「――よいしょっと……おお! 罠の中で、何か動いてる、音がするよ!」
という事は、もんどりで獲物が獲れたわけだ。
獲れたのが食べられる魚だといいな。
「何が、入っているのかな~?」
あ、陸に上がる前に蓋の部分を取って中を見ているよ。
気が急くのはわからんでもないけど、獲れたのが外に飛び出しちゃう可能性があるから止めてほしいな。
「お~結構、入ってるわ……あっ! ここでも、アブラゼミ、捕れるんだ」
「…………ん?」
今アブラゼミとか言わなかったか?
アブラゼミって海の中を泳げたっけ?
……いやいや、セミが海を泳げるわけがないじゃないか。
考えなくてもこっちの世界の魚の名前に決まっているか。
まったく、実に紛らわしい。
「ほら、見て、見て!」
アリサが海から上がり、僕の目の前にアブラゼミという名の魚を――。
「――うえっ!?」
アリサの手にしているのは、茶色でセミのフォルムをした魚……じゃなくて、完全なアブラゼミじゃないか!!
「嘘だろ! この世界のセミって泳ぐの!?」
異世界とはいえ、それはおかしいだろ。
「? そりゃあ、ゼミは、魚介類だもの。泳いでるに、決まっているでしょ」
いやいやいやいや、どこが魚介類なんだよ。
どこからどう見てもセミ…………じゃない!
よくよく見ると羽の部分はヒレっぽいし、お尻にはエビの様な尻尾が付いている。
甲殻類っぽくて魚介類ではあるんだけど……なんか納得がいかないな。
「リョーの世界にも、ゼミっているの?」
「う、うん……形はこのゼミに似ているけど……虫だし、空を飛ぶんだよ」
「へぇ~、ゼミが空を……なんか、想像できないな」
そりゃそうだ、こっちのは泳いでいるんだから。
にしても、このゼミって食えるのか? 一応セミは食べられるけど……。
あ、そういえばセミ、というか虫系はサバイバルにおいて鉄板の食料だ。
この世界の虫を口にするのはものすごく怖いけど、いざとなったら食料に……あれ、ちょっと待てよ。
「ア、アリサ……さん。この島で虫を見た?」
「虫? ……あ~……そういえば、見てないわね」
やっぱり、そうだよな。
いくらこの島が大きい方とはいえ、かなり歩き回っているのに未だ1匹も虫を見ていないのは明らかにおかしい。
一体どういう事なんだ。
目を開けると、青空が広がっていた。
何で僕は横になって地面に寝ているのだろう。
えーと……そうだ、バムムを使ってアリサが火を起こして……それから……それから……あれ? それからどうなったんだっけ?
何かものすごい衝撃を受けたような気がするんだけど……駄目だ、その辺りの記憶が全く思い出せない。
ゆっくり上半身を起こし、辺りを見わたすと2つのかまどに火が入っていた。
アリサが火を入れてくれたのかな。
けど、そのアリサの姿が見えない。
「あ、目、覚めた?」
声のした方向を見ると、両手に枝を抱えたアリサの姿があった。
ああ、薪拾いに行ってくれていたのか。
「大丈夫? 何処か、体のおかしいところ、ある?」
アリサが枝を地面に置いて、傍に寄って来た。
「え? んー……と、特におかしいところはないけど……」
自分の体をあちこち触ってみても何処も痛みを感じない。
寒気、だるさ、熱も無いからいたって健康だけど……何かの病気だとしたらまずいぞ。
当然ながら無人島に病院なんてものはない。
命に関わる菌に感染していたらもう終わりだ。
僕はここまでなのか? そんな……。
「そう? 平気なら、良いんだけど……びっくり、しちゃったよ。抱き付いたら急に顔、真っ赤にして、倒れるんだもの」
こんな無人島で終……え?
「……抱き……つき…………ハッ!!」
思い出した!!
火がついた時、突然アリサが僕に抱き付いて来たんだった!
その瞬間に心臓がものすごい速さで動いて、顔が熱くなって、意識が飛んで……。
「……」
倒れたのは体調不良でも病気でもない。
強いて言うなら、異性に対しての免疫力が無さ過ぎた。
ただそれだけの事。
「ど、どうしのた? やっぱり、どこか具合が……」
「だっ! 大丈夫! ほら、この通り!」
僕は勢いよく立ち上がり、屈伸運動をして元気アピールをして見せた。
言えるわけがない……倒れた原因が抱き付かれたからだなんて。
「あっ! 火! 火を付けてくれてありがとう! さっそく塩を作ろうかー! あははは!」
僕は土器の器と空のビンをさっと手にして、海へと走って行った。
「……? 本当、大丈夫なのかな?」
海水から塩を作る準備開始だ。
まずは土器の上に不純物を取る為に布を被せて、その布の上にビンに入れた海水をそそぐ。
土器が海水でいっぱいになったら、かまどの上に置く。
これで塩作りの前準備完了、実に簡単。
「あ、後はこのまま海水を煮詰めていって、とりあえず……3分の1くらいの量になったら海水をつぎ足して、また3分の1くらいの量になったら海水をって作業を……4~5回くらい繰り返して、高濃度の塩水を作る感じ……かな」
「なんか、ずいぶん大雑把ね」
「え? そ、そう?」
そう言われても、どうしてもそうなっちゃうんだよ。
何故なら海水から塩を作る動画は、投稿者それぞれで鍋の大きさが違うんだもの。
そうなると、当然煮込む海水の量もバラバラになってしまう。
仮に海水の量が決まっていたとしても、僕の作った土器がどの位入るのか不明だから結局は勘でやるしかないわけだ。
「……まっいっか。とりあえず、これで塩、出来るわけだね」
「う、うん」
うまくいけばね。
いや、うまくいかないと困るんだけども。
さて、このまま煮ている器を見ていても仕方がない。
海水が減るまではどうしようもないから、その間に他の事をやってしまおう。
「へ、減るまで海水を見てても時間が勿体ないし、罠に獲物が入っているか見に行かない?」
「おっ待って、ました! 何が獲れてるか、楽しみだな~」
今日の食事でもあるからな、何か獲れていてほしいよ。
獲れた魚に作った塩をふって焼いて食べる。
ああ、想像しただけで涎が出そうだ。
えーと、この辺りにもんどりを設置したはずなんだけど……あったあった。
沖に流されていなくて良かった。
よし、さっそく回収をしよう。
「あ、ねぇねぇ」
「ん?」
海へ入ろうとすると、アリサが声を掛けて来た。
「罠、うちが取りに、行ってもいい?」
自分で作った罠だから気になるのかな。
陸に上げるだけだし、問題ははないだろう。
「う、うん。いいよ」
「やった!」
アリサは嬉しそうに海へと入って行った。
そして、もんどりを海中から取り出した。
「――よいしょっと……おお! 罠の中で、何か動いてる、音がするよ!」
という事は、もんどりで獲物が獲れたわけだ。
獲れたのが食べられる魚だといいな。
「何が、入っているのかな~?」
あ、陸に上がる前に蓋の部分を取って中を見ているよ。
気が急くのはわからんでもないけど、獲れたのが外に飛び出しちゃう可能性があるから止めてほしいな。
「お~結構、入ってるわ……あっ! ここでも、アブラゼミ、捕れるんだ」
「…………ん?」
今アブラゼミとか言わなかったか?
アブラゼミって海の中を泳げたっけ?
……いやいや、セミが海を泳げるわけがないじゃないか。
考えなくてもこっちの世界の魚の名前に決まっているか。
まったく、実に紛らわしい。
「ほら、見て、見て!」
アリサが海から上がり、僕の目の前にアブラゼミという名の魚を――。
「――うえっ!?」
アリサの手にしているのは、茶色でセミのフォルムをした魚……じゃなくて、完全なアブラゼミじゃないか!!
「嘘だろ! この世界のセミって泳ぐの!?」
異世界とはいえ、それはおかしいだろ。
「? そりゃあ、ゼミは、魚介類だもの。泳いでるに、決まっているでしょ」
いやいやいやいや、どこが魚介類なんだよ。
どこからどう見てもセミ…………じゃない!
よくよく見ると羽の部分はヒレっぽいし、お尻にはエビの様な尻尾が付いている。
甲殻類っぽくて魚介類ではあるんだけど……なんか納得がいかないな。
「リョーの世界にも、ゼミっているの?」
「う、うん……形はこのゼミに似ているけど……虫だし、空を飛ぶんだよ」
「へぇ~、ゼミが空を……なんか、想像できないな」
そりゃそうだ、こっちのは泳いでいるんだから。
にしても、このゼミって食えるのか? 一応セミは食べられるけど……。
あ、そういえばセミ、というか虫系はサバイバルにおいて鉄板の食料だ。
この世界の虫を口にするのはものすごく怖いけど、いざとなったら食料に……あれ、ちょっと待てよ。
「ア、アリサ……さん。この島で虫を見た?」
「虫? ……あ~……そういえば、見てないわね」
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