18 / 20
令嬢は精進することを誓う
しおりを挟む
わざわざ貴族らしい言葉を口にされなくてもよろしくてよ?
わたくし、カース様にそう伝えたこともありましたの。
それも何度もよ?
でもね、これはカース様のご趣味なんですって。
趣味だからやめたくないとカース様は仰るのよ。
趣味って人それぞれなものなのだわ。
「うふふ。カース様も今日も素敵でしてよ」
「ありがとう。リリーに言われると最高に嬉しいよ。あぁ、でも良かったな。本当に良かった」
カース様がしみじみと感じ入るように言うのです。
それはとても貴族らしくないお姿でしたわ。
「どうされまして?」
「どこかの誰かとの約束は果たしたからさ。これで堂々と君の側にいられるだろう?そろそろ学園での人脈作りもひと段落していい頃合いだよね?」
それはどうかしら?
わたくしは首を捻りましたの。
多くの貴族の子女たちと交流するために、学園ではあえて一人で行動してきたでしょう?
お友だちだけでなく、カース様とも距離を置いて過ごしてきたわ。
ですからね。
あの彼女たちから見たわたくしたちが、仲睦まじい様子に見えていたというのが理解出来ないのよ。
カース様とまったくお会いしなかったわけではありませんわよ?
それでもカース様と協力して、とても貴族らしく振る舞っていたと思いましたのに。
もしかすると、わたくしたちは貴族として美しく振舞えていないのではないかしら?
「外での振舞いの練習も兼ねて、学園でも二人で過ごすことにしよう。ね、リリー?」
わたくしの考えなどすべてお見通しというように、カース様は仰います。
そうね、もっと練習しないといけないよう。
わたくし、頑張りますわね。
でも皆様とのお付き合いはどうなるかしら?
カース様とご一緒していたら、偶然を装っても皆様とお話ししにくくなるのではないかしら?
殿方がいたら遠慮されますもの。
わたくし、カース様にそう伝えたこともありましたの。
それも何度もよ?
でもね、これはカース様のご趣味なんですって。
趣味だからやめたくないとカース様は仰るのよ。
趣味って人それぞれなものなのだわ。
「うふふ。カース様も今日も素敵でしてよ」
「ありがとう。リリーに言われると最高に嬉しいよ。あぁ、でも良かったな。本当に良かった」
カース様がしみじみと感じ入るように言うのです。
それはとても貴族らしくないお姿でしたわ。
「どうされまして?」
「どこかの誰かとの約束は果たしたからさ。これで堂々と君の側にいられるだろう?そろそろ学園での人脈作りもひと段落していい頃合いだよね?」
それはどうかしら?
わたくしは首を捻りましたの。
多くの貴族の子女たちと交流するために、学園ではあえて一人で行動してきたでしょう?
お友だちだけでなく、カース様とも距離を置いて過ごしてきたわ。
ですからね。
あの彼女たちから見たわたくしたちが、仲睦まじい様子に見えていたというのが理解出来ないのよ。
カース様とまったくお会いしなかったわけではありませんわよ?
それでもカース様と協力して、とても貴族らしく振る舞っていたと思いましたのに。
もしかすると、わたくしたちは貴族として美しく振舞えていないのではないかしら?
「外での振舞いの練習も兼ねて、学園でも二人で過ごすことにしよう。ね、リリー?」
わたくしの考えなどすべてお見通しというように、カース様は仰います。
そうね、もっと練習しないといけないよう。
わたくし、頑張りますわね。
でも皆様とのお付き合いはどうなるかしら?
カース様とご一緒していたら、偶然を装っても皆様とお話ししにくくなるのではないかしら?
殿方がいたら遠慮されますもの。
40
お気に入りに追加
353
あなたにおすすめの小説

私を売女と呼んだあなたの元に戻るはずありませんよね?
ミィタソ
恋愛
アインナーズ伯爵家のレイナは、幼い頃からリリアナ・バイスター伯爵令嬢に陰湿ないじめを受けていた。
レイナには、親同士が決めた婚約者――アインス・ガルタード侯爵家がいる。
アインスは、その艶やかな黒髪と怪しい色気を放つ紫色の瞳から、令嬢の間では惑わしのアインス様と呼ばれるほど人気があった。
ある日、パーティに参加したレイナが一人になると、子爵家や男爵家の令嬢を引き連れたリリアナが現れ、レイナを貶めるような酷い言葉をいくつも投げかける。
そして、事故に見せかけるようにドレスの裾を踏みつけられたレイナは、転んでしまう。
上まで避けたスカートからは、美しい肌が見える。
「売女め、婚約は破棄させてもらう!」

【完】まさかの婚約破棄はあなたの心の声が聞こえたから
えとう蜜夏☆コミカライズ中
恋愛
伯爵令嬢のマーシャはある日不思議なネックレスを手に入れた。それは相手の心が聞こえるという品で、そんなことを信じるつもりは無かった。それに相手とは家同士の婚約だけどお互いに仲も良く、上手くいっていると思っていたつもりだったのに……。よくある婚約破棄のお話です。
※他サイトに自立も掲載しております
21.5.25ホットランキング入りありがとうございました( ´ ▽ ` )ノ
Unauthorized duplication is a violation of applicable laws.
ⓒえとう蜜夏(無断転載等はご遠慮ください)

【完結】白い結婚はあなたへの導き
白雨 音
恋愛
妹ルイーズに縁談が来たが、それは妹の望みでは無かった。
彼女は姉アリスの婚約者、フィリップと想い合っていると告白する。
何も知らずにいたアリスは酷くショックを受ける。
先方が承諾した事で、アリスの気持ちは置き去りに、婚約者を入れ換えられる事になってしまった。
悲しみに沈むアリスに、夫となる伯爵は告げた、「これは白い結婚だ」と。
運命は回り始めた、アリスが辿り着く先とは… ◇異世界:短編16話《完結しました》
【完結】もう…我慢しなくても良いですよね?
アノマロカリス
ファンタジー
マーテルリア・フローレンス公爵令嬢は、幼い頃から自国の第一王子との婚約が決まっていて幼少の頃から厳しい教育を施されていた。
泣き言は許されず、笑みを浮かべる事も許されず、お茶会にすら参加させて貰えずに常に完璧な淑女を求められて教育をされて来た。
16歳の成人の義を過ぎてから王子との婚約発表の場で、事あろうことか王子は聖女に選ばれたという男爵令嬢を連れて来て私との婚約を破棄して、男爵令嬢と婚約する事を選んだ。
マーテルリアの幼少からの血の滲むような努力は、一瞬で崩壊してしまった。
あぁ、今迄の苦労は一体なんの為に…
もう…我慢しなくても良いですよね?
この物語は、「虐げられる生活を曽祖母の秘術でざまぁして差し上げますわ!」の続編です。
前作の登場人物達も多数登場する予定です。
マーテルリアのイラストを変更致しました。

あなたには、この程度のこと、だったのかもしれませんが。
ふまさ
恋愛
楽しみにしていた、パーティー。けれどその場は、信じられないほどに凍り付いていた。
でも。
愉快そうに声を上げて笑う者が、一人、いた。
この作品は、小説家になろう様にも掲載しています。

【完結】婚約破棄される未来見えてるので最初から婚約しないルートを選びます
21時完結
恋愛
レイリーナ・フォン・アーデルバルトは、美しく品格高い公爵令嬢。しかし、彼女はこの世界が乙女ゲームの世界であり、自分がその悪役令嬢であることを知っている。ある日、夢で見た記憶が現実となり、レイリーナとしての人生が始まる。彼女の使命は、悲惨な結末を避けて幸せを掴むこと。
エドウィン王子との婚約を避けるため、レイリーナは彼との接触を避けようとするが、彼の深い愛情に次第に心を開いていく。エドウィン王子から婚約を申し込まれるも、レイリーナは即答を避け、未来を築くために時間を求める。
悪役令嬢としての運命を変えるため、レイリーナはエドウィンとの関係を慎重に築きながら、新しい道を模索する。運命を超えて真実の愛を掴むため、彼女は一人の女性として成長し、幸せな未来を目指して歩み続ける。

【完結】真実の愛だと称賛され、二人は別れられなくなりました
紫崎 藍華
恋愛
ヘレンは婚約者のティルソンから、面白みのない女だと言われて婚約解消を告げられた。
ティルソンは幼馴染のカトリーナが本命だったのだ。
ティルソンとカトリーナの愛は真実の愛だと貴族たちは賞賛した。
貴族たちにとって二人が真実の愛を貫くのか、それとも破滅へ向かうのか、面白ければどちらでも良かった。

【完結済】政略結婚予定の婚約者同士である私たちの間に、愛なんてあるはずがありません!……よね?
鳴宮野々花@書籍2冊発売中
恋愛
「どうせ互いに望まぬ政略結婚だ。結婚までは好きな男のことを自由に想い続けていればいい」「……あらそう。分かったわ」婚約が決まって以来初めて会った王立学園の入学式の日、私グレース・エイヴリー侯爵令嬢の婚約者となったレイモンド・ベイツ公爵令息は軽く笑ってあっさりとそう言った。仲良くやっていきたい気持ちはあったけど、なぜだか私は昔からレイモンドには嫌われていた。
そっちがそのつもりならまぁ仕方ない、と割り切る私。だけど学園生活を過ごすうちに少しずつ二人の関係が変わりはじめ……
※※ファンタジーなご都合主義の世界観でお送りする学園もののお話です。史実に照らし合わせたりすると「??」となりますので、どうぞ広い心でお読みくださいませ。
※※大したざまぁはない予定です。気持ちがすれ違ってしまっている二人のラブストーリーです。
※この作品は小説家になろうにも投稿しています。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる