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最終話
③
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ハヴィット研究所に帰還し、頼まれていた品々を献上した直後。
今日はこれで失礼します、の一言を残してジュイは退勤した。
…このまま職場に居ると──所長命令で──同僚達の手伝いや、最悪徹夜にまで付き合わされる可能性がある。故、逃亡した。
そんな意味もある退勤だったが。
1番の理由は、いつもより大分早い──客が少ない──時間に『波間の月影』へ行きたかったからだ。
「…どうも」
「今日は早いね。…いらっしゃい」
いつものようにレジ向こうで新聞を広げているマスターと、いつものように適当な挨拶を交わし。
いつも通りに店内を進んで、いつも通りに1番奥のカウンター席に座る。
いつもと同じく店内に流れるジャズ…ゆったりとしたピアノの音を心地良く思っていると。
「どーした。今日は早いな」
…いつも通り、カノハが接客をしに来てくれた。
そして、奴もいつも通りだ。いつも通り…シンプルで清潔感のある服装。姿勢が良い。酒を求めてやって来る友人に、まずは呆れの視線を向ける。
「…いつもどーり。適当に美味いの」
慣れ切っている故、奴の視線には怯みもせず。ジュイもいつも通りの注文をした。
応え、カノハは両手を腰へやる。大人しく作業を始めはしませんよ、と行動で伝えて来る。
「真昼間って言える時間は過ぎてるかもしれないが、まだ夕方にもなってない。こんな時間から酒浴びる気か」
「浴びる程、飲むつもり無いし。1杯だけだよ。今日の3時のオヤツを1杯のお酒にしようって思っただけ」
「…………なら、いーけど」
『呆れ』は一切消えていない所に、『諦め』が混ざったような声色で。「1杯以上は料金倍額な」などと言ってから。
カノハはこちらに背を向け、作業を始めた。
その背をぼーっと眺め、そのまま視線を泳がせ、思った通りこの時間は客が少ない事を確かめ。
(これならカノハも暇な時間…俺の話を聞いてくれる時間、ありそう…)
安心し、ジュイはそっと肩の力を抜いた。
…同時に。知らない間に──少しとは言え──こわばっていた己の肩に苦笑する。心中で「ダサい」と馬鹿にする。…「しっかりしろ」と鼓舞もしておいた。
「あの、1年だけ雇われてたらしいバイト君はもう居ないんだね」
1人で勝手にヘコみそうになってしまった気持ちを入れ替えるため、特に重要では無い話題をカノハの背中に投げてみた。
奴はシンプルに「ああ」と肯定だけ返して来る。
(確か。事情があって、ココの仕事に出れない日が増える店員が居る…とかで。穴埋めのために1年だけ雇われてたバイト君)
そのバイト君の顔がどんな顔だったかは、既に正解を出せなくなっているが。
『1年間、事情があって休みを増やしていた店員』が誰なのかは──自分は正解を知っているんだろうな、と…ジュイはぼんやり、そんな事を考えた。
「ほら、お待たせ」
そうこうしている内に。ジュイの眼前に、グラスが出された。
小声で礼を言って、グラスを持ち上げ1口飲む。舌に広がる酒の味と、全身に広がる小さな幸福感、両方をじっくり味わう。
「…………」
カウンターの上へグラスを戻せば、引っ張られるように視線がそちら──グラス──に向いた。
しかし、ジュイは直ぐ顔を上げる。本題に入ろうと、口を開く。…が。
「…なぁ、ジュイ」
先にカノハが発言権を奪って行った。
胸中で「クソ…」と呟きつつ、黙って続きを聞いてやる素振りを見せると。奴は僅かに眉を下げ、言い出し難そうな様子を見せた後。
「その、ビーズの。…腕輪さ。…大分、古くなってるし。オレが修理してやろうか…?」
と、申し出て来た。
「…そんな事、出来るの?」
思わず。即、芽生えた感想をそのまま言ってしまったが。カノハはただ頷く。
「オレのもちょっと、流石にボロくなって来ててな。石の所キレーに磨いたりとかして、直そうって思ってたんだ」
「…ついでに俺のもやってくれる、てコト?」
「ああ、ついでに。…1つも2つも変わらないからな」
素直に嬉しい話だ。
長年ただ放置していたせいで、ジュイの腕輪は本当に色褪せている。だが、今はコレを身に付けていたい。ボロいからという理由だけでは外したくなかった。
…綺麗にしてもらえるなら、本当に有り難い。
「じゃあ…お願いしようかな」
「分かった。…ソレ飲み終わって帰る前に、置いてけ」
雑に言いながら。カノハの顔には『安堵しています』と書かれているように見えた。…そういう時の笑顔だった。
もしかしたら奴は、ジュイがこの腕輪を付けるようになってから──ボロさを──気にしてくれていたのかもしれない。
気を遣わせて申し訳ないような。そもそも、このビーズの腕輪がただボロくなる道を辿ったのはカノハのせいだと…逆ギレしたいような。複雑な気分になったが。
(って。…そうじゃなくて)
ジュイは頭を切り替えた。
…カノハが自分を気にかけてくれていると確かめ、照れたり喜んだりしに来たのではないのだ。
「その、有り難い話は有り難くよろしくするとしてさ。…俺も聞いてもらいたい事があるんだけど、いい?」
「…『話を聞いて』と『頼みを聞いて』、どっちの意味の『聞いてもらいたい』だ?」
「どっちも」
「………………」
真顔で、思い切り眉を顰め。分かり易く身構え。しかし拒絶の空気は一切滲ませず。カノハは黙った。
…聞いてくれるらしい、と──絶対に間違っていない──判断をし。ジュイはまず、ストレートに告げる。
「もう結構、大分前にね。失恋した。って言うか、してた。ロウセンは絶対、俺じゃ無理って思い知ってた」
「…は? ……いや……は?」
それが予想外の変化球だったらしい。カノハは珍しく歪んだ表情を見せ、単純に驚いている。
だがジュイは、奴の頭が落ち着くのを待ちはせず。更に続ける。
「カノハに気ィ遣わせるのも悪いなーって黙ってたら、言うタイミング逃しまくってたけど。もうホントに結構、大分前」
「…それを急に今、言うか」
「そっちからしたら『急』だろうけど、俺的には新年度始まる前には言っとこーって思って今日なんだよ」
軽く握った拳を眉間に当てて、カノハが大きく溜め息を吐いた。
ジュイは一旦口を閉じ──座っている故──下から奴の様子を見る。何か言うか、まだ自分が喋っていいか、窺ってみる。
すると、奴は大袈裟に肩を落として見せ。
「…気を遣わせるとか何とか考えてないで、もう少し早く報告しろ。バカ」
…と。文句を寄越して来た。
案外──否、思っていた通り。『今、突然言われた』事には驚いていたが、『話の内容』…ジュイの失恋に対しては驚いていないようだ。
「で?」
文句に続いて、疑問符の付いた1文字。
何を問う「で」なのか悟り、また自分が続けたい話の内容がソレだったので。ジュイはしれっと答える。
「本当ぉ~に結構、時間も経ってるし。もうとっくに、マジで綺麗に完璧に、吹っ切ってる」
「…そーかよ」
「今日もロウセンと会って少し話したけど。改めて、しみじみ。いい友達だなー、とか。ロウセンとは結局、幼馴染の友達関係で居るのが1番ホッとするなー、とか。思った」
「……そっか」
…全て、心の底からそう思っている事だ。嘘偽りなど一切無い。
それが伝わったのか。ジュイがもう微塵もヘコんでいないと確信したのか。話してもらえた事に安心したのか。
「良かった」
カノハは小さな声で、独り言を言うかのような調子でそう零し、そっと微笑んだ。
対し、ジュイは「ん」と1文字だけを返す。手にある酒の2口目と3口目を喉へ流す。
「で。ココからは聞いて欲しい話じゃなくて、聞いて欲しい頼みなんだけど」
カノハが感じている──かもしれない──余韻などお構いなく、ジュイは迷わず諸々を切り替える。
微笑みを引っ込め、目を細め。おそらく意図的に呆れていますと顔で語りながら。
「…何だよ」
カノハは聞く意思を示してくれた。
「コレも直球で言うけど。…あぁ、でも。絶対に聞けって頼みじゃなくて。出来たら、だから」
「何だ。早く言え」
ほんの少し。ジュイの心臓が、緊張で動く速度を増し始めた。
誤魔化すために、4口目の酒──これまでの3口より多めの1口──を飲み込んでから。ジュイはしっかり、カノハと視線を合わせる。
「もう1回、セフレになって欲しい」
「……」
──ビィズが居なくなり、逃げ道が無くなり、ジュイだけで頑張る日々が始まってから。考えていたのだ。
カノハに良く思ってもらえるよう頑張る事を続ける、のとは別に。
そんなに急いで告白をする必要はあるだろうか。あるいは、カノハに告白させるよう動く必要はあるだろうか。
少しでも早く・今直ぐ・即刻、などと。自分はそんな風に、急いで『カノハの恋人』になりたいだろうか。
……「いいえ」。
ジュイの心が出した答はソレだった。
とりあえず。1番近くに、1番長く…居て。居てもらって。
これまで通り、お互い適当に扱えるような関係を続けながら少しずつ。自分の頑張りに、好意に、気付いて行ってもらいたい。
そして、気付いてもらえていると気付いた時にでも。世間話のような乗りで、軽く「好きだ」と伝えたい。
「前と同じでさ。…どっちかに別の好きな相手が出来るまでは、俺もオマエも他の奴の相手は一切しないって感じで」
そう。とにかく、まず、ソレだけが絶対の物として約束されていれば。
ゆっくりの方がいいとジュイは思ったのである。
「…相手の確保が面倒臭いって事か?」
やれやれ、と言った感じでカノハが尋ねて来た。
何と返答すべきか、少し迷い。僅かに不自然に思われるかもしれない──5秒程の──間を空けてしまってから。
「……まぁ」
ジュイの口は短い肯定を返す。
流れるように──今度は一切の間を空けず──早口で続ける。
「最初に行ったけど『出来たら』だから。嫌だったり無理だったりしたら、フツーに断ってよ。その場合は俺もフツーに引き下がるし」
嫌々付き合ってもらうのは、自分も嫌だから。と締め括れば。カノハがゆっくり、視線を明後日の方向へやった。
…どんな返事をするか、考えているらしい。大人しく待ちながら、ジュイは5口目の酒を飲む。
「今直ぐイエスかノーを返さなくてもいいんだろ? ちょっと時間寄越せ。…なるべく早く考えて連絡する」
「うん」
即ノーが返って来なかったなら、精神的なダメージは受けない。
考えてくれた末、イエスなら単純に嬉しい。ノーなら、仕方ない故──カノハと共にする時間を増やすための──違う方法を考えようと思える。
とにかく、今はこれで満足だ。
「あ、そうだ。もしオッケーしてくれるならさ。前とは違って今度は、基本的に俺がネコでいいよ」
「は?」
「1度限りのどーでもいい相手ならタチ譲るの嫌だけど。カノハなら、まぁ。カノハにカノハがやりたい方を譲ってやってもいいって思える気がする」
「……はぁ? 何言ってんだ、どうした? 変な物、口に入れでもしたか?」
「オマエが出してくれた酒しか入れてないよ、今は」
ほんの少し勇気を出して言ってみた、「オマエを特別扱いしてるよ」という意味合いの台詞だが。
カノハが思い切り動揺し、物凄く珍しく微妙に顔を赤くしたので……悪戯が成功したかのような、愉快さも含む嬉しさが芽生えた。
「じゃあ、酔ってんのか? …そんな弱い酒、そんな少量で」
「…っはは、かもね。もしくは、オマエとのセフレ関係が1回終わってから今日までの間に、俺が凄く成長して大人になったんだよ」
実際には、そういうワケでは全く無い。
以前、セックスフレンドという関係だった期間。100%の割合でタチに回るジュイに、カノハは「たまには変われ」と言って来ていた。
…つまり、カノハはジュイに対して──少し、だとしても──『抱きたい』と思っていた事になる。
ならば、その希望を尊重し、叶えてやろうと。…『彼』との一夜をネコ側で経験した上で、ジュイは思ったのだ。
「あとね」
訝し気にこちらを睨んでいるカノハに対し、笑顔を向け。
ジュイはもう1つ、考えていた…聞いて欲しい頼みを口にする。
「オッケーしてくれるなら、さ。……どこかに新しい部屋借りて、一緒に住まない?」
「──え…」
これは、単純に。カノハと共に居られる時間を滅茶苦茶増やせるから、が1番の理由ではあるが。
他にも細々とした理由がいくつかある故の提案だ。
「ほら。家が一緒なら、週1・2でやる時もいちいち連絡しなくていいし。オマエもさ。終わったら帰るとかしないで、そのまま寝れるし」
ソレが1つ。
「あと、夜に突然電話したり呼び出したりしなくてもソコに居るって感じになるし。オマエもそっちのが楽でしょ」
ソレも1つ。
「…まぁ、あと。最近、ちょっと…生活習慣の改善、ての考えてるんだけど」
「ほほう?」
「カノハっていう同居人が居たら、早起きもさせてもらえそうだし…夜更かしも減りそうだし…」
「家が一緒なら、オレが高頻度・近距離で小言くれてやれるもんな」
「それから…俺だけの家、じゃなければ…その。料理出来ない分、掃除とか洗濯…全部は無理でも少しは俺がやらなきゃって思えそうだし」
…ソレらが、1つ。
「朝食とか夕食が毎日美味しくなるし」
「……」
「近場にイイ感じのカフェとか食堂があれば、たまに一緒に行けるし」
「……」
「毎日一緒に電車乗って通勤するのも、1人で歩いて職場まで行くより気分明るくなりそうだし」
「…子供か」
ソレらも1つ。
…カノハと同居したい理由は、考えれば考える程溢れ出て来たのだ。
「あー…それにさ。布団代は安くなるよ」
「布団代? …何で」
「何でって、『セックスフレンド』て関係で同居するんだよ。…やるやらない関係無くさ」
そして、最後の1つが。
「毎日、一緒の布団で寝ればいいでしょ」
…コレだ。
寝室の机、引き出しの中に仕舞った…あの書き置きが、嘘でも社交辞令でもない本当の事なら。
カノハはきっと、喜んでくれるはずなのだ。
「…………」
カノハが黙った。
自分の──確実に『期待』が滲み出ているであろう──顔を隠したくて、ジュイはつい俯き気味になってしまったが。
直後に後悔する。これでは、見られない代わりに見れもしない。カノハが有りと思っているか、無しと思っているか、確かめられない。
「…もし、そうなったら」
しかし、そんなジュイの──自業自得な──困惑は。カノハが零した声の、柔らかさによって消え失せた。
「いよいよ本当に。毎朝、オレがお前の早起き手伝わされそーだな」
そろりと、チラリと、視線を上げる。
呆れ半分・嬉しさ半分…そんな雰囲気で笑う想い人が、そこに居る。
他では得られない、カノハと居る時はいつでも得られる──絶対的な安心感が、一気に全身を包んだような感覚がした。
「…そうだよ。カノハが起きて布団から出る時、ついでに俺のコト起こしてよ」
「って言うけど。オレの方がイイ夢見過ぎて、寝坊したらどーすんだ?」
「それは……喜んであげるよ。間抜けなトコが見れたーってね」
「嫌な奴だな、お前は」
「所長にも遅れた理由、そう言う。カノハが寝坊して起こしてくれませんでした。って」
「自分で起きましょうねーって返されるだけだろ」
「なんなら、そうなった日は2人で仕事サボって遊びにでも行く?」
「子供か。…いや。それが許されるのは本当の子供だけだ、バカ」
…いつも通りの軽い乗りで、いつも通り中身の無い雑談が始まった。
『恋人』と呼べる関係に、いつかはなりたいな…と思うジュイだが、しかし。
2人の関係を表す呼び方がどう変わっても、彼とのこの空気感は変わって欲しくない。…否、変わらないだろう。そんな気がする。
「…まー…でも、あれだな。本当にそういう事になったら、その時は…」
カノハが右手を口元へやった。
わざとらしく神妙な面持ちをして、わざとらしく悩んでいる風に見せて来る。
「まず、オレが──しっかり。…ちゃんと。よく。寝ないとな」
そして小さな笑みが零れ、溜め息が吐かれた。…安堵の意味に聞こえたそれが、手首にあるビーズの腕輪を微かに揺らす。
ここから和やかな空気を漂わせるのか、と思いきや。
「お前に遅刻させないために」
言って奴は「ふっ」と鼻で笑い、馬鹿を見るような目をこちらに向けて来た。
不快感は無い。…カノハがこんな表情で、こんな風に『甘える』相手は自分だけなのだと。嬉しくすらある。
「是非是非。俺のために…よく寝てよ」
──ジュイにとっては建前上の──セックスフレンドに戻る。兼、同居人として一緒に暮らす。
この提案に対するカノハの返答は、先刻告げられた通り『保留』である。
だが。これはおそらく、互いにとって良い話なのではないかと。即ち、良い返事が貰えるのではないかと。
…ジュイは勝手に、確信していた。
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