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4章 凱旋と旅
9話 再びスターテルの町
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三人で歩いてスターテルの町まで来た。門は閉まっているが門番が立っている。小扉はあるのでSランクの騎士だと分かれば多分入れてもらえるだろう。
だがその前にやる事が一つある。
「あっあれはなんだ!」
「えっ!」
「うんっ?」
突然後ろを指さすと、驚いてセリーとマニエルが後ろを向いた。――その隙に【絶対領域】に入れて豆粒状に小さくすると時間を止めた。
ふふふ。上手くいったな。
これからモニカさんとデートするためには二人は邪魔だ。
門番はSランクカードを見せたらやっぱり敬礼して入れてくれた。
小扉をくぐってステータルの町に入る。
……やっぱり一人は気楽だな。
今は夜の七時頃。街中はまだ賑やかで、街道が封鎖されようとしていた事など気づいても無い様子だった。
冒険者ギルドに入ると、ちょうどこっちを見たモニカさんと目が合った。
見慣れない高価な装いの男が入ってきたことに驚いているみたいだな。
ツカツカと近づき、挨拶する。
「よう、モニカさん。久しぶり」
「ケルビンさん!? えっそのバッジはまさか!? あなた騎士になったの?」
流石のモニカさんも藍色の目を見開いて驚愕する。
「そうです。私がSランク冒険者騎士ケルビン・シルバーです。あなたのために王都で名を上げてまいりました。約束通り今晩付き合っていただけますか」
背筋を伸ばして自信満々に胸を張る。
「そう、立派になったわね。……そうね。騎士様に言われたらどうしようもないわね」
モニカさんが感慨深そうに言うが、嬉しいのか困っているのか感情はうかがえなかった。
「モニカさん。仕事は大丈夫なの?」
「ええ、もうあがるところよ大丈夫。ところで騎士様。今日はどちらへエスコートしてくださるのか・し・ら」
色っぽくそう言うと、初めて嬉しそうな顔を見せてカウンターからこっちへ出てきた。俺の腕を取りおっぱいを押し付ける。やっぱり柔らかーい。そしてフワンといい香りがする。
ああ、懐かしい初恋の人モニカさんのエロい香りだ。
昔は何度も想像して夜な夜な彼女で抜いていた。
ついにその彼女が今この手に……。
冒険者達がギルドのアイドルを奪う俺を見ている。
だがなんせ騎士だ。誰も文句を言うやつはいない。硬直したように動けずに見ているだけだ。
「まずは、そうだな。お洒落なレストランにでも行きますか」
セリーと行ったあそこならいいだろう。
「まあ、ゆっくりと口説いてくれるの? いきなり宿に行くのかと思ったわ」
その言葉を聞いて下半身がビンビンになる。モニカさんもその気なのだ。
うーん……じゃあそうしちゃおうかな。
「それでもいいの? もちろん俺はそうしたいけど」
「優しいのねケルビン様。宿でいいわよ。食事もそこですればいいわ」
どうやらモニカさんもノリノリらしい。
町一番の高級宿に入り部屋食を注文した。
小さいが風呂付の部屋だった。
スターテルにも風呂付の部屋があるんだな。
運ばれた夕食を食べながらモニカさんをマジマジと見る。久々に見るがやっぱり綺麗だ。藍色の髪に同色の深い瞳。目元に小さな泣きボクロがあり色っぽい。
俺が冒険者を始めたころからギルドにいて世話になったのだ。若いころからアイドルで皆から何度も告白されていた人だ。
「モニカさん。いくつになった?」
「あら、レディーに年を聞くなんて、相変わらずケルビン様はデリカシーがないのね。そう、私ももう二十よ」
あれっ? 意外と若い。
「そうなんだ。色気があるからもっと上だと思ってたけど五つ上なだけなんだ」
「そうね。私も十歳くらいからギルドで働いてたからね。ケルビン様が初めて来たときも、同じようにまだ十歳くらいだったわね」
懐かしそうに当時の話をした。
「うん、その頃からモニカさんの事が好きだった。憧れだった。モニカさんは皆のアイドルだったよ。誰が嫁にするのか競い合ってたようなもんだ。結局誰とも付き合ってなかった。違うかな」
「ふふふ、そのとおりよ」
もててはいたが、浮いた話は聞いてない。
「もしかしてモニカさん。初めてかい」
「そうね。……こう見えて緊張でガクガクしてるのよ。わかっちゃった?」
「ごめんな、モニカさん。騎士だから、貴族の言う事だからしょうがないって言うなら何もしないよ、嫌ならちゃんと言ってくれ。俺は他の貴族とは違うんだ。断ったからって恨んだり嫌がらせははしないよ」
心配してモニカさんを見る。
「ううん。そうじゃないの。全然嫌じゃないわ。私もね、若い頃から色んな人達を見てきたわ。何人も誘われてきたけど、これは、って思える人はいなくてね。それですべて断って来たの。もっと私に合ったイイ人がいるんじゃないかってね。……でもそのうち誰がいいのかなんてわかんなくなっちゃったの」
自嘲気味にモニカさんが語りだす。
「それでね。いつしかAランクの人ならって言い出したのよ。Aランクになれるような人から誘われたらついて行こうって決めたのよ」
「……モニカさん」
「やっとその時がきたって思ったの。ケルビン様。あなたが来た瞬間、やっと来たって思ったのよ。二十にもなった処女の女なんて重いかもしれないけど、初めてがSランクの騎士様なんて幸せだわ。私ね。興奮して感動しているのよ」
モニカさんの瞳がウルウルしている。
「そっか、それなら問題ない。俺は間違いなくSランク騎士だからな」
「……すごいわね。こないだまでFランクで苦労してたあなたがね。私本当に嬉しいわ。わざわざ会いに来てくれて」
「うん。モニカさんは俺が憧れた人だからね」
立ち上がってモニカの手をとり、抱き寄せると色っぽい唇にキスをした。
だがその前にやる事が一つある。
「あっあれはなんだ!」
「えっ!」
「うんっ?」
突然後ろを指さすと、驚いてセリーとマニエルが後ろを向いた。――その隙に【絶対領域】に入れて豆粒状に小さくすると時間を止めた。
ふふふ。上手くいったな。
これからモニカさんとデートするためには二人は邪魔だ。
門番はSランクカードを見せたらやっぱり敬礼して入れてくれた。
小扉をくぐってステータルの町に入る。
……やっぱり一人は気楽だな。
今は夜の七時頃。街中はまだ賑やかで、街道が封鎖されようとしていた事など気づいても無い様子だった。
冒険者ギルドに入ると、ちょうどこっちを見たモニカさんと目が合った。
見慣れない高価な装いの男が入ってきたことに驚いているみたいだな。
ツカツカと近づき、挨拶する。
「よう、モニカさん。久しぶり」
「ケルビンさん!? えっそのバッジはまさか!? あなた騎士になったの?」
流石のモニカさんも藍色の目を見開いて驚愕する。
「そうです。私がSランク冒険者騎士ケルビン・シルバーです。あなたのために王都で名を上げてまいりました。約束通り今晩付き合っていただけますか」
背筋を伸ばして自信満々に胸を張る。
「そう、立派になったわね。……そうね。騎士様に言われたらどうしようもないわね」
モニカさんが感慨深そうに言うが、嬉しいのか困っているのか感情はうかがえなかった。
「モニカさん。仕事は大丈夫なの?」
「ええ、もうあがるところよ大丈夫。ところで騎士様。今日はどちらへエスコートしてくださるのか・し・ら」
色っぽくそう言うと、初めて嬉しそうな顔を見せてカウンターからこっちへ出てきた。俺の腕を取りおっぱいを押し付ける。やっぱり柔らかーい。そしてフワンといい香りがする。
ああ、懐かしい初恋の人モニカさんのエロい香りだ。
昔は何度も想像して夜な夜な彼女で抜いていた。
ついにその彼女が今この手に……。
冒険者達がギルドのアイドルを奪う俺を見ている。
だがなんせ騎士だ。誰も文句を言うやつはいない。硬直したように動けずに見ているだけだ。
「まずは、そうだな。お洒落なレストランにでも行きますか」
セリーと行ったあそこならいいだろう。
「まあ、ゆっくりと口説いてくれるの? いきなり宿に行くのかと思ったわ」
その言葉を聞いて下半身がビンビンになる。モニカさんもその気なのだ。
うーん……じゃあそうしちゃおうかな。
「それでもいいの? もちろん俺はそうしたいけど」
「優しいのねケルビン様。宿でいいわよ。食事もそこですればいいわ」
どうやらモニカさんもノリノリらしい。
町一番の高級宿に入り部屋食を注文した。
小さいが風呂付の部屋だった。
スターテルにも風呂付の部屋があるんだな。
運ばれた夕食を食べながらモニカさんをマジマジと見る。久々に見るがやっぱり綺麗だ。藍色の髪に同色の深い瞳。目元に小さな泣きボクロがあり色っぽい。
俺が冒険者を始めたころからギルドにいて世話になったのだ。若いころからアイドルで皆から何度も告白されていた人だ。
「モニカさん。いくつになった?」
「あら、レディーに年を聞くなんて、相変わらずケルビン様はデリカシーがないのね。そう、私ももう二十よ」
あれっ? 意外と若い。
「そうなんだ。色気があるからもっと上だと思ってたけど五つ上なだけなんだ」
「そうね。私も十歳くらいからギルドで働いてたからね。ケルビン様が初めて来たときも、同じようにまだ十歳くらいだったわね」
懐かしそうに当時の話をした。
「うん、その頃からモニカさんの事が好きだった。憧れだった。モニカさんは皆のアイドルだったよ。誰が嫁にするのか競い合ってたようなもんだ。結局誰とも付き合ってなかった。違うかな」
「ふふふ、そのとおりよ」
もててはいたが、浮いた話は聞いてない。
「もしかしてモニカさん。初めてかい」
「そうね。……こう見えて緊張でガクガクしてるのよ。わかっちゃった?」
「ごめんな、モニカさん。騎士だから、貴族の言う事だからしょうがないって言うなら何もしないよ、嫌ならちゃんと言ってくれ。俺は他の貴族とは違うんだ。断ったからって恨んだり嫌がらせははしないよ」
心配してモニカさんを見る。
「ううん。そうじゃないの。全然嫌じゃないわ。私もね、若い頃から色んな人達を見てきたわ。何人も誘われてきたけど、これは、って思える人はいなくてね。それですべて断って来たの。もっと私に合ったイイ人がいるんじゃないかってね。……でもそのうち誰がいいのかなんてわかんなくなっちゃったの」
自嘲気味にモニカさんが語りだす。
「それでね。いつしかAランクの人ならって言い出したのよ。Aランクになれるような人から誘われたらついて行こうって決めたのよ」
「……モニカさん」
「やっとその時がきたって思ったの。ケルビン様。あなたが来た瞬間、やっと来たって思ったのよ。二十にもなった処女の女なんて重いかもしれないけど、初めてがSランクの騎士様なんて幸せだわ。私ね。興奮して感動しているのよ」
モニカさんの瞳がウルウルしている。
「そっか、それなら問題ない。俺は間違いなくSランク騎士だからな」
「……すごいわね。こないだまでFランクで苦労してたあなたがね。私本当に嬉しいわ。わざわざ会いに来てくれて」
「うん。モニカさんは俺が憧れた人だからね」
立ち上がってモニカの手をとり、抱き寄せると色っぽい唇にキスをした。
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