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セリフ集系統
一つ500字程度の短い朗読集【BGMお題】
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(是非、『』内タイトルのBGMを流してお読みください。朗読練習にもどうぞ)
『2:23 AM』
眠れない夜
なんとなしにラジオをつける
ゆっくりと流れる 様々な番組
落ち着いた声 ヒットチャート
楽しい企画 スペシャルゲスト
同じ番組を聞いている
どこかの誰か からのリクエスト
笑い声 真面目な声 実況 ニュース
ボイスドラマ ──声劇。
静かな夜に
目に見えぬ波に乗って届く 人の営み
遠くが 近くになる感覚
夜の向こうに沈んでゆく
今日の薄い月を
手元の 冷えたサイダーの中に入れて
弾ける泡ごと 飲み干してしまいたい
本当は
うだうだ考えるのは 好きじゃない
けれど グラスのなかで
からんころんと 氷のなる音は
こんな夜もありだと
言っている気がした
眠れなくても いい
心に佇んだ
空虚とか隙間とか 物足りないきもち
それがあるから
嬉しいことがあった時に
愛しさを感じた時に
スポンジみたいに吸って
満たされるんだと
それでも溢れちゃったぶんが
涙で出てくるんだろう なんてことを
なんとなく 思った
ごちゃごちゃした感情だけ
どっかに捨てちゃえば いいんだよな
耳を傾けるだけで
傍にいられる
寂しくない
どこかあたたかで
なのに なぜか切ない
まだ見ぬ君に 会いたくなる
真夜中
ゾロ目の数字が 一つだけ動く
午前 2時 23分
今宵 素敵な夜を
どうか一緒に 過ごしていただけませんか?
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play13513.html
◆――――――――――――――――――◆
『10℃』
眠りのときは終わりを告げ
柔らかな 緑の葉っぱを撫で落ちる
朝露の雫
小鳥たちの囀りに
背中を押されて
穏やかな 朝の日差しのなかを
お気に入りの靴で 一歩 歩きだす
寝る前まで考えていた心配事や
悩み事はぜんぶどこかへいってしまった
見上げた 呆気ないほど晴れた
薄明の空に 鳥がゆく
うん 悩むのはまた夜にしよう
さあ
このまま歩いて どこまでいこうか?
気ままに足の赴く方へ
時間はまだまだ余裕がある
新鮮な空気を吸い込んで
胸をいっぱいにしてから 吐き出して
朝と一体になって
目をしっかりと開けて
少し小走りに
あるいはステップを踏んで
自由に 好きな歩調で
くるくると
背をのばして 腕をしならせて
空気の鍵盤に 指を躍らせる
そうしているうちに どきどき
心臓も力強く身体を打ちつけてきて
今なら何にでも なれる気がする
風のきらめきを感じながら
過ぎさった過去のことでもなく
これからの 不安を孕んだ未来でもなく
今 この瞬間を
一瞬 一秒の 現実を
景色が輝いて見えたなら
その輝きがきっと 自分
そのものだから
足を止める 世界の音を 聞く
まだ夜を恋しそうに鳴き茂る 虫の音
目覚めてゆく世界
ここが 夜と朝の さかいめ
少し冷える 風
心地よい あたたかさ
気温 10度
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play12439.html
◆――――――――――――――――――◆
『Cassette Tape Dream』
君と別れて 何年経ったっけ
手のひらサイズの黄金比
ときどき擦り切れた
音楽の切り抜きスクラップたち
スケルトンのカラフルなボディ
鉛筆を差し込んで くるくると巻いて遊んだ
馬鹿をやってた時代の
楽しさしかない 思い出
背表紙タイトルの 褪せたインク色の 夜空に
ふと浮かぶ問い
君にとって僕はもう こういう存在だろうか?
おしゃれな酒が飲めるようになった
仕事ができるようになった
でも変わらないものもある
この想いは
懐かしいと 小さく笑われてしまう
化石も同然の ものかもしれない
けれど
セピアの地図に 記録されたデータは
重ね書きしたところで
のびていてもノイズがあっても
より一層 きれいな形で 胸に落ちる
未練なんかじゃないけど
なぜか 捨てられずに しまったまま
そうやって歩いていくんだろう
恐らくこの先も テープの切れるまで
平成レトロ
カセットテープに あの頃の夢
吹き込まれた 宝物
褪せぬ 愛しさ
現実は 巻き戻せはしない
だからこそ 前を向ける
片道が終わったら 最後まで巻いて
世界を反転させて 再出発
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play13982.html
『2:23 AM』
眠れない夜
なんとなしにラジオをつける
ゆっくりと流れる 様々な番組
落ち着いた声 ヒットチャート
楽しい企画 スペシャルゲスト
同じ番組を聞いている
どこかの誰か からのリクエスト
笑い声 真面目な声 実況 ニュース
ボイスドラマ ──声劇。
静かな夜に
目に見えぬ波に乗って届く 人の営み
遠くが 近くになる感覚
夜の向こうに沈んでゆく
今日の薄い月を
手元の 冷えたサイダーの中に入れて
弾ける泡ごと 飲み干してしまいたい
本当は
うだうだ考えるのは 好きじゃない
けれど グラスのなかで
からんころんと 氷のなる音は
こんな夜もありだと
言っている気がした
眠れなくても いい
心に佇んだ
空虚とか隙間とか 物足りないきもち
それがあるから
嬉しいことがあった時に
愛しさを感じた時に
スポンジみたいに吸って
満たされるんだと
それでも溢れちゃったぶんが
涙で出てくるんだろう なんてことを
なんとなく 思った
ごちゃごちゃした感情だけ
どっかに捨てちゃえば いいんだよな
耳を傾けるだけで
傍にいられる
寂しくない
どこかあたたかで
なのに なぜか切ない
まだ見ぬ君に 会いたくなる
真夜中
ゾロ目の数字が 一つだけ動く
午前 2時 23分
今宵 素敵な夜を
どうか一緒に 過ごしていただけませんか?
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play13513.html
◆――――――――――――――――――◆
『10℃』
眠りのときは終わりを告げ
柔らかな 緑の葉っぱを撫で落ちる
朝露の雫
小鳥たちの囀りに
背中を押されて
穏やかな 朝の日差しのなかを
お気に入りの靴で 一歩 歩きだす
寝る前まで考えていた心配事や
悩み事はぜんぶどこかへいってしまった
見上げた 呆気ないほど晴れた
薄明の空に 鳥がゆく
うん 悩むのはまた夜にしよう
さあ
このまま歩いて どこまでいこうか?
気ままに足の赴く方へ
時間はまだまだ余裕がある
新鮮な空気を吸い込んで
胸をいっぱいにしてから 吐き出して
朝と一体になって
目をしっかりと開けて
少し小走りに
あるいはステップを踏んで
自由に 好きな歩調で
くるくると
背をのばして 腕をしならせて
空気の鍵盤に 指を躍らせる
そうしているうちに どきどき
心臓も力強く身体を打ちつけてきて
今なら何にでも なれる気がする
風のきらめきを感じながら
過ぎさった過去のことでもなく
これからの 不安を孕んだ未来でもなく
今 この瞬間を
一瞬 一秒の 現実を
景色が輝いて見えたなら
その輝きがきっと 自分
そのものだから
足を止める 世界の音を 聞く
まだ夜を恋しそうに鳴き茂る 虫の音
目覚めてゆく世界
ここが 夜と朝の さかいめ
少し冷える 風
心地よい あたたかさ
気温 10度
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play12439.html
◆――――――――――――――――――◆
『Cassette Tape Dream』
君と別れて 何年経ったっけ
手のひらサイズの黄金比
ときどき擦り切れた
音楽の切り抜きスクラップたち
スケルトンのカラフルなボディ
鉛筆を差し込んで くるくると巻いて遊んだ
馬鹿をやってた時代の
楽しさしかない 思い出
背表紙タイトルの 褪せたインク色の 夜空に
ふと浮かぶ問い
君にとって僕はもう こういう存在だろうか?
おしゃれな酒が飲めるようになった
仕事ができるようになった
でも変わらないものもある
この想いは
懐かしいと 小さく笑われてしまう
化石も同然の ものかもしれない
けれど
セピアの地図に 記録されたデータは
重ね書きしたところで
のびていてもノイズがあっても
より一層 きれいな形で 胸に落ちる
未練なんかじゃないけど
なぜか 捨てられずに しまったまま
そうやって歩いていくんだろう
恐らくこの先も テープの切れるまで
平成レトロ
カセットテープに あの頃の夢
吹き込まれた 宝物
褪せぬ 愛しさ
現実は 巻き戻せはしない
だからこそ 前を向ける
片道が終わったら 最後まで巻いて
世界を反転させて 再出発
作曲:しゃろう様
https://dova-s.jp/bgm/play13982.html
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