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11章 二人の撮る物と輝く者
コレットの書~撮る物・6~
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それにしても、この遺跡を建てた人はどんな思考をしていたのかしら?
さすがに罠だらけすぎよ、少しは度合いってものを考えてほしかったわ。
「……爆発の連鎖がない。とりあえずはあの1発だけだったみたいだな、2人とも大丈夫か?」
「私は大丈夫です」
さすがに爆発した瞬間は生きた心地がしなかったけども。
「複写機は死守しましたですな!」
そこ!?
それはおかしいでしょ、そこは自分の体を心配してくださいよ!
――ザアアアアア
……ん? 遺跡の中なのに雨の音がはっきり聞こえる。
あ~さっきの爆発で天井に穴が空いて、そこから雨が入ってきちゃってるのね。
『……』
で、真下にいたスケルトンが雨に打たれてずぶ濡れになっちゃってる。
どうせなら爆発に巻き込まれてバラバラになっていてくれていた方が、こっちとしては良かったんだけど……小規模の爆発だったらそうはいかな――。
「――えっ!」
スケルトンの体から金色がどんどん落ちて来ているし!
金の剣の方も、金が落ちてただの鉄の剣になっちゃってる。
「えと、あれはどういう事でしょう……?」
「どうもこうも、金色の塗装を体と剣に塗っていたみたいだな。それが雨のせいで流れ落ちているんだろ」
やっぱりそうよね。
でも、どうしてそんな事をしていたんだろう。
『ッ!?』
あ、スケルトン自身も金が流れ落ちている事に気が付いたみたい。
『カタ! カタカタカタカタ!』
スケルトンが両手で自分の顔を隠したけど……えっもしかして、体に付けていた金が落ちたところを見られて恥ずかしがっているの? 骨のくせに!?
「うひょおおおおおおおお! この様な仕草をするとはすごいですな! 超貴重な瞬間ですな!」
エフゴロさんが興奮してスケルトンの近くで複写機のボタンを押しまくってる。
『カタカタカタ! カタカタ、カタカタカタカタ!』
威嚇しても無駄よ、エフゴロさんがそんな事で怯むわけが――。
「「……えっ?」」
ちょっと! いつの間にスケルトンのそばまで行ったのよ!?
いくら何でもスケルトンに近づきすぎよ、あれじゃ襲ってくださいって言っている様なものじゃない!
「あのバカが! ――コレット、俺はあいつを連れ戻してくるからここにいてくれ! まったく、あいつの命はいくつあっても足りんぞ!」
「わかりました!」
普通、自分達が言う例えなのに変なの。
まぁそれは置いといてエフゴロさん、グレイさんが行くまで襲われなきゃいいけど。
『カタ! カタカタカタ!』
「ああ、後ろを向かないでこっちを向いてほしいですな!」
うん、しばらくその心配はなさそうね。
複写機から出る光のおかげでスケルトンがその場から動けなくなっちゃってる。
「うひょおおおおおおおおおお!」
奇声を出しながら、すごい笑顔をしているわね。
見ていると、エフゴロさんの方が別の意味ですごく危険な感じがするのは何でだろう。
「……あれ? おかしいですな」
複写機が光を出さなくなった。
まさか、魔晶石の魔力が切れたんじゃ……だとしたら、まずい!
『カタカタ! カタカタカタ!』
「――え? グヘッですなあああああああああ!」
「言わんこっちゃない!」
「きゃっ!」
エフジロさんがスケルトンに蹴り飛ばされて、コロコロと転がっていった!
今の蹴りは怒りが籠ってた感じがした、いくらスケルトンでもあれだけ光を浴びせられたら怒るのも当たり前の様な気がする……でもまだ蹴りでよかったわ、あの剣で斬られていたかもしれないし。
っと今はそんな事より、エフゴロさんの状態を確認しないと。
「――大丈夫ですか!?」
「あー……目が回るですなー……」
良かった、どうやらどこも怪我はしていないみたいね。
この独特すぎる髪の毛がクッションになったのかしら?
「おい、大丈夫だったか?」
「はい、どこも怪我はしていないみたいで――」
「ああああああああああああああ!!」
っ!? エフゴロさんが急に大声を出した!
もしかして、外傷はないけど骨とかが折れて……。
「複写機がこわれてるですなああああああああ!!」
「「……」」
確かに複写機に付いていた魔晶石が割れているし、箱の部分も外れてる。
壊れてショックを受けたのはわかるけどさ、そんな事で大声を出さないでほしいよ! すごいびっくりしたじゃない!
「うう……私の複写機……」
とはいえ、本人はすごく落ち込んでる。
この場合、どう声をかければいいのかしら。
――ゴロゴロ
ん? この音は。
「……雷?」
「みたいだな。さっきの雷雲が、この上あたりに来ていたのか」
ドタバタしていたから全く気が付かなかった。
――ピシャアアアアアアアン!
「きゃあああああ!」
今、すごい音が鳴り響いた!
「今のはデカかったな、どこかに落ちたか?」
「うう……」
あ~びっくりした。
「何だ、雷は苦手なのか?」
「苦手って程じゃないんですけど、雷が落ちた時の音はビクってなっちゃいます」
「まぁわからんでもないが、ここは遺跡の中だし、雷が落ちて来る様な物もない。安心しろ」
それは分かっているんだけど、音ばかりはどうしようもないよ。
「お? スケルトンが今の雷に興味を持ったみたいだ、空いた穴から空を見ている」
「あ、本当ですね」
あの穴が空いた場所から動いていないから、雨に打たれ続けて完全に金が落ちちゃってる。
もはや、ただのスケルトンね。
あ、でも胸当てだけは落ちていないからあれは本物なのかしら。
「スケルトンの注意が空に向いているし、エフゴロが転がってくれたおかげで距離もある……今がチャンスだな。コレット、あのスケルトンは色々と不気味なところがあるし、今のエフゴロもこれじゃ駄目だから転送石で街に戻るぞ」
「わかりました」
それにしてもあのスケルトンは熱心に空を見ているわね、雷のどこが面白いんだか。
ん? 天井に空いた穴……空が見える……上には雷雲……そして、スケルトンの手には鉄の剣が握られている……。
「……」
いやいや、まさかね。
いくら何でも、そんな事が――。
――ピシャアアアアアアアン!
『カタタタタタタタタタタ!』
「ぎゃあああああああああああ!」
「うおっ!」
――起きたし!!
本当に雷がスケルトンに落ちて来ちゃった!!
さすがに罠だらけすぎよ、少しは度合いってものを考えてほしかったわ。
「……爆発の連鎖がない。とりあえずはあの1発だけだったみたいだな、2人とも大丈夫か?」
「私は大丈夫です」
さすがに爆発した瞬間は生きた心地がしなかったけども。
「複写機は死守しましたですな!」
そこ!?
それはおかしいでしょ、そこは自分の体を心配してくださいよ!
――ザアアアアア
……ん? 遺跡の中なのに雨の音がはっきり聞こえる。
あ~さっきの爆発で天井に穴が空いて、そこから雨が入ってきちゃってるのね。
『……』
で、真下にいたスケルトンが雨に打たれてずぶ濡れになっちゃってる。
どうせなら爆発に巻き込まれてバラバラになっていてくれていた方が、こっちとしては良かったんだけど……小規模の爆発だったらそうはいかな――。
「――えっ!」
スケルトンの体から金色がどんどん落ちて来ているし!
金の剣の方も、金が落ちてただの鉄の剣になっちゃってる。
「えと、あれはどういう事でしょう……?」
「どうもこうも、金色の塗装を体と剣に塗っていたみたいだな。それが雨のせいで流れ落ちているんだろ」
やっぱりそうよね。
でも、どうしてそんな事をしていたんだろう。
『ッ!?』
あ、スケルトン自身も金が流れ落ちている事に気が付いたみたい。
『カタ! カタカタカタカタ!』
スケルトンが両手で自分の顔を隠したけど……えっもしかして、体に付けていた金が落ちたところを見られて恥ずかしがっているの? 骨のくせに!?
「うひょおおおおおおおお! この様な仕草をするとはすごいですな! 超貴重な瞬間ですな!」
エフゴロさんが興奮してスケルトンの近くで複写機のボタンを押しまくってる。
『カタカタカタ! カタカタ、カタカタカタカタ!』
威嚇しても無駄よ、エフゴロさんがそんな事で怯むわけが――。
「「……えっ?」」
ちょっと! いつの間にスケルトンのそばまで行ったのよ!?
いくら何でもスケルトンに近づきすぎよ、あれじゃ襲ってくださいって言っている様なものじゃない!
「あのバカが! ――コレット、俺はあいつを連れ戻してくるからここにいてくれ! まったく、あいつの命はいくつあっても足りんぞ!」
「わかりました!」
普通、自分達が言う例えなのに変なの。
まぁそれは置いといてエフゴロさん、グレイさんが行くまで襲われなきゃいいけど。
『カタ! カタカタカタ!』
「ああ、後ろを向かないでこっちを向いてほしいですな!」
うん、しばらくその心配はなさそうね。
複写機から出る光のおかげでスケルトンがその場から動けなくなっちゃってる。
「うひょおおおおおおおおおお!」
奇声を出しながら、すごい笑顔をしているわね。
見ていると、エフゴロさんの方が別の意味ですごく危険な感じがするのは何でだろう。
「……あれ? おかしいですな」
複写機が光を出さなくなった。
まさか、魔晶石の魔力が切れたんじゃ……だとしたら、まずい!
『カタカタ! カタカタカタ!』
「――え? グヘッですなあああああああああ!」
「言わんこっちゃない!」
「きゃっ!」
エフジロさんがスケルトンに蹴り飛ばされて、コロコロと転がっていった!
今の蹴りは怒りが籠ってた感じがした、いくらスケルトンでもあれだけ光を浴びせられたら怒るのも当たり前の様な気がする……でもまだ蹴りでよかったわ、あの剣で斬られていたかもしれないし。
っと今はそんな事より、エフゴロさんの状態を確認しないと。
「――大丈夫ですか!?」
「あー……目が回るですなー……」
良かった、どうやらどこも怪我はしていないみたいね。
この独特すぎる髪の毛がクッションになったのかしら?
「おい、大丈夫だったか?」
「はい、どこも怪我はしていないみたいで――」
「ああああああああああああああ!!」
っ!? エフゴロさんが急に大声を出した!
もしかして、外傷はないけど骨とかが折れて……。
「複写機がこわれてるですなああああああああ!!」
「「……」」
確かに複写機に付いていた魔晶石が割れているし、箱の部分も外れてる。
壊れてショックを受けたのはわかるけどさ、そんな事で大声を出さないでほしいよ! すごいびっくりしたじゃない!
「うう……私の複写機……」
とはいえ、本人はすごく落ち込んでる。
この場合、どう声をかければいいのかしら。
――ゴロゴロ
ん? この音は。
「……雷?」
「みたいだな。さっきの雷雲が、この上あたりに来ていたのか」
ドタバタしていたから全く気が付かなかった。
――ピシャアアアアアアアン!
「きゃあああああ!」
今、すごい音が鳴り響いた!
「今のはデカかったな、どこかに落ちたか?」
「うう……」
あ~びっくりした。
「何だ、雷は苦手なのか?」
「苦手って程じゃないんですけど、雷が落ちた時の音はビクってなっちゃいます」
「まぁわからんでもないが、ここは遺跡の中だし、雷が落ちて来る様な物もない。安心しろ」
それは分かっているんだけど、音ばかりはどうしようもないよ。
「お? スケルトンが今の雷に興味を持ったみたいだ、空いた穴から空を見ている」
「あ、本当ですね」
あの穴が空いた場所から動いていないから、雨に打たれ続けて完全に金が落ちちゃってる。
もはや、ただのスケルトンね。
あ、でも胸当てだけは落ちていないからあれは本物なのかしら。
「スケルトンの注意が空に向いているし、エフゴロが転がってくれたおかげで距離もある……今がチャンスだな。コレット、あのスケルトンは色々と不気味なところがあるし、今のエフゴロもこれじゃ駄目だから転送石で街に戻るぞ」
「わかりました」
それにしてもあのスケルトンは熱心に空を見ているわね、雷のどこが面白いんだか。
ん? 天井に空いた穴……空が見える……上には雷雲……そして、スケルトンの手には鉄の剣が握られている……。
「……」
いやいや、まさかね。
いくら何でも、そんな事が――。
――ピシャアアアアアアアン!
『カタタタタタタタタタタ!』
「ぎゃあああああああああああ!」
「うおっ!」
――起きたし!!
本当に雷がスケルトンに落ちて来ちゃった!!
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