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第二章 旅と娼館
1話 いざ、次の町ジュールへ
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セリーと手を振って別れた俺は、次の目的地トレビアの町に向かい出発した。歩きなら恐らく8日から10日はかかるだろう。
途中にある宿場町、ジュール、キューサイ、ハッサンの町に寄りながら行くつもりだ。軍資金はまだ十分にある。楽しみながらジュールを目指そう。
そう思ってはいたがすぐに飽きてきた。
一人で歩くと暇なのだ。やっぱりセリーを誘えば良かったか・・・・・・。
本当は何度も考えたのだ。「このまま一緒に旅をしようか」と言い出そうと。
セリーの気持ちも分かっていた。セリーも望んでいたはずだ。
だが俺は一人の女に落ち着くタイプじゃない。なんせ娼館が大好きなのだ。
まあ、これで良かったのだ。
街道を歩きながら自問自答を続けた。
呆れるほど天気の良い日だった。街道には馬車や歩いている旅人がチラホラいるせいで孤独感はない。皆も同じように歩いている。しかも荷物を背負っているのだ。
それに比べて俺は手ぶらだ。【絶対領域】ってありがたいな。
昼まではまだ少し時間がある。
俺は地図を見ながら今日の予定を考えていた。
ジュールの町は意外と近い。25km位だろうか。
一時間に4km歩くとして6.7時間あれば着く。
夕方までには到着しそうだな。
そう考えれば気が楽だ。町には娼館もあるだろう。うん。やはり今日も娼館だな。
考えただけでズボンが張り出して来た。いかん。今はいかん。
段々楽しくなってきたがあまり考えすぎると勃起してしまう。ドウドウ。落ち着け息子よ、まあ慌てるな。
昼になったので木陰で休憩して水を飲む。革袋から出したのだ。
屋台で買ったうどんの入った鍋を出す。
実は実験したのだが【絶対領域】では自分の自由になるので、うどんの鍋を豆に替え、時間を止めてみたのだ。
しばらくして元に戻すとあら不思議。そのままの状態に戻るのだ。
すごいぞ【絶対領域】まさに神の力だ。
そんなわけで熱々のうどんを鍋から器に入れていると、同じように休憩しようとする旅人が声をかけて来た。
「えらい物食べてるな。にーちゃん。アイテムボックスかい?いいな。俺達にも分けてくんねーか。もちろんお金は払うぜ」
冒険者PTのようだ。男三人に女の子二人だ。おっさん二人とおじいさん。グラマーな美人とスリムな美人だ。まあ、いいだろう。
「そうか。じゃあ。器があるなら一杯、5ドロルで良ければ分けてもいいぞ」
本当は3ドロル位だろうが現地割りましだ。
「ははは。ありがてえ。じゃあ。25ドロルな。いいや。30ドロルだ。これに入れてくれ」
おっさんたちが嬉しそうに器を出した。
器を預かり、うどんを入れてやった。もちろん美女は少し多めだ。鍋のうどんは、ほとんど無くなってしまった。
仕方ないので、俺の器に残りも入れて空っぽだ。
「ありがとよ。外でこんな熱々のうどんが食えるとは贅沢だ。余計に旨く感じるぜ」
「そうね。青空の下で食べるうどんは格別よ」
美女二人も喜んでいるのでいいだろう。
皆で世間話をしながらうどんを食べた。うん。熱々で旨い。
どうやら五人は移動中の冒険者でDランクPT【鉄の狩人】らしい。
これからジュールの町へ向かうようだ。
ジュールにもいい狩場があるそうだ。中級向けのダンジョンらしい。
「アイテムボックス持ちならサポーターとして来てくれねえか。一日銀貨一枚でどうだ」
リーダーのワオンさんが聞いてきた。
誘ってる本人は悪気はないのだ。100ドロルは普通、Eランク冒険者の日当だ。Fランクなら50ドロルが相場だろう。
サポーターというのは荷物持ちの事で、ダンジョンや塔などに潜る時に冒険者のお手伝いをする補助者の事だ。冒険者として独り立ちできない人がやる仕事なのだ。日当は30ドロルだったり歩合だったりするが100ドロルなら良心的だろう。まあ、アイテムボックスがあるからなのだろうが。
Dランク冒険者では一日300ドロルが基本だ。俺を雇うなら最低それがいる。
だが手ぶらで歩いてる布の服の15歳なら、まあFランクにしか見えないだろう。
「ははは。こう見えて俺もDランク冒険者なんだ。ほら」
と右手のごつい絶対領域を見せた。
「悪いー、そうか。いや、すまん。手ぶらで武器も持ってねーから……なんだ勘違いしたぜ」
「いや、そう見えるからしょうがないよ。まあ、そういうわけだ。おかげで楽しく食事ができた。美女は見るだけでもありがたい」
「ふふふ。ありがと。でもそんなに若いのにDランクなんてやるわね。しかもソロでしょ。強いのね」
グラマー美人のニーニャさんが感心した。
「まあ、苦労したからね(チート貰うまでは)」
雑談しながら一緒に歩いて行った。
同じDランクという事で楽しく会話できた。おかげであっという間にジュールの町へ到着した。
ジュールの町に入ってお互い手を振って別れた。
不思議なことに、グラマーなニーニャさんのおっぱいしか覚えていない。
それはともかく颯爽と歩いて娼館に向かった。
数軒並んでいるが、一番高そうな娼館を選ぶ。
ふむ。ここがいいだろう。
にこやかにボーイに挨拶しようとするが、疑いの目でこちらを見る。
「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね」
面倒なので、右手のごつい絶対領域を見せた。
すぐに態度が変わる。
「おおっようこそいらっしゃいました。どうぞこちらでございます」
にこやかに案内された。
《パレス》に入ると、中は白を基調とした宮殿のような作りだった。なるほど素晴らしい。
ロビーでは女の子がひな壇の上に座り、ズラリと10人は並んでいる。うむ。これまた素晴らしい。
俺はソファーに腰かけてじっくりと観察する。
全体的にステータルよりもあか抜けた感じがする。逆に言えば少しきつい目の娘が多いかな。
それもまたいいだろう。郷に入れば郷に入れろだ。
ボーイが近寄ってくる。
「どうでしょうか。うちの娘たちは」
「うん。素晴らしいな。あの金色の長い髪の娘がいいな」
グラマーな中にも気品のありそうな女の娘を選ぶ。白いドレスを着た王女様みたいな美女だ。
22.3歳に見える色白巨乳だ。背は高く、俺と同じ170cm位はありそうだ。
青い目をした綺麗な女性が優雅にお辞儀をした。
「ブルネットさんですね。お目が高い。当店はショートで220ドロル、ロングで580ドロルでございますが……」
「ロングで頼む」
「はい。ありがとうございます」
俺は銀貨六枚を出すとこう言った。
「釣りはいらない」
「ありがとうございます」
ボーイが二コリとした。ハンドサインでブルネットちゃんを呼ぶ。何かかっこいいぞ。
うなずいてブルネットちゃんが降りてきた。
「ではお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「ケルビンだ」
「はい。ケルビン様。ではブルネットさん。ケルビン様を一日エスコートよろしくお願いします」
「はい。ケルビン様。ブルネットです。今日はゆっくり楽しみましょうね」
かかとの高い靴を履いているせいで俺より高い。175cm位に見える。
攻撃的な甘い香りのする女性だ。少し香水がきつい気がした。
だが臭くはない。俺はブルネットちゃんと腕を組んで部屋へと進んだ。
途中にある宿場町、ジュール、キューサイ、ハッサンの町に寄りながら行くつもりだ。軍資金はまだ十分にある。楽しみながらジュールを目指そう。
そう思ってはいたがすぐに飽きてきた。
一人で歩くと暇なのだ。やっぱりセリーを誘えば良かったか・・・・・・。
本当は何度も考えたのだ。「このまま一緒に旅をしようか」と言い出そうと。
セリーの気持ちも分かっていた。セリーも望んでいたはずだ。
だが俺は一人の女に落ち着くタイプじゃない。なんせ娼館が大好きなのだ。
まあ、これで良かったのだ。
街道を歩きながら自問自答を続けた。
呆れるほど天気の良い日だった。街道には馬車や歩いている旅人がチラホラいるせいで孤独感はない。皆も同じように歩いている。しかも荷物を背負っているのだ。
それに比べて俺は手ぶらだ。【絶対領域】ってありがたいな。
昼まではまだ少し時間がある。
俺は地図を見ながら今日の予定を考えていた。
ジュールの町は意外と近い。25km位だろうか。
一時間に4km歩くとして6.7時間あれば着く。
夕方までには到着しそうだな。
そう考えれば気が楽だ。町には娼館もあるだろう。うん。やはり今日も娼館だな。
考えただけでズボンが張り出して来た。いかん。今はいかん。
段々楽しくなってきたがあまり考えすぎると勃起してしまう。ドウドウ。落ち着け息子よ、まあ慌てるな。
昼になったので木陰で休憩して水を飲む。革袋から出したのだ。
屋台で買ったうどんの入った鍋を出す。
実は実験したのだが【絶対領域】では自分の自由になるので、うどんの鍋を豆に替え、時間を止めてみたのだ。
しばらくして元に戻すとあら不思議。そのままの状態に戻るのだ。
すごいぞ【絶対領域】まさに神の力だ。
そんなわけで熱々のうどんを鍋から器に入れていると、同じように休憩しようとする旅人が声をかけて来た。
「えらい物食べてるな。にーちゃん。アイテムボックスかい?いいな。俺達にも分けてくんねーか。もちろんお金は払うぜ」
冒険者PTのようだ。男三人に女の子二人だ。おっさん二人とおじいさん。グラマーな美人とスリムな美人だ。まあ、いいだろう。
「そうか。じゃあ。器があるなら一杯、5ドロルで良ければ分けてもいいぞ」
本当は3ドロル位だろうが現地割りましだ。
「ははは。ありがてえ。じゃあ。25ドロルな。いいや。30ドロルだ。これに入れてくれ」
おっさんたちが嬉しそうに器を出した。
器を預かり、うどんを入れてやった。もちろん美女は少し多めだ。鍋のうどんは、ほとんど無くなってしまった。
仕方ないので、俺の器に残りも入れて空っぽだ。
「ありがとよ。外でこんな熱々のうどんが食えるとは贅沢だ。余計に旨く感じるぜ」
「そうね。青空の下で食べるうどんは格別よ」
美女二人も喜んでいるのでいいだろう。
皆で世間話をしながらうどんを食べた。うん。熱々で旨い。
どうやら五人は移動中の冒険者でDランクPT【鉄の狩人】らしい。
これからジュールの町へ向かうようだ。
ジュールにもいい狩場があるそうだ。中級向けのダンジョンらしい。
「アイテムボックス持ちならサポーターとして来てくれねえか。一日銀貨一枚でどうだ」
リーダーのワオンさんが聞いてきた。
誘ってる本人は悪気はないのだ。100ドロルは普通、Eランク冒険者の日当だ。Fランクなら50ドロルが相場だろう。
サポーターというのは荷物持ちの事で、ダンジョンや塔などに潜る時に冒険者のお手伝いをする補助者の事だ。冒険者として独り立ちできない人がやる仕事なのだ。日当は30ドロルだったり歩合だったりするが100ドロルなら良心的だろう。まあ、アイテムボックスがあるからなのだろうが。
Dランク冒険者では一日300ドロルが基本だ。俺を雇うなら最低それがいる。
だが手ぶらで歩いてる布の服の15歳なら、まあFランクにしか見えないだろう。
「ははは。こう見えて俺もDランク冒険者なんだ。ほら」
と右手のごつい絶対領域を見せた。
「悪いー、そうか。いや、すまん。手ぶらで武器も持ってねーから……なんだ勘違いしたぜ」
「いや、そう見えるからしょうがないよ。まあ、そういうわけだ。おかげで楽しく食事ができた。美女は見るだけでもありがたい」
「ふふふ。ありがと。でもそんなに若いのにDランクなんてやるわね。しかもソロでしょ。強いのね」
グラマー美人のニーニャさんが感心した。
「まあ、苦労したからね(チート貰うまでは)」
雑談しながら一緒に歩いて行った。
同じDランクという事で楽しく会話できた。おかげであっという間にジュールの町へ到着した。
ジュールの町に入ってお互い手を振って別れた。
不思議なことに、グラマーなニーニャさんのおっぱいしか覚えていない。
それはともかく颯爽と歩いて娼館に向かった。
数軒並んでいるが、一番高そうな娼館を選ぶ。
ふむ。ここがいいだろう。
にこやかにボーイに挨拶しようとするが、疑いの目でこちらを見る。
「いらっしゃいませ。初めてのお客様ですね」
面倒なので、右手のごつい絶対領域を見せた。
すぐに態度が変わる。
「おおっようこそいらっしゃいました。どうぞこちらでございます」
にこやかに案内された。
《パレス》に入ると、中は白を基調とした宮殿のような作りだった。なるほど素晴らしい。
ロビーでは女の子がひな壇の上に座り、ズラリと10人は並んでいる。うむ。これまた素晴らしい。
俺はソファーに腰かけてじっくりと観察する。
全体的にステータルよりもあか抜けた感じがする。逆に言えば少しきつい目の娘が多いかな。
それもまたいいだろう。郷に入れば郷に入れろだ。
ボーイが近寄ってくる。
「どうでしょうか。うちの娘たちは」
「うん。素晴らしいな。あの金色の長い髪の娘がいいな」
グラマーな中にも気品のありそうな女の娘を選ぶ。白いドレスを着た王女様みたいな美女だ。
22.3歳に見える色白巨乳だ。背は高く、俺と同じ170cm位はありそうだ。
青い目をした綺麗な女性が優雅にお辞儀をした。
「ブルネットさんですね。お目が高い。当店はショートで220ドロル、ロングで580ドロルでございますが……」
「ロングで頼む」
「はい。ありがとうございます」
俺は銀貨六枚を出すとこう言った。
「釣りはいらない」
「ありがとうございます」
ボーイが二コリとした。ハンドサインでブルネットちゃんを呼ぶ。何かかっこいいぞ。
うなずいてブルネットちゃんが降りてきた。
「ではお名前を伺ってもよろしいでしょうか」
「ケルビンだ」
「はい。ケルビン様。ではブルネットさん。ケルビン様を一日エスコートよろしくお願いします」
「はい。ケルビン様。ブルネットです。今日はゆっくり楽しみましょうね」
かかとの高い靴を履いているせいで俺より高い。175cm位に見える。
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