10 / 21
コメディ
『PRIDE(鎮痛剤擬人化逆ハー台本)』(男4:女1)
しおりを挟む正気になったら負け。
シチュボの一種です。役を全うしましょう。薬だけに。
男声セリフで書いていますが、性別変更もちろんOK
BLになってもGLになってもハーレムになってもOK
自分:たぶん親知らずを歯茎切開して取り出したかなにかした。熱と痛みが引かない。
カロナ:なにかと甘い。独占欲は強い。
バファリ:半分は優しい。世話焼き。
ロキソ:効き目抜群。実は真面目。
モルヒ:鬼畜眼鏡。Sであれ。
◇◆ここからシナリオ◆◇
自分:
その日、夢を見た。
カロナ:
ねー、あるじ、無理しすぎてません?
自分:
へっ?
カロナ:
僕らのこと、使いすぎてると思う。
バファリ:
ずっと俺かカロナを使ってるだろ。
自分:
え? あ、そう、そうだね……でも熱下がらないし、痛いし。けど会社行かなきゃだしなぁ。
カロナ:
うっ……見事な社畜だよぉ! えらい、えらいねぇ、休んでいいのに……
自分:
っ、そんなふうに泣いてくれるのは君だけだよカロナぁ。
バファリ:
いいのか? 今晩はカロナで。
自分:
うん。バファリは、明日の昼に、ついてきてくれるかな。
バファリ:
コーヒーの後に飲むなよ。
自分:
わーってる、よ。
カロナ:
ほらバファリはもう出て、あとは僕に任せて。
……僕、今日で最後、だから……明日からあるじをよろしくね。
バファリ:
俺も、もう残ってねーけどな……
カロナ:
今晩はっ僕のっ ひっとりじめー!
バファリ:
頑張れよ
カロナ:
毎回全力だよ! さあ、あるじ。やさしーくお熱、下げてあげるね?
よしよし。はやく良くなあれ……
──翌朝
自分:
……いや、なんつー夢を見てるんだ。おくすりが美青年になって看病してくれる夢を見てしまった。
欲求不満なのかな。
──次の夜
自分:
うーしんどい。カロナ……
バファリ:
カロナはもういねーよ。
わたし:
あ……そうか。処方されたカロナ、尽きたんだ。うっうっ、カロナぁ。
ロキソ:
おい。
自分:
!
ロキソ:
忘れんなよ。俺がいるだろ。
バファリ:
ロキソ……
自分:
うっ、やだぁ、甘やかされたい。あんまり効かなくてもカロナが安心……
ロキソ:
あの甘ちゃんのどこがそんなにいいんだか。
あいつほんとにアセトアミノフェン入ってんのかよ。
バファリ:
そんな言い方ないだろう。常用と頓服とはまた……
自分:
カロナ……ぐすっ
ロキソ:
チッ、いい加減、いなくなったやつじゃなくて。
……俺の実績を、見ろよ。
自分:
ッあ、
ロキソ:
痛みも熱も早く下げたいだろ。中途半端な優しさなんかより、俺を、選べ。
前使った時……ヨかっただろ?
自分:
っ……!
バファリ:
中途半端なんじゃねえ。半分が胃に優しいだけだ。ロキソお前、胃まで荒らすだろ。
ロキソ:
効くんだからそれぐらいのリスクは、受け入れてもらわなきゃなぁ?
モルヒ:
強さで言えば、私が最上でしょうけどね?
ロキソ:
……何でモルヒがココにいるんだよ。
モルヒ:
カロナが、心配だ、とソワソワしていたのでね。様子を見に来ました。
あーあーこんなに腫れて。
今すぐ痛みをとってあげたいですが……
個人では取り扱えないですからね。病院で、待ってますよ。
自分:
モルヒ先生……
モルヒ:
今日のところはロキソをキメておきなさい。
痛みなくしっかり休めば免疫力も回復して、患部も快方に向かいますから。
自分:
はい……
ロキソ:
ふん
モルヒ:
まぁあまり使いすぎてもいけませんし、耐性もつかないように工夫も必要です。
バファリも残り少ないようですから、買い足しておくんですよ。イヴでもいいですけどね。
わたし:
イヴはちょっとしんどくなるんですよね。
バファリが尽きるのは、わたしの生命線が切れるも同じですよ。
バファリ:
あるじ……!
モルヒ:
イヴ、あの子はちょっと毛色が違いますからねぇ。
ロキソ:
昼間も俺をキメときゃいいのに。
バファリ:
嫉妬か?
ロキソ:
お前がちゃんと仕事してんなら俺もなんも言わねーんだよ。
バファリ:
意外と真面目だよな。
ロキソ:
じゃなきゃここまで強くなれるわけないだろうが。
ほら! 今から寝かしつけんだから、他はさっさと出てけ。
バファリ:
おやすみ、あるじ。
モルヒ:
明後日、会えるのを楽しみにしていますよ。
ロキソ:
ハァ。やっと静かになった。もう効いてきただろ?
自分:
ほんとだ、さすがロキソ!
ロキソ:
痛がってるところを見て喜ぶのなんて、モルヒぐらいしかいねーんだから。
もっと俺に……甘えろよ。
──翌朝
自分:
いや、ほんとになんつー夢を……
──治療中
モルヒ:
さ、治療を始めますよ。じわじわ効いて来ましたか?
ああ、本当に君は、私を感じやすい身体をしているんだね。
相性がいい。
だらしなく口の端から涎を垂らして……
自由を奪われるのが、私の痺れがそんなに気持ちいいんですか?
なかなかのスキ者ですね。
ふふ、よく耐えました。偉かったですね。良い子だ。
自分:
いかん。白昼夢というか、幻聴が聞こえる。鬼畜Sメガネ、良い。
──その夜
カロナ:
ただいまーぎゅーっ!
自分:
カロナおかえりー!
カロナ:
ねぇ、僕がいない間、ロキソに浮気した……?
自分:
うっ。
ロキソ:
お前の出番はもうねぇよ。俺で十分だ。
自分:
いやでもカロナを処方されてるから。
ロキソ:
ハァ? また効かねえ痛み止めを飲むのか?
カロナ:
効かなくないもん。市販薬は向こう行ってて。
ロキソ:
お前ェ……!
バファリ:
うるさい、揉めるな煽るな。カロナ、あるじを頼むぞ。
カロナ:
うん! あ、モルヒが切れてきたね、可愛いお顔が戻ってきてる。
おいで、膝枕してあげる……
ロキソ:
……あいつが来るまで、バファリ、お前が一番使ってもらってたろ。よくあんなのに任せられるな。
バファリ:
逆だ。今まで一番そばで支えてたんだ。
痛みによっては最適なヤツに譲るし、あるじからの信頼が消えたわけじゃない。それで十分だ。
ロキソ:
甘いやつばっかりだな。
バファリ:
甘いのは半分だけだ。
ロキソ:
へぇ?
バファリ:
……早く、元気になって欲しい。俺だけをたまに頼るレベルまで。
ロキソ:
めちゃくちゃ妬いてんじゃねーか。
バファリ:
──笑顔を守れるのは俺だけであればいいのに。
自分:
いやだからなんつー夢を見てんだって。
0
お気に入りに追加
9
あなたにおすすめの小説




体育座りでスカートを汚してしまったあの日々
yoshieeesan
現代文学
学生時代にやたらとさせられた体育座りですが、女性からすると服が汚れた嫌な思い出が多いです。そういった短編小説を書いていきます。




ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる