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1章 二人の出会いと遭遇
コレットの書~遭遇・1~
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◇◆アース歴200年 6月10日・夕◇◆
「あ~やっと着いた……ケビンがさんが行方不明になった白の遺跡の近場の町【リリクス】」
教会から旅立ってから辿り着くのに9日もかかちゃったよ……本当なら馬車で5日ほどですむのに。
まさか乗せてくれた貨物車が直接リリクスに行くんじゃなくてリリクスの隣町へ行く馬車だったなんて……ちゃんと確認するべきだったわ。
しかもリリクスに向かう馬車もないから歩く羽目になっちゃうし……本当ならもうとっくに町に着いて白の遺跡を探索してるはずだったのにな。
「とにかく神父様、シスター待っていてね! 必ず私がケビンさんを見つけて二人の下へ届けるから」
――グゥ~。
……お腹減ったし、疲れたし、今日は宿を探してギルドには明日行こう。
◇◆アース歴200年 6月11日・朝◇◆
「……はぁ」
今日は私の誕生日の朝なのに目覚めは最悪……。
節約の為に激安宿に泊まったけど、まさか藁しか敷いていない部屋な上よくわからない虫がいっぱい出てくるわで酷い宿だった……安く泊まるとしても、もっとまともな所にしないといけないわね。
「っと、ここが冒険者ギルドか~こんな大きい建物始めて見たな~」
私の村では教会が一番大きかったけどここまでじゃなかった……神父様には悪いけど……。
さて、中に入りますか……この扉を開ければ私の冒険が始まるんだ!
――わ~中も広いし人がいっぱいいる。
「それでよう、そこで俺がビシっと決めたわけよ!」
「だからそうじゃねぇって!」
「ちょっデール! その肉はアタシのだよ! 何取ってるのさ!」
「チョハッ、早い者勝ちだ――だだだだ! こら頭に噛み付くな!」
へぇ~ここでご飯も食べられるのか。
鎧を着た人、なんかとんがった帽子を被った人、人の頭に噛み付いてる人……色んな人がいるな~この人たちみんな冒険者なのかな?
「え~と……あ、あの受付が冒険者の登録場所かな?」
掲示板のそばにあるから間違いなさそうだけど、聞いてみよう。
「あの~すみません。冒険者の登録ってここでいいんですか?」
「はい、そうです。冒険者希望の方ですか?」
「……あ、はい」
この受付嬢さんすごく美人だな~背が高いし黒い髪もサラサラして……。
それに比べて私の身長は150cmあるかどうかの低さ、髪の毛ぼさぼさ、頭の天辺にはどうしても治らないクセっ毛が2本……。
「――ではこの書類に記入をお願いします……どうかされましたか?」
「え? あ、いえ何でもないです!」
いけないけない、ボーっとしちゃってた。
「はあ……そうですか」
この書類に名前を書けばいいのかな。
「…………え~と、――これでいいですか?」
「ご確認します…………コレットさんですね。ではプレートが出来るまで冒険者としての簡単な説明をしますね」
「あ、はい。お願いします」
「まずプレートは冒険者の証であり身分証明書にもなります。他にも色々必要になりますので肌身離さず持っていてください」
身分証明書か。そういえばあの宿屋もプレートを表示とか言われたっけ、あの時はないって答えたけど……もしかして身分不明だからあんな部屋に泊まる羽目になっちゃったのかな……?
「次に階級ですが、見習いは一つ星からです。そこからギルドの依頼、討伐、探索等でギルドへの貢献を上げていきますとギルドが審査し星が増えます。最大の階級は五つ星になります」
なるほど。でも今の私は階級なんてどうでもいいかな、白の遺跡のみ探索するんだから。
「ギルドの依頼はあそこの掲示板に張り出されていますから自分の階級にあったのを受けてください。階級によっては請けれなかったり行けない場所もありますので注意してください」
……え!? 階級で行ける場所が決まってるの!?
あ、でも別に誰がどこに行くのか見張られてるわけないし大丈夫なんじゃ――。
「ただし、中には見張られていない事を理由に功を焦って高レベルの遺跡や討伐をする人もいます」
ギクッ。
「そこは冒険者なので止めはしません、が高確率で死にます……そのための階級制限ですから。なので身にあった依頼を請ける事をお勧めします」
デスヨネー。
「あ、あの。白の遺跡ってどうなんですか? 一つ星でも入れる場所なんでしょうか?」
無理だったらどうしよう。
地道に経験を重ねていくしかないのかな。
「はい? 白の遺跡……ですか?」
あれ? 違ったかな?
神父様の話じゃ白の遺跡で合ってるはずなんだけど。
「白……あー白竜の遺跡の事ですね」
「え? 白竜の遺跡?」
なんで名前が変わっちゃってるの? しかも白竜ってまた物騒な。
「はい、私も聞いた話なんですが。20年ほど前に三つ星級冒険者の方が白竜の遺跡で隠し通路を発見したそうなんです」
その冒険者ってケビンさんの事かな。
「ギルドの者がその場所に向かうと入り口が塞がっていたそうです。そこで壁を破壊して最下層まで向かうとそこには大穴のがあったそうです。その穴を調べてみるとそこは竜の巣だったそうです」
「ええ!? 竜がいるんですか!?」
そもそも竜って実在してたなんて!
「あ~やっと着いた……ケビンがさんが行方不明になった白の遺跡の近場の町【リリクス】」
教会から旅立ってから辿り着くのに9日もかかちゃったよ……本当なら馬車で5日ほどですむのに。
まさか乗せてくれた貨物車が直接リリクスに行くんじゃなくてリリクスの隣町へ行く馬車だったなんて……ちゃんと確認するべきだったわ。
しかもリリクスに向かう馬車もないから歩く羽目になっちゃうし……本当ならもうとっくに町に着いて白の遺跡を探索してるはずだったのにな。
「とにかく神父様、シスター待っていてね! 必ず私がケビンさんを見つけて二人の下へ届けるから」
――グゥ~。
……お腹減ったし、疲れたし、今日は宿を探してギルドには明日行こう。
◇◆アース歴200年 6月11日・朝◇◆
「……はぁ」
今日は私の誕生日の朝なのに目覚めは最悪……。
節約の為に激安宿に泊まったけど、まさか藁しか敷いていない部屋な上よくわからない虫がいっぱい出てくるわで酷い宿だった……安く泊まるとしても、もっとまともな所にしないといけないわね。
「っと、ここが冒険者ギルドか~こんな大きい建物始めて見たな~」
私の村では教会が一番大きかったけどここまでじゃなかった……神父様には悪いけど……。
さて、中に入りますか……この扉を開ければ私の冒険が始まるんだ!
――わ~中も広いし人がいっぱいいる。
「それでよう、そこで俺がビシっと決めたわけよ!」
「だからそうじゃねぇって!」
「ちょっデール! その肉はアタシのだよ! 何取ってるのさ!」
「チョハッ、早い者勝ちだ――だだだだ! こら頭に噛み付くな!」
へぇ~ここでご飯も食べられるのか。
鎧を着た人、なんかとんがった帽子を被った人、人の頭に噛み付いてる人……色んな人がいるな~この人たちみんな冒険者なのかな?
「え~と……あ、あの受付が冒険者の登録場所かな?」
掲示板のそばにあるから間違いなさそうだけど、聞いてみよう。
「あの~すみません。冒険者の登録ってここでいいんですか?」
「はい、そうです。冒険者希望の方ですか?」
「……あ、はい」
この受付嬢さんすごく美人だな~背が高いし黒い髪もサラサラして……。
それに比べて私の身長は150cmあるかどうかの低さ、髪の毛ぼさぼさ、頭の天辺にはどうしても治らないクセっ毛が2本……。
「――ではこの書類に記入をお願いします……どうかされましたか?」
「え? あ、いえ何でもないです!」
いけないけない、ボーっとしちゃってた。
「はあ……そうですか」
この書類に名前を書けばいいのかな。
「…………え~と、――これでいいですか?」
「ご確認します…………コレットさんですね。ではプレートが出来るまで冒険者としての簡単な説明をしますね」
「あ、はい。お願いします」
「まずプレートは冒険者の証であり身分証明書にもなります。他にも色々必要になりますので肌身離さず持っていてください」
身分証明書か。そういえばあの宿屋もプレートを表示とか言われたっけ、あの時はないって答えたけど……もしかして身分不明だからあんな部屋に泊まる羽目になっちゃったのかな……?
「次に階級ですが、見習いは一つ星からです。そこからギルドの依頼、討伐、探索等でギルドへの貢献を上げていきますとギルドが審査し星が増えます。最大の階級は五つ星になります」
なるほど。でも今の私は階級なんてどうでもいいかな、白の遺跡のみ探索するんだから。
「ギルドの依頼はあそこの掲示板に張り出されていますから自分の階級にあったのを受けてください。階級によっては請けれなかったり行けない場所もありますので注意してください」
……え!? 階級で行ける場所が決まってるの!?
あ、でも別に誰がどこに行くのか見張られてるわけないし大丈夫なんじゃ――。
「ただし、中には見張られていない事を理由に功を焦って高レベルの遺跡や討伐をする人もいます」
ギクッ。
「そこは冒険者なので止めはしません、が高確率で死にます……そのための階級制限ですから。なので身にあった依頼を請ける事をお勧めします」
デスヨネー。
「あ、あの。白の遺跡ってどうなんですか? 一つ星でも入れる場所なんでしょうか?」
無理だったらどうしよう。
地道に経験を重ねていくしかないのかな。
「はい? 白の遺跡……ですか?」
あれ? 違ったかな?
神父様の話じゃ白の遺跡で合ってるはずなんだけど。
「白……あー白竜の遺跡の事ですね」
「え? 白竜の遺跡?」
なんで名前が変わっちゃってるの? しかも白竜ってまた物騒な。
「はい、私も聞いた話なんですが。20年ほど前に三つ星級冒険者の方が白竜の遺跡で隠し通路を発見したそうなんです」
その冒険者ってケビンさんの事かな。
「ギルドの者がその場所に向かうと入り口が塞がっていたそうです。そこで壁を破壊して最下層まで向かうとそこには大穴のがあったそうです。その穴を調べてみるとそこは竜の巣だったそうです」
「ええ!? 竜がいるんですか!?」
そもそも竜って実在してたなんて!
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