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ホラーギャグ
『ヤンデレTHEエキシビションマッチ』(不問5)
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ヤンデレまみれの合コン場で、あなたは生きて帰れるか!?
※タイトルはテキトーです
※語尾・口調変更○
※男女不問
※セリフ本旨に則ったアドリブ○
※俺←→私の一人称変更○ ボクはそのままでお願いします。
※(心の声)の後の改行までの一文は、モノローグの指定です。
『ヤンデレTHEエキシビションマッチ』
作 / 鳳月 眠人
自分:非ヤンデレなのにヤンデレ合コンに参加してしまった人
友人:妄想型ヤンデレ(わりとざっくりした性格)
相手1:束縛型ヤンデレ(明るいムードメーカー)
相手2:排除型ヤンデレ(少し控えめのボクっこ)
相手3:崇拝型ヤンデレ(落ち着いたクールビューティー)
皆様、アカウント名でどうぞ。笑
◇◆ここから台本◆◇
友人:
ごめんなさい! なかなか、近くに住んでる知り合いのヤンデレが捕まらなくて……
相手2:
もう付き合ってることもあるもんね……
相手1:
そうだよ、大丈夫。
同じような悩み持ってる人たちとさ、気兼ねなく話したかったっていうのが主旨だし。
だから男女不問の5人劇なんだし。
自分:
(心の声)メタい……
相手3:
普段、大っぴらにするもんでもないしね
相手1:
2人とも素敵な雰囲気だし、嬉しいよ! 来てくれてありがとう。
友人:
こちらこそ、声掛けてもらえて嬉しいです!
自分:
(心の声)普通っぽいのに、この人たちみんな……
相手1:
今日は語り合いましょうね、○○です。
相手2:
ヤンデレ合コン……楽しみにしてました。○○っていいます。
相手3:
よろしくお願いします。○○って呼んでください。
友人:
○○と申します。ヤンデレ歴十五年です。
相手2:
おおー……(拍手)
自分:
(心の声)みんなヤンデレ拗(こじ)らせてるって、本当かな。
あ、○○です、趣味は……
(心の声)はぁ、頼み込まれて、とんでもない合コンに、来てしまったァ……
友人:
では、自己紹介も終わったし。みんなにドリンク行き渡ったところで、乾杯!
──間
相手3:
趣味、星空観察だっけ。
自分:
あ、はい。
相手3:
いいね、俺も好き。親の田舎がすごく星空キレイで。
自分:
へぇ、いいなぁ! あ、どの季節の星空が好きですか? 自分は夏が好きです。
相手3:
夏は満天で見ごたえあるよね。俺は冬も好きかな。空気が澄んでて、キラキラしてて。
自分:
静かで、望遠鏡とか、息でくもって滲んだりして?
相手3:
うん。
相手1:
普通の会話で盛り上がってる、妬ましい。
友人:
あはは、そういう感情わかります。さすがヤンデレ。
相手1:
ねぇ、みんなは、ヤンデレタイプはどれなの?
自分:
何それ、そんなのあるんです?
相手2:
ボクも知らない……
友人:
えーっと確か、8種類ぐらい、ありましたっけ。
相手1:
うん。依存型、束縛型、妄想型、崇拝型。
特にヤバいのが排除型、攻撃型、ストーカー型、あと……無害型。
自分:
無害型もヤバいんですか?
相手1:
無害型はね、爆発したあとの進化先が分かれるんだよね。無限の可能性。
自分:
それってめちゃくちゃイーブ……ンッンッ
某モンスターみたいですね。
相手1:
そうそう。で、ぶっちゃけ、タイプ聞いたら……だいたい相性分かっちゃうんだよね。
相手3:
……当てるのも面白そうだけどな。
相手2:
あ、それ楽しそう。
キミ、このタイプでしょ、って言われてしっくり来たら、それが自分のタイプってことだよね。
相手3:
偽装もできるけど。
友人:
わー、合コンゲームっぽい! 嫌な人いなければやりましょうよ。
自分:
(小声)ちょっと!
友人:
(小声)なに?
自分:
(小声)いや、ヤンデレじゃないのバレちゃわない?
友人:
(小声)それっぽいこと言って
自分:
(小声)うそでしょ
──間
相手1:
俺はね、好きになった子とは、ずっとそばにいたいなぁ。
なんでも共有したい。楽しいことも、悲しいことも、趣味も、友達も。
ちょっとでも長く、一番近くにいたい。
極力、俺意外と遊んでほしくない。誰も近づかないようにしたい。
友人:
素敵です! 愛がおっきいタイプじゃないですか。
相手3:
重いって言われるタイプだよね。
相手1:
そうなんだよぉ……
友人:
世知辛い……
相手1:
だってさ。体調不良だったら俺が看病するよ? したいよ。
勉強も仕事も、一緒にやったらいいじゃん。
なんで? 用事はないよね?
俺と会うの断るなんて、まさか──浮気、してるの?
俺はこんなに好きでずっと傍にいたいのに……
キミはそうでも無いんだね……
相手2:
一番最近まで付き合ってたコは、そのコのスマホを黙って見ちゃったんだよね?
自分:
(心の声)昨今、問題になってるやつじゃぁん……
相手1:
ハイ! そんでバレてフラれましたぁ!
ていうか、ロック解除番号も共有したいよね……なんでしないの?
確認だよ? ただの。やましいことでもあんの?
ディスコとかも自分の知らない部屋があると許し難いよね。行動全部把握しないと安心できない。
自分:
(心の声)うわぁぁぁ……
相手3:
束縛型かぁ。
相手1:
ほんとはストーカーもしたい。しないけど。
相手2:
ボクも……好きな子ができると、すごく嫉妬しちゃうかな。
相手1:
ヤンデレって基本的に、尋常じゃなく嫉妬深いよね。
自分:
(心の声)や、ヤンデレは、嫉妬、深い……なるほど。
相手2:
ボクだけを見て欲しいのに。運良く付き合えたとしても、現実はそうもいかなくて。
友人:
うんうん……
執着したらどんどん嫌われていくって、わかってるんだけど、
他の人と楽しげにしてると落ち込むよね。
どうして見てくれないの? もしかして、もう私のこと、好きじゃないの? って。
自分:
(心の声)うわあ……めんどくさいやつ。
相手2:
ね。苦しくなるよね。自分よりも他の人といるほうが楽しそうにしてるとさ。
なんでそんなに、他の人と楽しそうにするの? って。
付き合ってるんだったら、配慮はしてほしいよね。
相手1:
ううう、わかるわー。好きな人以外には全然そんなこと思わないんだけど。
相手3:
興味すら沸かなかったりするよね。
自分:
う、うんうん。
(心の声)まぁそういう気持ちは、わかる、かも……
相手2:
だから……少し意地悪、しちゃう
自分:
うん……?
相手2:
好きな子が変わってくれないなら、他を変えればいいんだよ。
相手3:
というと?
相手2:
好きなコの仲良しさんが、仲良しでなくなればいい。
相手1:
おっとぉ?
相手2:
外から埋めていかなきゃなんだ。
第一段階は、同僚とかクラスメイトあたりに、ちょっとお願いするだけでいい。
あのコと付き合ってるんだ、とか、あのコのこと好きなんだってアピールして、
周囲を牽制(けんせい)するとか、懐柔(かいじゅう)するとか。
相手1:
お、おお……
相手2:
そうしたら次は、そのコの親友とか友達ね。
仲違いするように、疑心暗鬼になるように、ちょっとだけ、細工する。
先に懐柔した人たちを利用してね。もちろんウソは流さないよ?
……そこまでしても、まだボクを見ないなら。
ボク以外に助けを求めるようなら。
本人に直接教えてあげなきゃ。
キミは可哀想だね。
みんなから助けてもらえない、可哀想なキミを。
一番愛してるのはボクだよ、おいで、って。
もしもそれでも邪魔してくるようなやつがいたら……
いろいろ、して。
要らない人間には、消えてもらう。
……邪魔なんだよ。
自分:
(心の声)ひ、ひぃい……っ!
友人:
知的……!
相手3:
典型的な排除型だねそれは。
相手2:
排除、がた……
相手1:
孤立誘導型とも言う。
相手2:
ああー……
友人:
私は、そこまではしないかな。
相手1:
キミは妄想型ぽいよね。
友人:
妄想? 依存型かなって思ってた。
相手3:
自己否定的な考えまで行くと妄想型だねー。
友人:
そっ、かぁ……はぁ。
自分:
なんかよく悩んでるよね。
友人:
まぁ、ね。
友人:
常に一緒にいなくても、いいんだけど。そんなの日常生活送ってたら無理だし。
ただ、私のことだけ、ずっともっと、大事にしてほしいだけ。
でも関係が落ち着くと、どうもね。
前はあんなに愛してくれたじゃん? 今は渋々、付き合ってくれてるの?
もっと愛して? ぜんぜん、足りない。ぜんぜん、ぜんぜん、ぜんぜん……
もしかしてキープされてる? 本当はソイツのことが好きなの?
私を、裏切るの……? って。
相手3:
もう、そうなるとさ。
ただ執着してるのか、愛されたいだけなのか、本当に好きなのか、
わかんなくなってこない?
友人:
そう、それ! わかってくれる?
相手1:
でもそういう、「他の人より自分を見てー」って求めちゃう人って、
俺と需要と供給が合致するタイプだ。
友人:
え! そうか……そうですね!
相手1:
──求めあえるね。
友人:
あっ……そう、ですね……っ
あああああ笑顔やっさしいいいい
自分:
ねぇ、すごい声に出てる。
友人:
は? 出てた!?
相手2:
でも2人とも、ボクとも相性いいよね?
夢中になりあえるなら、ボクもいじわるしなくて済むんじゃないかなぁ……
相手1:
ん? あ、そう、そうね?
相手3:
ふ、ふふ。
自分:
(心の声)あ、わらった……
──間
相手3:
ヤンデレは結局、ヤンデレ同士でくっつくのが一番安定すると思うよ。
俺はたぶんちょっと違うけど。
相手1:
違う、だと……!?
友人:
妬かないの?
相手3:
妬くけど多分、普通レベルかな?
自分:
(心の声)お、この人は、マトモ?
相手3:
……それよりも……
尽くしたい。愛したい。甘やかして、大事にして、
こんなところが好き、って毎日、魅力をみつけて伝えて。
最終的には、逃げたいなんて思えなくなるぐらい、依存させる。
相手1:
っあー……それも、イイ。
自分:
(心の声)ヒィィ……
相手3:
依存するんじゃなくて、依存させたいんだよね。身体が縛れないなら、心を。
相手2:
ボクは否定の言葉で対象のコを堕とすけど、キミは肯定の言葉で墜とすって感じだね。
相手3:
そうだね。
友人:
ほー、勉強になるー。
自分:
(心の声)勉強に、なる!?
相手3:
あと、元からヤンデレのコをドロドロにするより、
ヤンデレじゃなかった人をヤンデレにするの、好き。
相手1:
歪んでるぅ!
自分:
(心の声)やっぱりマトモじゃなかった……!
(心の声)でも、一番、まっとうな気も……
(心の声)いや流されちゃダメしっかりして自分。
ということは、崇拝型? なのかな?
相手3:
そうだと思う。
自分:
(心の声)落ち着け。誤魔化しきれ。
本当は、心だけじゃなくて、身体も……自分のものに、したいよね。
(心の声)あってる? こんな感じであってる? わかんないぞ。
できることなら? 監、禁……とか、したくなっちゃう、よね?
相手1:
おおっ! でたねー
相手2:
わかる。
相手3:
──……
友人:
(小声)やるじゃん
自分:
(小声)合ってた?
友人:
(小声)いいと思う
相手2:
されるほうはどうなの?
自分:
え?
相手2:
監禁、されたい側の希望は?
自分:
え、えーっと。うーん、どっちかというと、したい、かな? されるより。
相手2:
そっかぁ、残念。
自分:
(心の声)残念ってなに、怖っ!
相手3:
じゃあキミは束縛型、かな?
自分:
うん、たぶん。
友人:
まだ、ね! レキが浅いもんね。最近目覚めたんだよね。
自分:
そ、そうなんです。
(心の声)え、ぜったい今後も目覚めないよ? でも──
気持ちのベクトル、みたいな……愛しかたの方向性が同じじゃないと。
好きになるほど自分が疲れたり、相手に怖がられたり避けられたりしたら、
つらくなりますよね。
(心の声)そういうこと、だよね。
友人:
(小声)さすが我が友。
自分:
(小声)まあね?
相手2:
みんなのタイプ、けっこう分かりやすかったね。
相手1:
まぁまぁ分かれたね。
友人:
あ、そうだ。ヤンデレって他にも、
「手に入らないならお前を殺すー」タイプと
「構ってもらえないならオレは死ぬー」タイプと
「お前を殺してオレも死ぬー」タイプがあるじゃないですか。
自分:
(心の声)なぁぁぁぁぁにそれ、こっっわ。
相手3:
あー。病みきってる最終段階になりがちというか。
特に、創作物だとよく見るよね。
友人:
みなさんどれですか? ま、実際に、というより願望で。
相手1:
俺はー、恐らくだけど、病みきったらこんな感じになると思う。
……やっぱり俺よりアイツのことが好きなんだ?
じゃないとそんなことしないよねぇ?
ウソつかなくていいよ。え? 信じてくれないのって?
信じられなくなるようなことするほうが酷いと思うけど。
こんなに愛してるのに。俺以外の隣にいるキミなんて見たくない。それならいっそ
「お前を殺して俺も死ぬ」
……だね。
友人:
心中かー。
相手1:
離したくないから。
自分:
(心の声)闇が深い……ふかいよぉぉ
相手3:
俺はどうなるだろ。
付き合いだしてしばらくしたら、もう依存させてるから……
自分:
(心の声)うん、前提がオカシイよ。
相手3:
……冗談だよね? 俺を捨てられるわけないよね?
キミがいなくなったら……生きている意味が無い。
「構ってもらえないならオレは死ぬ」……のタイプかな?
友人:
私も同じだなぁ。「構ってもらえないならオレは死ぬ」タイプ。
絶対こんなこと思っちゃう。
……変わっちゃったね。だって前は、そんなこと……言わなかったもん!
もう私のこといらないんだ? じゃあごめん。このまま、死ぬ、ね。
もっと愛して欲しかった……死んだらいつか、大切だったって、気づいて。
少しの間でいいからどうか、泣いてくれますように……
って。相手に傷を遺せたら嬉しいな。
自分:
(心の声)我らよく友達関係つづいてるわ。
──間
自分:
自分は……
(心の声)どうしよ、さっき監禁とか言っちゃったよ。
うーん、んー。「手に入らないならお前を殺す」かなぁ。
一緒にいられないなら意味がない……
だからずっと、一緒にいられる方法、思いついたよ。
キミを……取り込んじゃえばいいんだよね?
どうやってって……縛られて、包丁見えてるのに、分からない?
こんな愛し方しかできなくて、ごめん、ね。
(心の声)っあー、何言ってんだろ! 自分が怖い! ドサイコパス!
相手1:
いい。願望としてある。
自分:
(心の声)あるんかーい!
相手2:
ボク、どれにも当てはまらないかも。
相手1:
そうか、排除型、ということは……
相手2:
──ああ、もしかしてアイツにそそのかされたの? 気を付けてたのになぁ。
大丈夫だよ。もうアイツは二度とキミの目の前に現れないから。
あ、最後にお別れしておく?
肉の塊で良ければまだ、キミの後ろのベランダに残ってるけど。
相手3:
あー。やっちゃったねー。
相手1:
そのルートもあるよね、うんうん。
友人:
あははこわーい!
自分:
(心の声)こわーいで済まされないよ!
相手2:
いくらなんでも、願望だからね?
──間
相手2:
心おきなく話せるっていいね。メニューもお酒も美味しかったし。
相手1:
楽しかったなぁ。また是非遊びましょうね。
友人:
是非!
相手2:
じゃ、ボクこっちだから。
友人:
あ、私も。
相手1:
あ、そうだったんだ! 俺も。
友人:
(小声)うまくやんなよ。
自分:
(小声)はぁ?
友人:
(小声)タイプでしょ? ちょっと。
自分:
(小声)ぐっ……
友人:
じゃあ2人とも、また!
相手1:
またねー!
相手2:
ばいばい。
──遠ざかる三人
相手1:
良かったら3人で飲み直す?
相手2:
いくー
友人:
あ、こっち方面に、いいお店あるんですよー
──少しの間
相手3:
……じゃあ、駅まで一緒にいく?
自分:
あ、ハイ。
(心の声)だ、大丈夫だよね。まだ知り合って間もない他人、なんだから。
──間
相手3:
キミさ、
自分:
はい?
相手3:
ホントはヤンデレじゃないでしょ。
自分:
……っ!
相手3:
友達にお願いされたの?
自分:
はい……やっぱり、わかっちゃいましたか。
相手3:
同じニオイがしなかったかな。他の人が気付いたかどうかは分からないけど。
コメントが客観的な感じだったし、なのに監禁したいなんていうし。
たまに顔が引きつってたし。っふ。面白かった。
自分:
(心の声)バレバレじゃん……!
ごめん、なさい。
相手3:
謝ることじゃないよ。俺も嘘ついたし。
自分:
え?
相手3:
実は崇拝型のヤンデレじゃないんだよねー。
それっぽいこと言っただけ。
自分:
全然、気が付かなかった! さすが、プロですね……
相手3:
え、ヤンデレのプロ?
自分:
あはは! じゃあ、本当は、ヤンデレじゃな……
相手3:
いや、ヤンデレではあると思う。
自分:
(心の声)世の中そんなに甘くなかった!
なら、どのタイプ……?
相手3:
どれだと思う?
自分:
えぇ……
(心の声)当てたくない……カコイチ当てたくない。
何がありましたっけ、うーん。あー、雰囲気的に、無害型?
っぽいけど。えーっと。
相手3:
相手のことはいろいろ知りたいかな。独占欲も強いほう。
けど死にたくはならないし、誰かを傷つけるとか、そういうのも興味無い。
自分:
じゃあ……束縛型?
相手3:
うん、そういうことにしとこっか。
自分:
(心の声)なにそれ怖いんだけど!?
相手3:
えっと、何線?
自分:
あ、あっち。
相手3:
え……一緒だ。
自分:
え……
相手3:
降りる駅まで一緒とはね。
自分:
はは、は……
相手3:
じゃ、またね。
自分:
ええ、また! え……
相手3:
え? 方向、こっち?
自分:
あ……こっち、です、ね。
相手3:
マンション……
自分:
い、いっ、しょ……!?
相手3:
わー、知らない間に会ってたのかな。
自分:
そ、そうかもしれませんね……
…………
相手3:
ん? どうしたの? その階じゃ、ないよね?
自分:
………………え?
相手3:
6階、でしょ?
自分:
なんで、
相手3:
ずっと前から、知ってたよ?
自分:
…………ぇ、
相手3:
キミの好きな食べ物も、勤め先も、よく使ってるトイレットペーパーも。
今日、あの合コンに来ることも。
はい。どうぞ。着いたよ。
自分:
────ぁ
(心の声)うそ、うそウソ嘘。
相手3:
じゃあまた明日からもよろしくね、【お隣さん】。
自分:
ぁ、あ
、ッ……ハァっ!、ハァッ……! ぁ、
ッひィッ……
相手3:
大丈夫。
傷つけるとかは興味無いって言ったでしょ?
何も、しないよ。直接的には。
(囁いて)逃げないうちはね。
かわいい。……おやすみなさい。
※タイトルはテキトーです
※語尾・口調変更○
※男女不問
※セリフ本旨に則ったアドリブ○
※俺←→私の一人称変更○ ボクはそのままでお願いします。
※(心の声)の後の改行までの一文は、モノローグの指定です。
『ヤンデレTHEエキシビションマッチ』
作 / 鳳月 眠人
自分:非ヤンデレなのにヤンデレ合コンに参加してしまった人
友人:妄想型ヤンデレ(わりとざっくりした性格)
相手1:束縛型ヤンデレ(明るいムードメーカー)
相手2:排除型ヤンデレ(少し控えめのボクっこ)
相手3:崇拝型ヤンデレ(落ち着いたクールビューティー)
皆様、アカウント名でどうぞ。笑
◇◆ここから台本◆◇
友人:
ごめんなさい! なかなか、近くに住んでる知り合いのヤンデレが捕まらなくて……
相手2:
もう付き合ってることもあるもんね……
相手1:
そうだよ、大丈夫。
同じような悩み持ってる人たちとさ、気兼ねなく話したかったっていうのが主旨だし。
だから男女不問の5人劇なんだし。
自分:
(心の声)メタい……
相手3:
普段、大っぴらにするもんでもないしね
相手1:
2人とも素敵な雰囲気だし、嬉しいよ! 来てくれてありがとう。
友人:
こちらこそ、声掛けてもらえて嬉しいです!
自分:
(心の声)普通っぽいのに、この人たちみんな……
相手1:
今日は語り合いましょうね、○○です。
相手2:
ヤンデレ合コン……楽しみにしてました。○○っていいます。
相手3:
よろしくお願いします。○○って呼んでください。
友人:
○○と申します。ヤンデレ歴十五年です。
相手2:
おおー……(拍手)
自分:
(心の声)みんなヤンデレ拗(こじ)らせてるって、本当かな。
あ、○○です、趣味は……
(心の声)はぁ、頼み込まれて、とんでもない合コンに、来てしまったァ……
友人:
では、自己紹介も終わったし。みんなにドリンク行き渡ったところで、乾杯!
──間
相手3:
趣味、星空観察だっけ。
自分:
あ、はい。
相手3:
いいね、俺も好き。親の田舎がすごく星空キレイで。
自分:
へぇ、いいなぁ! あ、どの季節の星空が好きですか? 自分は夏が好きです。
相手3:
夏は満天で見ごたえあるよね。俺は冬も好きかな。空気が澄んでて、キラキラしてて。
自分:
静かで、望遠鏡とか、息でくもって滲んだりして?
相手3:
うん。
相手1:
普通の会話で盛り上がってる、妬ましい。
友人:
あはは、そういう感情わかります。さすがヤンデレ。
相手1:
ねぇ、みんなは、ヤンデレタイプはどれなの?
自分:
何それ、そんなのあるんです?
相手2:
ボクも知らない……
友人:
えーっと確か、8種類ぐらい、ありましたっけ。
相手1:
うん。依存型、束縛型、妄想型、崇拝型。
特にヤバいのが排除型、攻撃型、ストーカー型、あと……無害型。
自分:
無害型もヤバいんですか?
相手1:
無害型はね、爆発したあとの進化先が分かれるんだよね。無限の可能性。
自分:
それってめちゃくちゃイーブ……ンッンッ
某モンスターみたいですね。
相手1:
そうそう。で、ぶっちゃけ、タイプ聞いたら……だいたい相性分かっちゃうんだよね。
相手3:
……当てるのも面白そうだけどな。
相手2:
あ、それ楽しそう。
キミ、このタイプでしょ、って言われてしっくり来たら、それが自分のタイプってことだよね。
相手3:
偽装もできるけど。
友人:
わー、合コンゲームっぽい! 嫌な人いなければやりましょうよ。
自分:
(小声)ちょっと!
友人:
(小声)なに?
自分:
(小声)いや、ヤンデレじゃないのバレちゃわない?
友人:
(小声)それっぽいこと言って
自分:
(小声)うそでしょ
──間
相手1:
俺はね、好きになった子とは、ずっとそばにいたいなぁ。
なんでも共有したい。楽しいことも、悲しいことも、趣味も、友達も。
ちょっとでも長く、一番近くにいたい。
極力、俺意外と遊んでほしくない。誰も近づかないようにしたい。
友人:
素敵です! 愛がおっきいタイプじゃないですか。
相手3:
重いって言われるタイプだよね。
相手1:
そうなんだよぉ……
友人:
世知辛い……
相手1:
だってさ。体調不良だったら俺が看病するよ? したいよ。
勉強も仕事も、一緒にやったらいいじゃん。
なんで? 用事はないよね?
俺と会うの断るなんて、まさか──浮気、してるの?
俺はこんなに好きでずっと傍にいたいのに……
キミはそうでも無いんだね……
相手2:
一番最近まで付き合ってたコは、そのコのスマホを黙って見ちゃったんだよね?
自分:
(心の声)昨今、問題になってるやつじゃぁん……
相手1:
ハイ! そんでバレてフラれましたぁ!
ていうか、ロック解除番号も共有したいよね……なんでしないの?
確認だよ? ただの。やましいことでもあんの?
ディスコとかも自分の知らない部屋があると許し難いよね。行動全部把握しないと安心できない。
自分:
(心の声)うわぁぁぁ……
相手3:
束縛型かぁ。
相手1:
ほんとはストーカーもしたい。しないけど。
相手2:
ボクも……好きな子ができると、すごく嫉妬しちゃうかな。
相手1:
ヤンデレって基本的に、尋常じゃなく嫉妬深いよね。
自分:
(心の声)や、ヤンデレは、嫉妬、深い……なるほど。
相手2:
ボクだけを見て欲しいのに。運良く付き合えたとしても、現実はそうもいかなくて。
友人:
うんうん……
執着したらどんどん嫌われていくって、わかってるんだけど、
他の人と楽しげにしてると落ち込むよね。
どうして見てくれないの? もしかして、もう私のこと、好きじゃないの? って。
自分:
(心の声)うわあ……めんどくさいやつ。
相手2:
ね。苦しくなるよね。自分よりも他の人といるほうが楽しそうにしてるとさ。
なんでそんなに、他の人と楽しそうにするの? って。
付き合ってるんだったら、配慮はしてほしいよね。
相手1:
ううう、わかるわー。好きな人以外には全然そんなこと思わないんだけど。
相手3:
興味すら沸かなかったりするよね。
自分:
う、うんうん。
(心の声)まぁそういう気持ちは、わかる、かも……
相手2:
だから……少し意地悪、しちゃう
自分:
うん……?
相手2:
好きな子が変わってくれないなら、他を変えればいいんだよ。
相手3:
というと?
相手2:
好きなコの仲良しさんが、仲良しでなくなればいい。
相手1:
おっとぉ?
相手2:
外から埋めていかなきゃなんだ。
第一段階は、同僚とかクラスメイトあたりに、ちょっとお願いするだけでいい。
あのコと付き合ってるんだ、とか、あのコのこと好きなんだってアピールして、
周囲を牽制(けんせい)するとか、懐柔(かいじゅう)するとか。
相手1:
お、おお……
相手2:
そうしたら次は、そのコの親友とか友達ね。
仲違いするように、疑心暗鬼になるように、ちょっとだけ、細工する。
先に懐柔した人たちを利用してね。もちろんウソは流さないよ?
……そこまでしても、まだボクを見ないなら。
ボク以外に助けを求めるようなら。
本人に直接教えてあげなきゃ。
キミは可哀想だね。
みんなから助けてもらえない、可哀想なキミを。
一番愛してるのはボクだよ、おいで、って。
もしもそれでも邪魔してくるようなやつがいたら……
いろいろ、して。
要らない人間には、消えてもらう。
……邪魔なんだよ。
自分:
(心の声)ひ、ひぃい……っ!
友人:
知的……!
相手3:
典型的な排除型だねそれは。
相手2:
排除、がた……
相手1:
孤立誘導型とも言う。
相手2:
ああー……
友人:
私は、そこまではしないかな。
相手1:
キミは妄想型ぽいよね。
友人:
妄想? 依存型かなって思ってた。
相手3:
自己否定的な考えまで行くと妄想型だねー。
友人:
そっ、かぁ……はぁ。
自分:
なんかよく悩んでるよね。
友人:
まぁ、ね。
友人:
常に一緒にいなくても、いいんだけど。そんなの日常生活送ってたら無理だし。
ただ、私のことだけ、ずっともっと、大事にしてほしいだけ。
でも関係が落ち着くと、どうもね。
前はあんなに愛してくれたじゃん? 今は渋々、付き合ってくれてるの?
もっと愛して? ぜんぜん、足りない。ぜんぜん、ぜんぜん、ぜんぜん……
もしかしてキープされてる? 本当はソイツのことが好きなの?
私を、裏切るの……? って。
相手3:
もう、そうなるとさ。
ただ執着してるのか、愛されたいだけなのか、本当に好きなのか、
わかんなくなってこない?
友人:
そう、それ! わかってくれる?
相手1:
でもそういう、「他の人より自分を見てー」って求めちゃう人って、
俺と需要と供給が合致するタイプだ。
友人:
え! そうか……そうですね!
相手1:
──求めあえるね。
友人:
あっ……そう、ですね……っ
あああああ笑顔やっさしいいいい
自分:
ねぇ、すごい声に出てる。
友人:
は? 出てた!?
相手2:
でも2人とも、ボクとも相性いいよね?
夢中になりあえるなら、ボクもいじわるしなくて済むんじゃないかなぁ……
相手1:
ん? あ、そう、そうね?
相手3:
ふ、ふふ。
自分:
(心の声)あ、わらった……
──間
相手3:
ヤンデレは結局、ヤンデレ同士でくっつくのが一番安定すると思うよ。
俺はたぶんちょっと違うけど。
相手1:
違う、だと……!?
友人:
妬かないの?
相手3:
妬くけど多分、普通レベルかな?
自分:
(心の声)お、この人は、マトモ?
相手3:
……それよりも……
尽くしたい。愛したい。甘やかして、大事にして、
こんなところが好き、って毎日、魅力をみつけて伝えて。
最終的には、逃げたいなんて思えなくなるぐらい、依存させる。
相手1:
っあー……それも、イイ。
自分:
(心の声)ヒィィ……
相手3:
依存するんじゃなくて、依存させたいんだよね。身体が縛れないなら、心を。
相手2:
ボクは否定の言葉で対象のコを堕とすけど、キミは肯定の言葉で墜とすって感じだね。
相手3:
そうだね。
友人:
ほー、勉強になるー。
自分:
(心の声)勉強に、なる!?
相手3:
あと、元からヤンデレのコをドロドロにするより、
ヤンデレじゃなかった人をヤンデレにするの、好き。
相手1:
歪んでるぅ!
自分:
(心の声)やっぱりマトモじゃなかった……!
(心の声)でも、一番、まっとうな気も……
(心の声)いや流されちゃダメしっかりして自分。
ということは、崇拝型? なのかな?
相手3:
そうだと思う。
自分:
(心の声)落ち着け。誤魔化しきれ。
本当は、心だけじゃなくて、身体も……自分のものに、したいよね。
(心の声)あってる? こんな感じであってる? わかんないぞ。
できることなら? 監、禁……とか、したくなっちゃう、よね?
相手1:
おおっ! でたねー
相手2:
わかる。
相手3:
──……
友人:
(小声)やるじゃん
自分:
(小声)合ってた?
友人:
(小声)いいと思う
相手2:
されるほうはどうなの?
自分:
え?
相手2:
監禁、されたい側の希望は?
自分:
え、えーっと。うーん、どっちかというと、したい、かな? されるより。
相手2:
そっかぁ、残念。
自分:
(心の声)残念ってなに、怖っ!
相手3:
じゃあキミは束縛型、かな?
自分:
うん、たぶん。
友人:
まだ、ね! レキが浅いもんね。最近目覚めたんだよね。
自分:
そ、そうなんです。
(心の声)え、ぜったい今後も目覚めないよ? でも──
気持ちのベクトル、みたいな……愛しかたの方向性が同じじゃないと。
好きになるほど自分が疲れたり、相手に怖がられたり避けられたりしたら、
つらくなりますよね。
(心の声)そういうこと、だよね。
友人:
(小声)さすが我が友。
自分:
(小声)まあね?
相手2:
みんなのタイプ、けっこう分かりやすかったね。
相手1:
まぁまぁ分かれたね。
友人:
あ、そうだ。ヤンデレって他にも、
「手に入らないならお前を殺すー」タイプと
「構ってもらえないならオレは死ぬー」タイプと
「お前を殺してオレも死ぬー」タイプがあるじゃないですか。
自分:
(心の声)なぁぁぁぁぁにそれ、こっっわ。
相手3:
あー。病みきってる最終段階になりがちというか。
特に、創作物だとよく見るよね。
友人:
みなさんどれですか? ま、実際に、というより願望で。
相手1:
俺はー、恐らくだけど、病みきったらこんな感じになると思う。
……やっぱり俺よりアイツのことが好きなんだ?
じゃないとそんなことしないよねぇ?
ウソつかなくていいよ。え? 信じてくれないのって?
信じられなくなるようなことするほうが酷いと思うけど。
こんなに愛してるのに。俺以外の隣にいるキミなんて見たくない。それならいっそ
「お前を殺して俺も死ぬ」
……だね。
友人:
心中かー。
相手1:
離したくないから。
自分:
(心の声)闇が深い……ふかいよぉぉ
相手3:
俺はどうなるだろ。
付き合いだしてしばらくしたら、もう依存させてるから……
自分:
(心の声)うん、前提がオカシイよ。
相手3:
……冗談だよね? 俺を捨てられるわけないよね?
キミがいなくなったら……生きている意味が無い。
「構ってもらえないならオレは死ぬ」……のタイプかな?
友人:
私も同じだなぁ。「構ってもらえないならオレは死ぬ」タイプ。
絶対こんなこと思っちゃう。
……変わっちゃったね。だって前は、そんなこと……言わなかったもん!
もう私のこといらないんだ? じゃあごめん。このまま、死ぬ、ね。
もっと愛して欲しかった……死んだらいつか、大切だったって、気づいて。
少しの間でいいからどうか、泣いてくれますように……
って。相手に傷を遺せたら嬉しいな。
自分:
(心の声)我らよく友達関係つづいてるわ。
──間
自分:
自分は……
(心の声)どうしよ、さっき監禁とか言っちゃったよ。
うーん、んー。「手に入らないならお前を殺す」かなぁ。
一緒にいられないなら意味がない……
だからずっと、一緒にいられる方法、思いついたよ。
キミを……取り込んじゃえばいいんだよね?
どうやってって……縛られて、包丁見えてるのに、分からない?
こんな愛し方しかできなくて、ごめん、ね。
(心の声)っあー、何言ってんだろ! 自分が怖い! ドサイコパス!
相手1:
いい。願望としてある。
自分:
(心の声)あるんかーい!
相手2:
ボク、どれにも当てはまらないかも。
相手1:
そうか、排除型、ということは……
相手2:
──ああ、もしかしてアイツにそそのかされたの? 気を付けてたのになぁ。
大丈夫だよ。もうアイツは二度とキミの目の前に現れないから。
あ、最後にお別れしておく?
肉の塊で良ければまだ、キミの後ろのベランダに残ってるけど。
相手3:
あー。やっちゃったねー。
相手1:
そのルートもあるよね、うんうん。
友人:
あははこわーい!
自分:
(心の声)こわーいで済まされないよ!
相手2:
いくらなんでも、願望だからね?
──間
相手2:
心おきなく話せるっていいね。メニューもお酒も美味しかったし。
相手1:
楽しかったなぁ。また是非遊びましょうね。
友人:
是非!
相手2:
じゃ、ボクこっちだから。
友人:
あ、私も。
相手1:
あ、そうだったんだ! 俺も。
友人:
(小声)うまくやんなよ。
自分:
(小声)はぁ?
友人:
(小声)タイプでしょ? ちょっと。
自分:
(小声)ぐっ……
友人:
じゃあ2人とも、また!
相手1:
またねー!
相手2:
ばいばい。
──遠ざかる三人
相手1:
良かったら3人で飲み直す?
相手2:
いくー
友人:
あ、こっち方面に、いいお店あるんですよー
──少しの間
相手3:
……じゃあ、駅まで一緒にいく?
自分:
あ、ハイ。
(心の声)だ、大丈夫だよね。まだ知り合って間もない他人、なんだから。
──間
相手3:
キミさ、
自分:
はい?
相手3:
ホントはヤンデレじゃないでしょ。
自分:
……っ!
相手3:
友達にお願いされたの?
自分:
はい……やっぱり、わかっちゃいましたか。
相手3:
同じニオイがしなかったかな。他の人が気付いたかどうかは分からないけど。
コメントが客観的な感じだったし、なのに監禁したいなんていうし。
たまに顔が引きつってたし。っふ。面白かった。
自分:
(心の声)バレバレじゃん……!
ごめん、なさい。
相手3:
謝ることじゃないよ。俺も嘘ついたし。
自分:
え?
相手3:
実は崇拝型のヤンデレじゃないんだよねー。
それっぽいこと言っただけ。
自分:
全然、気が付かなかった! さすが、プロですね……
相手3:
え、ヤンデレのプロ?
自分:
あはは! じゃあ、本当は、ヤンデレじゃな……
相手3:
いや、ヤンデレではあると思う。
自分:
(心の声)世の中そんなに甘くなかった!
なら、どのタイプ……?
相手3:
どれだと思う?
自分:
えぇ……
(心の声)当てたくない……カコイチ当てたくない。
何がありましたっけ、うーん。あー、雰囲気的に、無害型?
っぽいけど。えーっと。
相手3:
相手のことはいろいろ知りたいかな。独占欲も強いほう。
けど死にたくはならないし、誰かを傷つけるとか、そういうのも興味無い。
自分:
じゃあ……束縛型?
相手3:
うん、そういうことにしとこっか。
自分:
(心の声)なにそれ怖いんだけど!?
相手3:
えっと、何線?
自分:
あ、あっち。
相手3:
え……一緒だ。
自分:
え……
相手3:
降りる駅まで一緒とはね。
自分:
はは、は……
相手3:
じゃ、またね。
自分:
ええ、また! え……
相手3:
え? 方向、こっち?
自分:
あ……こっち、です、ね。
相手3:
マンション……
自分:
い、いっ、しょ……!?
相手3:
わー、知らない間に会ってたのかな。
自分:
そ、そうかもしれませんね……
…………
相手3:
ん? どうしたの? その階じゃ、ないよね?
自分:
………………え?
相手3:
6階、でしょ?
自分:
なんで、
相手3:
ずっと前から、知ってたよ?
自分:
…………ぇ、
相手3:
キミの好きな食べ物も、勤め先も、よく使ってるトイレットペーパーも。
今日、あの合コンに来ることも。
はい。どうぞ。着いたよ。
自分:
────ぁ
(心の声)うそ、うそウソ嘘。
相手3:
じゃあまた明日からもよろしくね、【お隣さん】。
自分:
ぁ、あ
、ッ……ハァっ!、ハァッ……! ぁ、
ッひィッ……
相手3:
大丈夫。
傷つけるとかは興味無いって言ったでしょ?
何も、しないよ。直接的には。
(囁いて)逃げないうちはね。
かわいい。……おやすみなさい。
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