【R18】黒のエリアマスター

shinko

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第一章 はじまりの町

2話 すげーぜ絶対領域

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 ボロボロの角砕け角ウサギを革袋に回収すると、俺は次の角ウサギを探した。

 雨なのに何匹でもいる。

 いつもは二匹同時に襲われない様に細心の注意を払うのだが、この能力ならもう怖い物はない。


 なんせ俺はチートマンなのだ。

 おかまいなしにガンガン突っ込んで行く。


 侵入者に気づいた角ウサギが、殺気を放ち生意気にもフェイントを交えて突っ込んでくる。


 だが関係ない。

「ナックルパーンチ!」

 ギャン。

「ナックルパーンチ!」

 ギャン。

「ナックルパーンチ!」

 ギャン。


 強ええええええ! 俺強えええええええ!


 ワンパンでアホみたいに角ウサギが吹っ飛んでいく。

 こいつはすげー。

 めっちゃ気持ちいい。


 ……今までの苦労はいったい何だったんだ。


 少し黄昏ながらも、調子に乗ってバンバン倒していたら、すぐに袋が一杯になってしまった。

 十匹くらいは取ったようだ。


 ……今日は旨いもん食って娼館にでも行くか。

 そう想像しただけですぐにズボンが張り出してしまった。


 自然と前傾姿勢になる。


「ふっ今日はこれ位にしておいてやる」


 誰もいないのだが言ってみたかったセリフを吐いて、満足すると町へと戻った。


 冒険者ギルドのカウンターに袋から獲物を出す。

 面倒なのでそのままドカッと出した。

「あら、ケルビンさん。すごいじゃないの。何このつぶれた大量の角ウサギは……それにいつもみたいに解体して無いのね」

 そう、いつもは一匹しか狩れないので、丁寧に解体して出していたのだ。

 もちろん解体料金節約のためだ。


「ああ、もう面倒だからな。多少安くなっても数が多いからいいだろう」

「まあ、口調までワイルドになって、何かあったのか・し・ら」


 色っぽいお姉さん受付嬢、モニカさんが上目遣いでこちらを見た。

 長い艶やかな藍色の髪を後ろでまとめてアップした色気ムンムンの美女。

 身長165cm位でグラマラスなFカップ、我がままボディーでいつも悩殺してくる。


 完全にお水の香りがする。

 なぜこの人が冒険者ギルドの受付なのだろうか。隣の飲み屋に居るべきじゃないのか?

 そんな疑問が頭をよぎるが、俺はひそかに憧れている恋している

 髪色と同じ、藍色の深い瞳で見つめられるとつい赤くなってしまうのだ。


 しかし、今日からは違う。

 俺はチートマンなのだ。


「いつまでもFランクにいるのは飽きたんだ。これからは少しだけ本気をだすぜ」


 恰好をつけてモニカさんに言う。しかしズボンが張ってきたので若干前かがみだ。


「あらっそうなの。うふふ。確かにこの成果は大した物ね。くちゃくちゃだからまあ、一匹三十ドロルで十匹分、三百ドロルかしら、じゃあ銀貨三枚獲得ね。おめでとう」


 モニカさんは嬉しそうに微笑んだ。

 銀貨三枚を俺の手のひらの上に置きながら、優しく両手でぎゅっと握ってくれた。


 うわっやわらけー!

 と同時にフワンっと甘ーい香りがした。

 下半身がビンビンになる。

 ああ、いい香りだ。


「モ、モニカさん……」

「ふふふ。Aランク超一流になれたらね。考えてあ・げ・る」


 モニカさんが思わせぶりに可愛くウインクする。

 うひょー!

 でもAランクかー。

 先がなげー話だな。


 まあ、いいだろう。

 とりあえず今日は娼館に決定だ。


 俺もついに男になる時が来たようだ。

 そう、高級娼館に出陣するのだ。

 俺は武者震いしながら銀貨三枚もする高級娼館(本当は中級)《気まぐれ》に向かった。


 ドキドキする。

 実は一度も入った事がないのだ。


 扉の前でボーイが立っている。

 ボーイだが俺より年上だ。

 だがひるまない。

 俺はチートマンなのだ。


 深呼吸し、胸を張り堂々と中に入ろうとする。

「お客様、失礼ですが、当店はショートでも銀貨1.2枚はいたしますが......」


 恰好を見て言われたのだろう。

 明らかに貧乏人に見えるのだ。


 隠しようも無いボロの目立つ、布の服を着た冒険者。

 オマケに武器は大銅貨5枚の《木の槍》だ。

 言われてもしょうがない。


 だがこれからは違う。

 俺は余裕の表情をしながらこう言った。


「ふふふ、これはあくまで護身用だ。メイン武器はこれなんだよ」


 さっと右手を出して、ごつく高そうに見える絶対領域ナックルを見せつける。

「おおおっ! 素晴らしい武器ですね。失礼いたしました。どうぞこちらへ」

 すぐに態度が変わったボーイに、内心ほっとしながらうなずいた。

「うむ。気つけをたまえ」

「へへ。どうも」

 照れるように頭をかくボーイに連れられて、丁寧に店内に案内された。


 中に入り案内されたソファーに座ると、すぐ目の前に女の子が三人いた。

 うひょおお。

 どの娘も可愛い上に、薄着でプリンプリンしている。

 素晴らしい。


「ではお客様、コースはショートとロングがございまして、ショートですと約二時間で銀貨1.2枚、ロングですとお泊りで銀貨三枚となっております。お食事は別途料金となっておりますがよろしいでしょうか」

 
 しまった! 食事代は別なのか。

 浮かれていたのでそこまで考えていなかった。


「しょっ食事はいくらかね」


 動揺を悟られないように話す。


「ええ、食事内容にもよりますが、通常の二食で大銅貨五枚50ドロルとなっております」

 
 高えー。

 まあ、ギリなんとかなるか。

 また明日角ウサギを狩ればいいからな。


「うむ、ではロングで。そう真ん中の娘がいいな、食事もその通常を頼むぞ」

「はい、ユサさんですね。お目が高い、女の子の食事も飲み物も別途になりますので、また御用があれば呼んでください。ではお客様、お名前を伺ってもよろしいでしょうか」

「ケルビンだ」

「ではケルビン様。銀貨三.五枚350ドロル頂いてもよろしいでしょうか」

「ああ」


 俺は余裕の振りをして、ほぼ全財産をボーイに渡した。


「はい、ありがとうございます。ではユサさん。ケルビン様をお願いします」


 真ん中にいたダイナマイトボディーの女の子が、うなずくとこっちへ歩いて来た。

 ショートな茶色い髪に茶色の瞳、身長は160cm位だろうか、むっちりしたEカップだ。

 ウエストはきちんと閉まっていてメリハリがあり、顔は可愛らしく優しいお姉さんタイプだ。


 最初はお姉さんタイプがいいだろう。


「ユサです。今日はゆっくり楽しみましょうね」


 微笑んで腕を組まれた。

 ホワーンと良い香りがする。

 むにゅ。

 腕に柔らかなおっぱいがひっつている。


 やわらけー!

 ごくり。


 これが今から一晩中俺の物……。

 俺はビンビンになって前かがみになりながら案内された部屋へと入った。 
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