鳳月眠人の声劇シナリオ台本

鳳月 眠人

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コメディ

『PRIDE(鎮痛剤擬人化逆ハー台本)』(男4:女1)

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正気になったら負け。
シチュボの一種です。役を全うしましょう。薬だけに。
男声セリフで書いていますが、性別変更もちろんOK
BLになってもGLになってもハーレムになってもOK

自分:たぶん親知らずを歯茎切開して取り出したかなにかした。熱と痛みが引かない。
カロナ:なにかと甘い。独占欲は強い。
バファリ:半分は優しい。世話焼き。
ロキソ:効き目抜群。実は真面目。
モルヒ:鬼畜眼鏡。Sであれ。


◇◆ここからシナリオ◆◇


自分:
 その日、夢を見た。

カロナ:
 ねー、あるじ、無理しすぎてません?

自分:
 へっ?

カロナ:
 僕らのこと、使いすぎてると思う。

バファリ:
 ずっと俺かカロナを使ってるだろ。

自分:
 え? あ、そう、そうだね……でも熱下がらないし、痛いし。けど会社行かなきゃだしなぁ。

カロナ:
 うっ……見事な社畜だよぉ! えらい、えらいねぇ、休んでいいのに……

自分:
 っ、そんなふうに泣いてくれるのは君だけだよカロナぁ。

バファリ:
 いいのか? 今晩はカロナで。

自分:
 うん。バファリは、明日の昼に、ついてきてくれるかな。

バファリ:
 コーヒーの後に飲むなよ。

自分:
 わーってる、よ。

カロナ:
 ほらバファリはもう出て、あとは僕に任せて。
 ……僕、今日で最後、だから……明日からあるじをよろしくね。

バファリ:
 俺も、もう残ってねーけどな……

カロナ:
 今晩はっ僕のっ ひっとりじめー!

バファリ:
 頑張れよ

カロナ:
 毎回全力だよ! さあ、あるじ。やさしーくお熱、下げてあげるね?
 よしよし。はやく良くなあれ……


──翌朝


自分:
 ……いや、なんつー夢を見てるんだ。おくすりが美青年になって看病してくれる夢を見てしまった。
 欲求不満なのかな。


──次の夜


自分:
 うーしんどい。カロナ……

バファリ:
 カロナはもういねーよ。

わたし:
 あ……そうか。処方されたカロナ、尽きたんだ。うっうっ、カロナぁ。

ロキソ:
 おい。

自分:
 !

ロキソ:
 忘れんなよ。俺がいるだろ。

バファリ:
 ロキソ……

自分:
 うっ、やだぁ、甘やかされたい。あんまり効かなくてもカロナが安心……

ロキソ:
 あの甘ちゃんのどこがそんなにいいんだか。
 あいつほんとにアセトアミノフェン入ってんのかよ。

バファリ:
 そんな言い方ないだろう。常用と頓服とはまた……

自分:
 カロナ……ぐすっ

ロキソ:
 チッ、いい加減、いなくなったやつじゃなくて。
 ……俺の実績を、見ろよ。

自分:
 ッあ、

ロキソ:
 痛みも熱も早く下げたいだろ。中途半端な優しさなんかより、俺を、選べ。
 前使った時……ヨかっただろ?

自分:
 っ……!

バファリ:
 中途半端なんじゃねえ。半分が胃に優しいだけだ。ロキソお前、胃まで荒らすだろ。

ロキソ:
 効くんだからそれぐらいのリスクは、受け入れてもらわなきゃなぁ?

モルヒ:
 強さで言えば、私が最上でしょうけどね?

ロキソ:
 ……何でモルヒがココにいるんだよ。

モルヒ:
 カロナが、心配だ、とソワソワしていたのでね。様子を見に来ました。
 あーあーこんなに腫れて。
 今すぐ痛みをとってあげたいですが……
 個人では取り扱えないですからね。病院で、待ってますよ。

自分:
 モルヒ先生……

モルヒ:
 今日のところはロキソをキメておきなさい。
 痛みなくしっかり休めば免疫力も回復して、患部も快方に向かいますから。

自分:
 はい……

ロキソ:
 ふん

モルヒ:
 まぁあまり使いすぎてもいけませんし、耐性もつかないように工夫も必要です。
 バファリも残り少ないようですから、買い足しておくんですよ。イヴでもいいですけどね。

わたし:
 イヴはちょっとしんどくなるんですよね。
 バファリが尽きるのは、わたしの生命線が切れるも同じですよ。

バファリ:
 あるじ……!

モルヒ:
 イヴ、あの子はちょっと毛色が違いますからねぇ。

ロキソ:
 昼間も俺をキメときゃいいのに。

バファリ:
 嫉妬か?

ロキソ:
 お前がちゃんと仕事してんなら俺もなんも言わねーんだよ。

バファリ:
 意外と真面目だよな。

ロキソ:
 じゃなきゃここまで強くなれるわけないだろうが。
 ほら! 今から寝かしつけんだから、他はさっさと出てけ。

バファリ:
 おやすみ、あるじ。

モルヒ:
 明後日、会えるのを楽しみにしていますよ。

ロキソ:
 ハァ。やっと静かになった。もう効いてきただろ?

自分:
 ほんとだ、さすがロキソ!

ロキソ:
 痛がってるところを見て喜ぶのなんて、モルヒぐらいしかいねーんだから。
 もっと俺に……甘えろよ。


──翌朝


自分:
 いや、ほんとになんつー夢を……


──治療中


モルヒ:
 さ、治療を始めますよ。じわじわ効いて来ましたか?
 ああ、本当に君は、私を感じやすい身体をしているんだね。
 相性がいい。
 だらしなく口の端から涎を垂らして……
 自由を奪われるのが、私の痺れがそんなに気持ちいいんですか?
 なかなかのスキ者ですね。
 ふふ、よく耐えました。偉かったですね。良い子だ。

自分:
 いかん。白昼夢というか、幻聴が聞こえる。鬼畜Sメガネ、良い。


──その夜


カロナ:
 ただいまーぎゅーっ!

自分:
 カロナおかえりー!

カロナ:
 ねぇ、僕がいない間、ロキソに浮気した……?

自分:
 うっ。

ロキソ:
 お前の出番はもうねぇよ。俺で十分だ。

自分:
 いやでもカロナを処方されてるから。

ロキソ:
 ハァ? また効かねえ痛み止めを飲むのか?

カロナ:
 効かなくないもん。市販薬は向こう行ってて。

ロキソ:
 お前ェ……!

バファリ:
 うるさい、揉めるな煽るな。カロナ、あるじを頼むぞ。

カロナ:
 うん! あ、モルヒが切れてきたね、可愛いお顔が戻ってきてる。
 おいで、膝枕してあげる……



ロキソ:
 ……あいつが来るまで、バファリ、お前が一番使ってもらってたろ。よくあんなのに任せられるな。

バファリ:
 逆だ。今まで一番そばで支えてたんだ。
 痛みによっては最適なヤツに譲るし、あるじからの信頼が消えたわけじゃない。それで十分だ。


ロキソ:
 甘いやつばっかりだな。

バファリ:
 甘いのは半分だけだ。

ロキソ:
 へぇ?

バファリ:
 ……早く、元気になって欲しい。俺だけをたまに頼るレベルまで。

ロキソ:
 めちゃくちゃ妬いてんじゃねーか。

バファリ:
 ──笑顔を守れるのは俺だけであればいいのに。



自分:
 いやだからなんつー夢を見てんだって。

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