8 / 75
第一章 天使の剣に選ばれてしまった魔王
7 『我輩も言いたかったな~』
しおりを挟む
「いやまて! 我輩はそんなの話聞いていててててて!!」
こいつううううううう今度は思いっきり足の甲を踏みやがった!
「必ずや勇者デールと共に魔王を討ち滅ぼします!」
「うむ、頼んだぞ、旅に必要なものや武器防具は用意させてある……デーヴァン、後は任せたぞ」
ライリーは王座から立ち上がって広間の出入り口に向かって歩き始めた、騎士達も隊列を組みライリーのあとに続く。相変わらず統率が取れているな……ってベルトラの奴もその列に戻ろうとしているし、まだ聞きたいことがあるのにだ。
「おい! まて! どいうことだ!?」
ベルトラの両肩を掴み上下に揺さぶる、と両肩の手を弾いたと同時にくりっとした目が三日月状につりあがり我輩を睨みつけてきた……う、なんか怖い。
「どうもこうも私はあなた一緒に同行します、ものすごく不本意ではありますが!」
不本意ならついてこなくてもいいのではないか、これだから人間の考えることはわからん……。あ、そうかこれを口実に3人での旅を取りやめにすればいいではないか。
「いやなのなら別に――」
「どうしても私はあなたについて行かねばならぬのです、ものすごく不本意ではありますが!」
大事なことなので2回言われた。まずいこのままではたった3人で行くはめになってしまう、どうにかしないと!!
あああ、考えている間にもライリーはもう出入り口付近まで歩いてしまっているし。
「えーと……えーと……なにかなにか……そうだ! ――王様! 我輩は剣など触った事もありません! ど素人です! しかも我輩、体が弱く――」
こんな弱い発言、自分で言っていて悲しくる……だがライリーの歩みを止めれることには成功したぞ。
「何を言っているの? アブソーヘイズを触っているじゃん」
――が横にいた精霊が首をかしげて天使の剣を指刺してくる。
こいつはまたしても余計な事を言う!!
「持つほうの触れるではない! 剣を振るのほうだ! ほれこのとおり!」
天使の剣を鞘から抜き適当に振り回す。子供が木の枝を振り回す様にめちゃくちゃに、あ~実にかっこ悪い。
「あ~なるほど~けど大丈夫だと思うよ?」
ポンっと手を叩くと精霊は光の粒状になり天使の剣の鍔にある虹色に光る丸石に吸い込まれるように入っていく。
「は? 精霊?」
『アブソーヘイズとデールは繋がっているって言ったでしょ? それはこうやってデールに魔力を送るためだよ、その魔力で身体能力を向上したり魔法が強化できたりできるし』
天使の剣から精霊の声が聞こえてくる、確かに魔力が天使の剣から我輩に流れて込んでくる。
『そしてなにより!』
「なにより?」
『このエリンちゃんがいるから一万光年力!!!』
うん、こいつは馬鹿だ、断言できる。
「……それ距離だ……」
天使の剣にこんな余計な能力が付いているとは……。
『ほへ? まぁ別にそんな細かい事――』
天使の剣から光の粒状が飛び出して、人の形に集まり精霊の姿に戻った。
こんな芸当が出来るとは。
「――どうでもいいじゃない~」
どうでも良くないと思うが……ん? 今のやり取りを見てなのかライリーがものすごい不安な顔をしているぞ。これはチャンス!
「王様! 見てのとお――」
『フハハハハハ!!』
今度はなんだ! どうして我輩の邪魔ばかり入るのだ!
「何事だ!?」
騎士達はライリーを囲みデーヴァンは鋭い目で辺りを見わたしている、あれでは話が進められんではないか。
「忌々しい! 今のはなんなのだ!?」
「なんか外から声きこえたねぇ~」
広間に兵士が走りこんで来た、なんだかすごく慌てているな。
「たっ大変です! 空を!」
「空だと!?」
広間にいた者たちがベランダへと走り、空を見上げている。一体なにがあるという――。
「なんだあれは!?」
「はぁ!?」
空には我輩が良く知るイケメンが映りだされている。漆黒のマントがより肉体美を上げ、チャームポイントのサメのようなギザギザの歯は、2本の角に腰くらいまで伸びたやっぱり気になるぼさぼさの黒髪……それこそ――。
「なんで我輩が空に!?」
『人間共よ、お初にお目にかかる余の名はデイルワッツ! 魔王デイルワッツである!』
「あ、あれが魔王デイルワッツ!? 直接乗り込んできたのか!?」
「ん~違うね、あれは魔法で作った幻で自分の姿を空に映しているんだよ、本体は遠くにいると思うよ」
いやいやいやいやデイルワッツは我輩だ!! あれは一体誰なのだ!?
『天使の剣を抜いた者が現れたと聞いていな、我々には取るに足らない事だが……そうまでして抵抗するのであれば、これより本格的に総攻撃を仕掛ける!』
「「なんだと!? 今までは本気ではなかったというのか!?」」
ベルトラが我輩と同じ言葉を言ったから何でこんな奴と~って顔しとるが、意味がまったく違うぞ……アルフレドの報告では全力の様に侵攻しているとのことだったのにどういうことなのだ?
『人間共よ、恐れよ! 我が軍団の力に!! フハハハハハハ!!!』
笑いとともにもう一人の我輩は消えていった。
「我輩も言いたかったな~あんな台詞……」
ポツリと独り言、幸い他の者達はあのデイルワッツ? の衝撃が大きかったのか我輩の独り言なぞ聞いている者なぞいなかった。
「陛下、魔王軍も動き出すのなら我々も早々に動かなければ」
あ、そうだ。3人旅という問題はまったく解決してないではないか!
「あ、いや! だから我輩は!」
ベルトラは我輩の胸倉を掴みものすごい剣幕で囃し立ててくる、だからその目は怖いんだって。
「奴らは今より攻撃をしてくるんですよ! そうなると少しでも守備に人手が必要になります、最初の予定通り少数精鋭として動きましょう! 大丈夫です、剣のことなら私が指南できますので!」
我輩を投げ捨てベルトラはライリーの元へ駆け寄り進言を促す。
「陛下! どうか!」
髭をさすりながらライリーは目を瞑り考える、ほんの数秒の沈黙……頼む、少数なんてやめてくれ!
ライリーは目を開け我が達3人を再度確認するように目を配らせた、答えが出たようだ。
「いささか不安ではあるがベルトラがいれば問題なかろう、すぐに準備だ!」
「はっ!」
「――――――――――――」
城の者は走って城の中に入っていく、ベランダには我輩と精霊の二人だけ。
「――――――――――――」
「デール、だいじょうぶ?」
ツンツンと精霊は我輩のほっぺをつっついてきたがショックが大きいせいか何も感じない……。
こいつううううううう今度は思いっきり足の甲を踏みやがった!
「必ずや勇者デールと共に魔王を討ち滅ぼします!」
「うむ、頼んだぞ、旅に必要なものや武器防具は用意させてある……デーヴァン、後は任せたぞ」
ライリーは王座から立ち上がって広間の出入り口に向かって歩き始めた、騎士達も隊列を組みライリーのあとに続く。相変わらず統率が取れているな……ってベルトラの奴もその列に戻ろうとしているし、まだ聞きたいことがあるのにだ。
「おい! まて! どいうことだ!?」
ベルトラの両肩を掴み上下に揺さぶる、と両肩の手を弾いたと同時にくりっとした目が三日月状につりあがり我輩を睨みつけてきた……う、なんか怖い。
「どうもこうも私はあなた一緒に同行します、ものすごく不本意ではありますが!」
不本意ならついてこなくてもいいのではないか、これだから人間の考えることはわからん……。あ、そうかこれを口実に3人での旅を取りやめにすればいいではないか。
「いやなのなら別に――」
「どうしても私はあなたについて行かねばならぬのです、ものすごく不本意ではありますが!」
大事なことなので2回言われた。まずいこのままではたった3人で行くはめになってしまう、どうにかしないと!!
あああ、考えている間にもライリーはもう出入り口付近まで歩いてしまっているし。
「えーと……えーと……なにかなにか……そうだ! ――王様! 我輩は剣など触った事もありません! ど素人です! しかも我輩、体が弱く――」
こんな弱い発言、自分で言っていて悲しくる……だがライリーの歩みを止めれることには成功したぞ。
「何を言っているの? アブソーヘイズを触っているじゃん」
――が横にいた精霊が首をかしげて天使の剣を指刺してくる。
こいつはまたしても余計な事を言う!!
「持つほうの触れるではない! 剣を振るのほうだ! ほれこのとおり!」
天使の剣を鞘から抜き適当に振り回す。子供が木の枝を振り回す様にめちゃくちゃに、あ~実にかっこ悪い。
「あ~なるほど~けど大丈夫だと思うよ?」
ポンっと手を叩くと精霊は光の粒状になり天使の剣の鍔にある虹色に光る丸石に吸い込まれるように入っていく。
「は? 精霊?」
『アブソーヘイズとデールは繋がっているって言ったでしょ? それはこうやってデールに魔力を送るためだよ、その魔力で身体能力を向上したり魔法が強化できたりできるし』
天使の剣から精霊の声が聞こえてくる、確かに魔力が天使の剣から我輩に流れて込んでくる。
『そしてなにより!』
「なにより?」
『このエリンちゃんがいるから一万光年力!!!』
うん、こいつは馬鹿だ、断言できる。
「……それ距離だ……」
天使の剣にこんな余計な能力が付いているとは……。
『ほへ? まぁ別にそんな細かい事――』
天使の剣から光の粒状が飛び出して、人の形に集まり精霊の姿に戻った。
こんな芸当が出来るとは。
「――どうでもいいじゃない~」
どうでも良くないと思うが……ん? 今のやり取りを見てなのかライリーがものすごい不安な顔をしているぞ。これはチャンス!
「王様! 見てのとお――」
『フハハハハハ!!』
今度はなんだ! どうして我輩の邪魔ばかり入るのだ!
「何事だ!?」
騎士達はライリーを囲みデーヴァンは鋭い目で辺りを見わたしている、あれでは話が進められんではないか。
「忌々しい! 今のはなんなのだ!?」
「なんか外から声きこえたねぇ~」
広間に兵士が走りこんで来た、なんだかすごく慌てているな。
「たっ大変です! 空を!」
「空だと!?」
広間にいた者たちがベランダへと走り、空を見上げている。一体なにがあるという――。
「なんだあれは!?」
「はぁ!?」
空には我輩が良く知るイケメンが映りだされている。漆黒のマントがより肉体美を上げ、チャームポイントのサメのようなギザギザの歯は、2本の角に腰くらいまで伸びたやっぱり気になるぼさぼさの黒髪……それこそ――。
「なんで我輩が空に!?」
『人間共よ、お初にお目にかかる余の名はデイルワッツ! 魔王デイルワッツである!』
「あ、あれが魔王デイルワッツ!? 直接乗り込んできたのか!?」
「ん~違うね、あれは魔法で作った幻で自分の姿を空に映しているんだよ、本体は遠くにいると思うよ」
いやいやいやいやデイルワッツは我輩だ!! あれは一体誰なのだ!?
『天使の剣を抜いた者が現れたと聞いていな、我々には取るに足らない事だが……そうまでして抵抗するのであれば、これより本格的に総攻撃を仕掛ける!』
「「なんだと!? 今までは本気ではなかったというのか!?」」
ベルトラが我輩と同じ言葉を言ったから何でこんな奴と~って顔しとるが、意味がまったく違うぞ……アルフレドの報告では全力の様に侵攻しているとのことだったのにどういうことなのだ?
『人間共よ、恐れよ! 我が軍団の力に!! フハハハハハハ!!!』
笑いとともにもう一人の我輩は消えていった。
「我輩も言いたかったな~あんな台詞……」
ポツリと独り言、幸い他の者達はあのデイルワッツ? の衝撃が大きかったのか我輩の独り言なぞ聞いている者なぞいなかった。
「陛下、魔王軍も動き出すのなら我々も早々に動かなければ」
あ、そうだ。3人旅という問題はまったく解決してないではないか!
「あ、いや! だから我輩は!」
ベルトラは我輩の胸倉を掴みものすごい剣幕で囃し立ててくる、だからその目は怖いんだって。
「奴らは今より攻撃をしてくるんですよ! そうなると少しでも守備に人手が必要になります、最初の予定通り少数精鋭として動きましょう! 大丈夫です、剣のことなら私が指南できますので!」
我輩を投げ捨てベルトラはライリーの元へ駆け寄り進言を促す。
「陛下! どうか!」
髭をさすりながらライリーは目を瞑り考える、ほんの数秒の沈黙……頼む、少数なんてやめてくれ!
ライリーは目を開け我が達3人を再度確認するように目を配らせた、答えが出たようだ。
「いささか不安ではあるがベルトラがいれば問題なかろう、すぐに準備だ!」
「はっ!」
「――――――――――――」
城の者は走って城の中に入っていく、ベランダには我輩と精霊の二人だけ。
「――――――――――――」
「デール、だいじょうぶ?」
ツンツンと精霊は我輩のほっぺをつっついてきたがショックが大きいせいか何も感じない……。
0
お気に入りに追加
7
あなたにおすすめの小説
無能なので辞めさせていただきます!
サカキ カリイ
ファンタジー
ブラック商業ギルドにて、休みなく働き詰めだった自分。
マウントとる新人が入って来て、馬鹿にされだした。
えっ上司まで新人に同調してこちらに辞めろだって?
残業は無能の証拠、職務に時間が長くかかる分、
無駄に残業代払わせてるからお前を辞めさせたいって?
はいはいわかりました。
辞めますよ。
退職後、困ったんですかね?さあ、知りませんねえ。
自分無能なんで、なんにもわかりませんから。
カクヨム、なろうにも同内容のものを時差投稿しております。
凡人がおまけ召喚されてしまった件
根鳥 泰造
ファンタジー
勇者召喚に巻き込まれて、異世界にきてしまった祐介。最初は勇者の様に大切に扱われていたが、ごく普通の才能しかないので、冷遇されるようになり、ついには王宮から追い出される。
仕方なく冒険者登録することにしたが、この世界では希少なヒーラー適正を持っていた。一年掛けて治癒魔法を習得し、治癒剣士となると、引く手あまたに。しかも、彼は『強欲』という大罪スキルを持っていて、倒した敵のスキルを自分のものにできるのだ。
それらのお蔭で、才能は凡人でも、数多のスキルで能力を補い、熟練度は飛びぬけ、高難度クエストも熟せる有名冒険者となる。そして、裏では気配消去や不可視化スキルを活かして、暗殺という裏の仕事も始めた。
異世界に来て八年後、その暗殺依頼で、召喚勇者の暗殺を受けたのだが、それは祐介を捕まえるための罠だった。祐介が暗殺者になっていると知った勇者が、改心させよう企てたもので、その後は勇者一行に加わり、魔王討伐の旅に同行することに。
最初は脅され渋々同行していた祐介も、勇者や仲間の思いをしり、どんどん勇者が好きになり、勇者から告白までされる。
だが、魔王を討伐を成し遂げるも、魔王戦で勇者は祐介を庇い、障害者になる。
祐介は、勇者の嘘で、病院を作り、医師の道を歩みだすのだった。
【完結】私だけが知らない
綾雅(りょうが)祝!コミカライズ
ファンタジー
目が覚めたら何も覚えていなかった。父と兄を名乗る二人は泣きながら謝る。痩せ細った体、痣が残る肌、誰もが過保護に私を気遣う。けれど、誰もが何が起きたのかを語らなかった。
優しい家族、ぬるま湯のような生活、穏やかに過ぎていく日常……その陰で、人々は己の犯した罪を隠しつつ微笑む。私を守るため、そう言いながら真実から遠ざけた。
やがて、すべてを知った私は――ひとつの決断をする。
記憶喪失から始まる物語。冤罪で殺されかけた私は蘇り、陥れようとした者は断罪される。優しい嘘に隠された真実が徐々に明らかになっていく。
【同時掲載】 小説家になろう、アルファポリス、カクヨム、エブリスタ
2023/12/20……小説家になろう 日間、ファンタジー 27位
2023/12/19……番外編完結
2023/12/11……本編完結(番外編、12/12)
2023/08/27……エブリスタ ファンタジートレンド 1位
2023/08/26……カテゴリー変更「恋愛」⇒「ファンタジー」
2023/08/25……アルファポリス HOT女性向け 13位
2023/08/22……小説家になろう 異世界恋愛、日間 22位
2023/08/21……カクヨム 恋愛週間 17位
2023/08/16……カクヨム 恋愛日間 12位
2023/08/14……連載開始
蘇生魔法を授かった僕は戦闘不能の前衛(♀)を何度も復活させる
フルーツパフェ
大衆娯楽
転移した異世界で唯一、蘇生魔法を授かった僕。
一緒にパーティーを組めば絶対に死ぬ(死んだままになる)ことがない。
そんな口コミがいつの間にか広まって、同じく異世界転移した同業者(多くは女子)から引っ張りだこに!
寛容な僕は彼女達の申し出に快諾するが条件が一つだけ。
――実は僕、他の戦闘スキルは皆無なんです
そういうわけでパーティーメンバーが前衛に立って死ぬ気で僕を守ることになる。
大丈夫、一度死んでも蘇生魔法で復活させてあげるから。
相互利益はあるはずなのに、どこか鬼畜な匂いがするファンタジー、ここに開幕。
お馬鹿な聖女に「だから?」と言ってみた
リオール
恋愛
だから?
それは最強の言葉
~~~~~~~~~
※全6話。短いです
※ダークです!ダークな終わりしてます!
筆者がたまに書きたくなるダークなお話なんです。
スカッと爽快ハッピーエンドをお求めの方はごめんなさい。
※勢いで書いたので支離滅裂です。生ぬるい目でスルーして下さい(^-^;
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
【完結】忌み子と呼ばれた公爵令嬢
美原風香
恋愛
「ティアフレア・ローズ・フィーン嬢に使節団への同行を命じる」
かつて、忌み子と呼ばれた公爵令嬢がいた。
誰からも嫌われ、疎まれ、生まれてきたことすら祝福されなかった1人の令嬢が、王国から追放され帝国に行った。
そこで彼女はある1人の人物と出会う。
彼のおかげで冷え切った心は温められて、彼女は生まれて初めて心の底から笑みを浮かべた。
ーー蜂蜜みたい。
これは金色の瞳に魅せられた令嬢が幸せになる、そんなお話。
〈完結〉妹に婚約者を獲られた私は実家に居ても何なので、帝都でドレスを作ります。
江戸川ばた散歩
ファンタジー
「私」テンダー・ウッドマンズ伯爵令嬢は両親から婚約者を妹に渡せ、と言われる。
了承した彼女は帝都でドレスメーカーの独立工房をやっている叔母のもとに行くことにする。
テンダーがあっさりと了承し、家を離れるのには理由があった。
それは三つ下の妹が生まれて以来の両親の扱いの差だった。
やがてテンダーは叔母のもとで服飾を学び、ついには?
100話まではヒロインのテンダー視点、幕間と101話以降は俯瞰視点となります。
200話で完結しました。
今回はあとがきは無しです。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる