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5章 迷宮の謎
19話 黄金のゴーレム
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魔法の光に優しく照らされた洞窟の中は、巨大なゴーレムが守っていただけあって、十分な広さがある一本道だった。
洞窟内なのでユニコから降りる。
少し湿り気のある洞窟を二人で歩いて進んで行くと、天井から何か黒いものが飛んで来た。
――カツッ!
「うん? 何かいるのか」
俺がそうつぶやくと
「さっそく来たわね」
アリエールが俺を見てほほえんだ。
また何かあるのかなと思いつつも、領域の膜に何かが当たった音に反応して上を見上げると、その天井には黒いコウモリがびっしりとぶら下がっていた。
うわっ気持ち悪い!俺の全身に鳥肌が立つ。
『キキィイイー!』
――カツッ! カツッカツッカツッカツッ!
その瞬間、絶対領域の膜にまるで大粒の雹が降り注いだように豪快な音を鳴らしだす。
次々と黒い塊が勢いよく叩きつけられ、視界が一面うごめく黒い物体に覆われた。
「うわっこいつら鬱陶しいな」
「これだけいると気持ち悪いわねぇ」
アリエールも嫌悪感を表して俺に抱きついてくる。
うむ、やわらかい。
と、アリエールの体温を感じながら領域の膜にヘバリ付いているコウモリを観察すると、その口からは鋭く長い牙が見えている。
多分吸血コウモリなのだろう。
なんとか血を吸おうとガリガリと膜を噛んでいるようだ。
これは障壁持ちじゃないと結構苦労するだろう。
そんなことを思いながらも俺は落ち着いて領域の黒い膜からハリセンボンのような棘を出した。
『ギャァアアアアア!』
ボトボトボトボト。
串刺しになって悲鳴をあげた大量のコウモリが、一瞬の間に消えて領域の膜が綺麗になった。
ああ、スッキリした。
俺は魔石になった元コウモリを回収すると、アリエールの肩をトントンと叩いた。
振り向いたエルフの頬に俺の人差し指が突き刺さる。
「ふふ、もうっ、流石ケルビンね。こんな罠じゃもうなんともならないわね」
俺の罠にひっかかったアリエールだが、嬉しそうに俺に微笑んだ。
コウモリが襲ってくる事は、やはり前からわかっていたらしい。
「こういうのは俺の能力と相性がいいからな。さぁどんどん行こうか」
「そうね、もう少しがんばりましょう」
その後も洞窟の中で、何度もコウモリに襲われたが、魔石が増えるだけで何の問題もなく奥までたどり着いた。
洞窟の奥には大きな扉があり、他に行ける場所はない。どうやらここがボスの部屋のようだ。
だが、セーフティーゾーンもなく、ちょこちょことコウモリが襲ってくる。
鬼畜仕様だな。
まぁ俺には問題ないのでアリエールに合図してさっさとボス部屋の扉を開く。
部屋の中に入りアリエールの魔法の光が周りを照らすと、そこには黄金に輝く巨大なゴーレムが立っていた。
「おお、ゴールドマンだ」
「すごいわね、やっぱり金を落とすのかしら」
二人で喜んでいると、ゴーレムがしゃべりだした。
『ヨクゾココマデ…』
―――バシュッ!
キーン!
いつものように絶対領域の一部を伸ばして黄金のゴーレムを叩き切ろうとしたのだが、ゴーレムの周りに漂う障壁に弾かれて攻撃が通らない。
「まじか、こいつ弾きやがった」
俺がビックリしているとあきれたようにアリエールが俺を見る。
「ねえケルビン、あのボスゴーレムが何か言おうとしてなかった?」
「ああ、そうなんだけど、こいつ強いかもしれないぞ」
『ヨクゾココマデ…』
―――バシュッ!
キーン!
「くそっ、やっぱり弾きやがる」
「だからケルビン、ちょっと待ちなさいって」
またもや攻撃を仕掛けた俺にたいして呆れたようにアリエールが諫める。
もしかしたら何かルールがあるのかな。
―――バシュッ!
キーン!
「やっぱり駄目か、こいつはブヘェッ!」
突然横からビンタが飛んできた。
あまりの威力にクラクラする。
俺は少し半べそになりながらアリエールにこう言った。
「いきなり何するんだよ、父さんにもなぐられた事ないのに!」
「だから少し待ちなさいって言ってるでしょ!」
怒鳴りながら仁王立ちするアリエールが怖い。
絶対領域の膜で覆われていても、その中で攻撃されたらまるで無防備だ。
そう考えたら一番危険なのはアリエールだ。
あまり怒らせると危ないな。
だが、いきなりのビンタは酷いだろう。
「なんだよ、だからって叩かなくてもいいじゃないか」
俺は少しだけビクビクしながらも怒っているアリエールに文句を言った。
洞窟内なのでユニコから降りる。
少し湿り気のある洞窟を二人で歩いて進んで行くと、天井から何か黒いものが飛んで来た。
――カツッ!
「うん? 何かいるのか」
俺がそうつぶやくと
「さっそく来たわね」
アリエールが俺を見てほほえんだ。
また何かあるのかなと思いつつも、領域の膜に何かが当たった音に反応して上を見上げると、その天井には黒いコウモリがびっしりとぶら下がっていた。
うわっ気持ち悪い!俺の全身に鳥肌が立つ。
『キキィイイー!』
――カツッ! カツッカツッカツッカツッ!
その瞬間、絶対領域の膜にまるで大粒の雹が降り注いだように豪快な音を鳴らしだす。
次々と黒い塊が勢いよく叩きつけられ、視界が一面うごめく黒い物体に覆われた。
「うわっこいつら鬱陶しいな」
「これだけいると気持ち悪いわねぇ」
アリエールも嫌悪感を表して俺に抱きついてくる。
うむ、やわらかい。
と、アリエールの体温を感じながら領域の膜にヘバリ付いているコウモリを観察すると、その口からは鋭く長い牙が見えている。
多分吸血コウモリなのだろう。
なんとか血を吸おうとガリガリと膜を噛んでいるようだ。
これは障壁持ちじゃないと結構苦労するだろう。
そんなことを思いながらも俺は落ち着いて領域の黒い膜からハリセンボンのような棘を出した。
『ギャァアアアアア!』
ボトボトボトボト。
串刺しになって悲鳴をあげた大量のコウモリが、一瞬の間に消えて領域の膜が綺麗になった。
ああ、スッキリした。
俺は魔石になった元コウモリを回収すると、アリエールの肩をトントンと叩いた。
振り向いたエルフの頬に俺の人差し指が突き刺さる。
「ふふ、もうっ、流石ケルビンね。こんな罠じゃもうなんともならないわね」
俺の罠にひっかかったアリエールだが、嬉しそうに俺に微笑んだ。
コウモリが襲ってくる事は、やはり前からわかっていたらしい。
「こういうのは俺の能力と相性がいいからな。さぁどんどん行こうか」
「そうね、もう少しがんばりましょう」
その後も洞窟の中で、何度もコウモリに襲われたが、魔石が増えるだけで何の問題もなく奥までたどり着いた。
洞窟の奥には大きな扉があり、他に行ける場所はない。どうやらここがボスの部屋のようだ。
だが、セーフティーゾーンもなく、ちょこちょことコウモリが襲ってくる。
鬼畜仕様だな。
まぁ俺には問題ないのでアリエールに合図してさっさとボス部屋の扉を開く。
部屋の中に入りアリエールの魔法の光が周りを照らすと、そこには黄金に輝く巨大なゴーレムが立っていた。
「おお、ゴールドマンだ」
「すごいわね、やっぱり金を落とすのかしら」
二人で喜んでいると、ゴーレムがしゃべりだした。
『ヨクゾココマデ…』
―――バシュッ!
キーン!
いつものように絶対領域の一部を伸ばして黄金のゴーレムを叩き切ろうとしたのだが、ゴーレムの周りに漂う障壁に弾かれて攻撃が通らない。
「まじか、こいつ弾きやがった」
俺がビックリしているとあきれたようにアリエールが俺を見る。
「ねえケルビン、あのボスゴーレムが何か言おうとしてなかった?」
「ああ、そうなんだけど、こいつ強いかもしれないぞ」
『ヨクゾココマデ…』
―――バシュッ!
キーン!
「くそっ、やっぱり弾きやがる」
「だからケルビン、ちょっと待ちなさいって」
またもや攻撃を仕掛けた俺にたいして呆れたようにアリエールが諫める。
もしかしたら何かルールがあるのかな。
―――バシュッ!
キーン!
「やっぱり駄目か、こいつはブヘェッ!」
突然横からビンタが飛んできた。
あまりの威力にクラクラする。
俺は少し半べそになりながらアリエールにこう言った。
「いきなり何するんだよ、父さんにもなぐられた事ないのに!」
「だから少し待ちなさいって言ってるでしょ!」
怒鳴りながら仁王立ちするアリエールが怖い。
絶対領域の膜で覆われていても、その中で攻撃されたらまるで無防備だ。
そう考えたら一番危険なのはアリエールだ。
あまり怒らせると危ないな。
だが、いきなりのビンタは酷いだろう。
「なんだよ、だからって叩かなくてもいいじゃないか」
俺は少しだけビクビクしながらも怒っているアリエールに文句を言った。
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