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5章 迷宮の謎
10話 砂漠攻略
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容赦なく照り付ける太陽に焼けた砂。
熱気が巻き上がりその膨大な熱量に当てられ蜃気楼のように周辺が揺れて見える。
「あっちぃー 何だこれ、急に夏になったみたいだな」
「本当ね、これは……あれっ少し楽になったわ、ケルビン何かしたわね」
何かを感じたアリエールが俺を見て微笑んだ。
ジリジリと肌が焼けるような熱線に脅威を感じた俺は、周りを囲う絶対領域の膜に熱を遮断するようなイメージを追加したのだ。
おかげで日陰に入ったようにぐっと温度が下がった気がした。
さらにアリエールが白い杖を取り出し軽く振る。
すると俺達のまわりにやさしい風が吹き始めた。
砂漠とは思えないような涼しい風に包まれる。
「おお、これならいいな。さすがアリエール」
「ふふふ、ケルビンもね。じゃあ早くこんな砂漠は抜けちゃいましょ」
笑顔でウインクするハイエルフの髪が風になびいてキラキラ光る。
厳しい環境の砂漠でも、俺達にかかれば大した問題じゃない。
砂なので少しだけ歩きにくいが、意気揚々と散歩でもするように先を目指して進んで行った。
「アリエール……飽きた」
「えっもう飽きたの? 仕方ないわねケルビンは、 ユニコーン 召還!」
少し歩いただけで飽きた俺に呆れた顔を見せるハイエルフだが、変わらない景色にはお互いにうんざりしていたので、ユニコに乗り小走りで進んで行く。
召還獣だけあって砂漠でも難なく走れるようだ。
つまらない景色でも後ろからアリエールに抱きついておっぱいを揉んでいると不思議と飽きないので耐えられる。
いや、むしろムラムラに耐えられない。
フワリと香る甘い誘惑に我慢ができずに金色の長い髪をかきあげて、白いうなじにキスをしながらその長い髪を二つに分けて、俺の後ろの頭に回して鉢巻のように縛っていたら流石に怒られた。
「痛っ、もう、なにやってんのよ」
「ごめん、アリエールと一つになりたくて」
「ぶっ、本当馬鹿ね。だからって髪で頭を縛ってもしょうがないでしょ。もうすぐオアシスがあるはずよ。一旦そこで休憩しましょ」
「おおっ、砂漠と言えばオアシスか、うん、そりゃあいいな」
涼しそうなイメージに釣られてつまらない砂漠を進んで行くと、快晴だったはずの空が急に曇り出し、風が怪しくなってきた。
突風に吹かれて砂粒が舞い上がり、絶対領域の膜にパチパチと打ち付けるような音がする。
もちろんノーダメージだが、今までとは違った異様な雰囲気に少しだけ警戒心が沸き上がる。
「砂嵐が来るわ、嵐と共に巨大なサンドワームが襲ってくるわよ」
アリエールがそう忠告すると、ユニコのスピードを落としてゆっくりと歩かせる。
どうやら敵が襲ってくるようだ。
「そうか、サンドワームって言う位だから砂の下からでてくるんだろ、うーん、下はノーガードだからちょっと不味いな」
俺は首を傾けて考える。
絶対領域は優秀なのだが決して万能ではない。
歩くためにはどうしても下には障壁が張れないからだ、と思った瞬間にいい事を閃いた。
「そうだ! これならどうかな」
俺は半球状に囲っていた絶対領域を変形させて大きな球のような形にしてみた。
球の中をユニコが歩けば領域が合わせて回転する。
こうすることで薄い絶対領域の膜の中に居ながら自由に移動ができるはずだ。
「よっしゃ! いけそうだ」
俺は実験が成功した事に喜んだが、領域が見えないアリエールには意味がわからないので状況を簡単に説明した。
「うん、流石ケルビンね。じゃあこのまま進んでも大丈夫そうね」
「ああ、これならどこから攻撃されても大丈夫だろう―――なっ!」
そう言った瞬間に、足元の砂が大きく吹きあがり、一瞬にして辺りが暗くなった。
突如下から出てきた、大きく口を開けたサンドワームにユニコごとバクンと食べられたのだ。
「きゃああああああ!」
「うぉおおおおおお! っと、そうきたか! しかし相手が悪かったな、おりゃあ!」
『ギャァアアアアア!』
サンドワームの口に入ったものの、絶対領域が打ち破れる訳が無い。
そのままいつものように変形した槍を突出させて口内から脳天を貫くと、サンドワームは絶叫して消えすぐに魔石に姿を替えた。
多少空に投げられたが領域をクッションのようにして無事着地すると、そこにはB+の魔石と小さな宝箱が落ちていた。
「おっ宝箱を落としたぞ」
「素敵よケルビン! 本当瞬殺だったわね。忍耐の砂漠の主も倒したからきっと中身は階層の鍵よ。後はオアシスを探すだけね」
嬉しそうなアリエールが笑顔でスルスリするように抱き着いてきた。
回収した宝箱には本当に鍵が入っていた。
「あれが主だったのか、そんなに強くはなかったけどまぁ11階層だしあんなもんか。それより忍耐の砂漠って?」
「うん、ここはね、日中は50度を超える灼熱、日が沈むと零下10度を超える極寒が交互にやってくる忍耐の砂漠らしいのよ。普通なら忍耐がいるほど大変なんでしょうけど、結局ケルビンにかかれば普通の砂漠となんら変わらないわよね」
すでに階層主を倒してしまったからか、急にこのフロアの説明をしだすアリエール。
通常、日中は移動できないほどに過酷なためテントや岩陰で休み、夕方か朝方の短時間に砂漠を超えるのがセオリーらしい。
砂漠を超えればサンドワームは地中から出てくるため討伐しやすくなるのだそうだ。
なるほどな……。
知ってるなら先に言っとけよ、とも思う反面、やっぱり知らないほうが楽しいのでここは何も言わないでおく。
得意げに説明するアリエールを抱きしめるとおっぱいを揉んでから先へと進んだ。
熱気が巻き上がりその膨大な熱量に当てられ蜃気楼のように周辺が揺れて見える。
「あっちぃー 何だこれ、急に夏になったみたいだな」
「本当ね、これは……あれっ少し楽になったわ、ケルビン何かしたわね」
何かを感じたアリエールが俺を見て微笑んだ。
ジリジリと肌が焼けるような熱線に脅威を感じた俺は、周りを囲う絶対領域の膜に熱を遮断するようなイメージを追加したのだ。
おかげで日陰に入ったようにぐっと温度が下がった気がした。
さらにアリエールが白い杖を取り出し軽く振る。
すると俺達のまわりにやさしい風が吹き始めた。
砂漠とは思えないような涼しい風に包まれる。
「おお、これならいいな。さすがアリエール」
「ふふふ、ケルビンもね。じゃあ早くこんな砂漠は抜けちゃいましょ」
笑顔でウインクするハイエルフの髪が風になびいてキラキラ光る。
厳しい環境の砂漠でも、俺達にかかれば大した問題じゃない。
砂なので少しだけ歩きにくいが、意気揚々と散歩でもするように先を目指して進んで行った。
「アリエール……飽きた」
「えっもう飽きたの? 仕方ないわねケルビンは、 ユニコーン 召還!」
少し歩いただけで飽きた俺に呆れた顔を見せるハイエルフだが、変わらない景色にはお互いにうんざりしていたので、ユニコに乗り小走りで進んで行く。
召還獣だけあって砂漠でも難なく走れるようだ。
つまらない景色でも後ろからアリエールに抱きついておっぱいを揉んでいると不思議と飽きないので耐えられる。
いや、むしろムラムラに耐えられない。
フワリと香る甘い誘惑に我慢ができずに金色の長い髪をかきあげて、白いうなじにキスをしながらその長い髪を二つに分けて、俺の後ろの頭に回して鉢巻のように縛っていたら流石に怒られた。
「痛っ、もう、なにやってんのよ」
「ごめん、アリエールと一つになりたくて」
「ぶっ、本当馬鹿ね。だからって髪で頭を縛ってもしょうがないでしょ。もうすぐオアシスがあるはずよ。一旦そこで休憩しましょ」
「おおっ、砂漠と言えばオアシスか、うん、そりゃあいいな」
涼しそうなイメージに釣られてつまらない砂漠を進んで行くと、快晴だったはずの空が急に曇り出し、風が怪しくなってきた。
突風に吹かれて砂粒が舞い上がり、絶対領域の膜にパチパチと打ち付けるような音がする。
もちろんノーダメージだが、今までとは違った異様な雰囲気に少しだけ警戒心が沸き上がる。
「砂嵐が来るわ、嵐と共に巨大なサンドワームが襲ってくるわよ」
アリエールがそう忠告すると、ユニコのスピードを落としてゆっくりと歩かせる。
どうやら敵が襲ってくるようだ。
「そうか、サンドワームって言う位だから砂の下からでてくるんだろ、うーん、下はノーガードだからちょっと不味いな」
俺は首を傾けて考える。
絶対領域は優秀なのだが決して万能ではない。
歩くためにはどうしても下には障壁が張れないからだ、と思った瞬間にいい事を閃いた。
「そうだ! これならどうかな」
俺は半球状に囲っていた絶対領域を変形させて大きな球のような形にしてみた。
球の中をユニコが歩けば領域が合わせて回転する。
こうすることで薄い絶対領域の膜の中に居ながら自由に移動ができるはずだ。
「よっしゃ! いけそうだ」
俺は実験が成功した事に喜んだが、領域が見えないアリエールには意味がわからないので状況を簡単に説明した。
「うん、流石ケルビンね。じゃあこのまま進んでも大丈夫そうね」
「ああ、これならどこから攻撃されても大丈夫だろう―――なっ!」
そう言った瞬間に、足元の砂が大きく吹きあがり、一瞬にして辺りが暗くなった。
突如下から出てきた、大きく口を開けたサンドワームにユニコごとバクンと食べられたのだ。
「きゃああああああ!」
「うぉおおおおおお! っと、そうきたか! しかし相手が悪かったな、おりゃあ!」
『ギャァアアアアア!』
サンドワームの口に入ったものの、絶対領域が打ち破れる訳が無い。
そのままいつものように変形した槍を突出させて口内から脳天を貫くと、サンドワームは絶叫して消えすぐに魔石に姿を替えた。
多少空に投げられたが領域をクッションのようにして無事着地すると、そこにはB+の魔石と小さな宝箱が落ちていた。
「おっ宝箱を落としたぞ」
「素敵よケルビン! 本当瞬殺だったわね。忍耐の砂漠の主も倒したからきっと中身は階層の鍵よ。後はオアシスを探すだけね」
嬉しそうなアリエールが笑顔でスルスリするように抱き着いてきた。
回収した宝箱には本当に鍵が入っていた。
「あれが主だったのか、そんなに強くはなかったけどまぁ11階層だしあんなもんか。それより忍耐の砂漠って?」
「うん、ここはね、日中は50度を超える灼熱、日が沈むと零下10度を超える極寒が交互にやってくる忍耐の砂漠らしいのよ。普通なら忍耐がいるほど大変なんでしょうけど、結局ケルビンにかかれば普通の砂漠となんら変わらないわよね」
すでに階層主を倒してしまったからか、急にこのフロアの説明をしだすアリエール。
通常、日中は移動できないほどに過酷なためテントや岩陰で休み、夕方か朝方の短時間に砂漠を超えるのがセオリーらしい。
砂漠を超えればサンドワームは地中から出てくるため討伐しやすくなるのだそうだ。
なるほどな……。
知ってるなら先に言っとけよ、とも思う反面、やっぱり知らないほうが楽しいのでここは何も言わないでおく。
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