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令嬢は心中で同情する
しおりを挟むわたくし、仲良くしてきた覚えもございませんし?不勉強ではありますけれど。
彼女たちの存在はきちんと把握していてよ。
こちらの四名の皆様は、伯爵令嬢と、その伯爵家に属する家々の令嬢たちですわ。
子爵令嬢、それに男爵令嬢がお二人。
きっと皆様は幼い頃からよく知った仲なのでしょうね。
そういうものは、我が家にもございますのよ?
けれども学園では、あえて距離を置くようにと話してありますの。
これが伯爵家では、考え方が違うということなのでしょうね。
わたくしたち貴族は、派閥を越えた付き合いをそう簡単には出来ませんの。
けれども例外となる時間もありましてね。
それが今。そしてこの場所。
すなわち学園で生徒として過ごす時間なのですわ。
その与えられた貴重なお時間に。
うふふ。こんな風に過ごされている皆様も、存在しておりましたのね。
大変勉強になりましたわ。
もしかすると彼女たちは、学園で過ごす時間の貴重さをお家で教えて貰えなかったのではないかしら?
そうだとしたらとてもお可哀想だわ。
彼女たちはこの先の人生を具体的に描けていないのかもしれませんわね。
わたくしも含めて貴族の娘として生まれますと、あまり外の世界を知る機会がないでしょう?
だから教わっていないことが、分からないのは仕方がないの。
有難いことにわたくしは興味を惹かれ、もっと学びたいと思えば、それが整う環境をいただいてまいりましたわ。
でもでもそれが特別なことだというのも教えられてきましたし、この学園に入ってから他家の皆様とお知り合うようになって、本当にそうなのだと感じるようになりましたの。
だからね。
皆様が無知であることは責めませんわよ。
けれどもよ。
わたくしも侯爵家の娘ですもの。
皆様が望んでくださらない限り、教えて差し上げるわけにもいかなくてよ。
ご理解くださるかしら。
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