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地獄への扉が開くとき
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「何故……?」
ただの罪人となったダニエルが、夜会と同じ言葉をレオンの前で発したのは、夜会から三月を越えてからだった。
レオンは公爵領にある管理棟の一室で、首を長くしてダニエルたちの到着を待っていたところだ。
それは約束の時間の少し前だった。
仰々しく白服の騎士たちに囲まれて部屋に入ってきたダニエルは、レオンを見るなり、そう言ったのだ。
「この三か月、誰にも伝えられなかったとは……性格の悪いことだな」
「あはは。誰の性格が悪いって?」
鎖に繋がれたダニエルの後ろからぴょこりと顔を出して言ったのは、ルカだ。
「お前以外に誰がいる?」
「失礼だなぁ。レオンには言われたくないことだよ。君だって、こいつには何にも説明してやらなかったそうではないか」
レオンの側へと歩み寄ってきたルカは、わざとダニエルに見せ付けるようにして、レオンの肩に馴れ馴れしく手を置きながら笑った。
「わざわざ好んで選択する話題ではなかろうに、どこで言えと?」
レオンが冷えた声で言えば、ルカはそれでも笑うのである。
「そうだよねぇ。貴族なら知っていて当然で、あえて避ける話題だ。それを知らないって言うんだから、子爵家では余程こいつを甘やかしてきたんだろう。叔父上が酷く落ち込んでいたからさ、あとでレオンも話を聞いてやってよ」
「子爵家が領地で隠してきたならば、仕方あるまい」
領内の問題については、その領主に取り締まる権限があった。
貴族のあり方に厳しい聖剣院でも、それぞれの領地で起こる細々とした問題にまで口を挟むことはない。
それも領主がきちんと対応出来ていたら、の話だ。
「いやぁ。そうでもなくてね。こいつは何も考えずに、手広く仕事をしている商会の娘なんかにも手を出していたものだから。貴族たちにも当時から話が広まっていたんだよ。だけど、こんな愚かな男に率先して関わりたいと願う貴族もないだろう?わざわざ自分が聖剣院に通告せずとも、いずれ誰かが……と皆が同じように考えていたようでね。今は叔父上とこの改善策を練っているんだが、あとでレオンにも意見を聞かせて欲しいな」
当時子爵領での取引を停止した商会はいくつもあったと聞くから、子爵家は甘やかした三男の後始末に大分苦労していたはずだ。
それでもなお野放しにしてきたのだから、彼らもまた自業自得と言えよう。
領主として、貴族として、正しくあれば。領民のためにも、早急にダニエルを切り捨てるべきだったのだから。
そんなここにない彼らを鼻で笑うようにして、ルカは言うのだ。
「元子爵家の者たちも可哀想にね。爵位と領地を返上さえすれば、もう貴族として聖剣院に裁かれることはないと信じていたそうだから。彼らはどうだい?」
「どの者も態度は悪くない。それぞれの施設で大人しく勤勉に働いている」
「へぇ、意外だな。彼らは最後まで、亡き伯爵のせいだと言っていたからねぇ」
故人に脅されて仕方なく。と元子爵家の面々は同じく恩情を訴えていたそうだ。
だったらなおさら早期に聖剣院へと相談すべき話で、ダニエルの起こした問題を勘付かれたくなかった彼らが聖剣院に頼ることを避けたとすれば、やはり自業自得。
それに本当に脅されていたかと言えば、証言は怪しく、早くから子爵家では捕まった場合について口裏を合わせていたのではないかと疑われている。
結局、一方が故人であるがゆえに、この真実は明るみになっていないが。
いずれにせよ。
殺人罪の隠蔽および証拠隠滅の罪に加えて、男爵令嬢への暴行事件の隠蔽、さらには子息の教育の放棄や、その他ダニエルの後始末として行ってきたことが貴族としてはあるまじき行為と認定されて、爵位も領地も返上しておきながら、彼らは皆、聖剣院を通した重い処罰を受けることになってしまった。
そしてダニエルより少し早く、公爵領へと移送された彼らは、今この時もその罪を償っている。
「何故……?」
再びの呟く声に、ルカとレオンは同時にダニエルを見やった。
完全に覇気が失われた瞳は、生きているのにすでにこの世にない者として感じさせる、妙な恐ろしさを含んでいる。
だがそれに、ダニエルという一人の男を恐ろしいと感じさせる強さはない。
むしろダニエルは以前より小さくなって、より小者になったように感じられた。
「僕らのことを避けながら、まだ分からないとは。こんなにも愚かな貴族がいたなんて、この国の恥の手本となり続けよう。おかげでこちらは色々と改革に乗り出せそうで、その点だけはこいつに感謝してやってもいいと僕は思っていてね」
ルカの笑い声が、この場の空気に滑る。
「僕はそれで、お礼をするにはどうすればいいかと考えていたのだよ。そして結論に至ったわけだ。せっかく晴れてこの国の役に立てるのだから、己の罪をより理解出来ていた方が嬉しいだろうとね。では罪を意識するためには、何が必要だ?絶望感に後悔、これは欠かせないだろう。そこでなんだよ、レオン。最後の最後に真実を知らされた方が、より強い絶望感を味わって、これまでの人生を心から後悔することになると思わないか?」
「……やはり性格が悪いな」
ルカの性格を悪いと言うなら、ここでふっと息を吐くようにして笑いながら言ったレオンもまた、性格の悪い男と言えよう。
ルカはもう反論せず、性格悪くにこにこと微笑みながら部下に目配せをすると、白服を纏う騎士から、濃紺色の服を纏う騎士へと、ダニエルの身体に繋がる鎖の先が渡された。
ルカはさらに部下が持ってきた書類をレオンへと手渡す。玉璽入りの書類だった。
これですべての権限が、レオンへと移った。
何の権限か?
罪人であるダニエルに関する全権に違いない。
ただの罪人となったダニエルが、夜会と同じ言葉をレオンの前で発したのは、夜会から三月を越えてからだった。
レオンは公爵領にある管理棟の一室で、首を長くしてダニエルたちの到着を待っていたところだ。
それは約束の時間の少し前だった。
仰々しく白服の騎士たちに囲まれて部屋に入ってきたダニエルは、レオンを見るなり、そう言ったのだ。
「この三か月、誰にも伝えられなかったとは……性格の悪いことだな」
「あはは。誰の性格が悪いって?」
鎖に繋がれたダニエルの後ろからぴょこりと顔を出して言ったのは、ルカだ。
「お前以外に誰がいる?」
「失礼だなぁ。レオンには言われたくないことだよ。君だって、こいつには何にも説明してやらなかったそうではないか」
レオンの側へと歩み寄ってきたルカは、わざとダニエルに見せ付けるようにして、レオンの肩に馴れ馴れしく手を置きながら笑った。
「わざわざ好んで選択する話題ではなかろうに、どこで言えと?」
レオンが冷えた声で言えば、ルカはそれでも笑うのである。
「そうだよねぇ。貴族なら知っていて当然で、あえて避ける話題だ。それを知らないって言うんだから、子爵家では余程こいつを甘やかしてきたんだろう。叔父上が酷く落ち込んでいたからさ、あとでレオンも話を聞いてやってよ」
「子爵家が領地で隠してきたならば、仕方あるまい」
領内の問題については、その領主に取り締まる権限があった。
貴族のあり方に厳しい聖剣院でも、それぞれの領地で起こる細々とした問題にまで口を挟むことはない。
それも領主がきちんと対応出来ていたら、の話だ。
「いやぁ。そうでもなくてね。こいつは何も考えずに、手広く仕事をしている商会の娘なんかにも手を出していたものだから。貴族たちにも当時から話が広まっていたんだよ。だけど、こんな愚かな男に率先して関わりたいと願う貴族もないだろう?わざわざ自分が聖剣院に通告せずとも、いずれ誰かが……と皆が同じように考えていたようでね。今は叔父上とこの改善策を練っているんだが、あとでレオンにも意見を聞かせて欲しいな」
当時子爵領での取引を停止した商会はいくつもあったと聞くから、子爵家は甘やかした三男の後始末に大分苦労していたはずだ。
それでもなお野放しにしてきたのだから、彼らもまた自業自得と言えよう。
領主として、貴族として、正しくあれば。領民のためにも、早急にダニエルを切り捨てるべきだったのだから。
そんなここにない彼らを鼻で笑うようにして、ルカは言うのだ。
「元子爵家の者たちも可哀想にね。爵位と領地を返上さえすれば、もう貴族として聖剣院に裁かれることはないと信じていたそうだから。彼らはどうだい?」
「どの者も態度は悪くない。それぞれの施設で大人しく勤勉に働いている」
「へぇ、意外だな。彼らは最後まで、亡き伯爵のせいだと言っていたからねぇ」
故人に脅されて仕方なく。と元子爵家の面々は同じく恩情を訴えていたそうだ。
だったらなおさら早期に聖剣院へと相談すべき話で、ダニエルの起こした問題を勘付かれたくなかった彼らが聖剣院に頼ることを避けたとすれば、やはり自業自得。
それに本当に脅されていたかと言えば、証言は怪しく、早くから子爵家では捕まった場合について口裏を合わせていたのではないかと疑われている。
結局、一方が故人であるがゆえに、この真実は明るみになっていないが。
いずれにせよ。
殺人罪の隠蔽および証拠隠滅の罪に加えて、男爵令嬢への暴行事件の隠蔽、さらには子息の教育の放棄や、その他ダニエルの後始末として行ってきたことが貴族としてはあるまじき行為と認定されて、爵位も領地も返上しておきながら、彼らは皆、聖剣院を通した重い処罰を受けることになってしまった。
そしてダニエルより少し早く、公爵領へと移送された彼らは、今この時もその罪を償っている。
「何故……?」
再びの呟く声に、ルカとレオンは同時にダニエルを見やった。
完全に覇気が失われた瞳は、生きているのにすでにこの世にない者として感じさせる、妙な恐ろしさを含んでいる。
だがそれに、ダニエルという一人の男を恐ろしいと感じさせる強さはない。
むしろダニエルは以前より小さくなって、より小者になったように感じられた。
「僕らのことを避けながら、まだ分からないとは。こんなにも愚かな貴族がいたなんて、この国の恥の手本となり続けよう。おかげでこちらは色々と改革に乗り出せそうで、その点だけはこいつに感謝してやってもいいと僕は思っていてね」
ルカの笑い声が、この場の空気に滑る。
「僕はそれで、お礼をするにはどうすればいいかと考えていたのだよ。そして結論に至ったわけだ。せっかく晴れてこの国の役に立てるのだから、己の罪をより理解出来ていた方が嬉しいだろうとね。では罪を意識するためには、何が必要だ?絶望感に後悔、これは欠かせないだろう。そこでなんだよ、レオン。最後の最後に真実を知らされた方が、より強い絶望感を味わって、これまでの人生を心から後悔することになると思わないか?」
「……やはり性格が悪いな」
ルカの性格を悪いと言うなら、ここでふっと息を吐くようにして笑いながら言ったレオンもまた、性格の悪い男と言えよう。
ルカはもう反論せず、性格悪くにこにこと微笑みながら部下に目配せをすると、白服を纏う騎士から、濃紺色の服を纏う騎士へと、ダニエルの身体に繋がる鎖の先が渡された。
ルカはさらに部下が持ってきた書類をレオンへと手渡す。玉璽入りの書類だった。
これですべての権限が、レオンへと移った。
何の権限か?
罪人であるダニエルに関する全権に違いない。
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