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7話
④
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中学時代は、小学時代よりも平和で穏やかだった。
…と言っても、周囲からのジュイに対するアレコレが無くなったわけではない。マシになった──カノハの例の発言より前と同程度…に戻った──だけだ。
しかしその程度なら最早、ジュイは気にならなくなっていた。本当に時々、ふと気に留まってイラッとしてしまうくらいで、基本的にはどうでも良く思えていた。
「あるのが当然、みたいに…慣れ切っていい物じゃないだろ。…陰口とか、軽い無視って」
カノハはそう言って眉を顰めていたが。
その頃のジュイには、他に気になる物・心や意識を割きたい物があったのだ。有象無象からの視線や言葉など本当に、気にしている場合では無かった。
カノハからの視線。カノハからの言葉。カノハに良く見られるか。カノハに良く言ってもらえるか。
…それだけが大事で、それだけが注力すべき物だった。
外見を褒められれば髪の手入れをし、肌の手入れをし。頭が良いと褒められれば夜を徹して勉強し。運動神経を褒められれば藁の人形相手に格闘技の腕を磨き。
とにかくカノハの事だけを考えて、初めての恋に常時胸を躍らせていた──今のジュイから見れば、馬鹿で青臭くて眩しい時代だった。
そんな中学時代に起こった、事件と呼べるような出来事は1つだけだ。
中学2年の秋。ジュイが、同じハヴィット孤児院で暮らしていた──当時──小学1年生の子…3人を殴り、大暴れしたのである。
中学校から帰ったジュイとカノハが自分達の部屋に戻った際。小学6年の夏から2人で世話をしていた犬が、死んでしまっていた。
…これが事の発端だ。
飼い始めて直ぐ、アオ院長に同伴してもらって病院には連れて行っていた。数年間、元気に過ごしていた。
だがやはり、拾った時点で大分身体が悪くなっていたのだろう。寿命が短くなってしまっていたのだろう。…犬には外傷等1つも無かったので、ジュイとカノハはそう判断した。
「仕方ないよな…。…短い間だったけど、楽しいって…幸せって、思ってもらえてたかな…」
言って、カノハは素直に諦めたように見せていたが。かなりのショックを受けている事をジュイは知っていた。気付いていた。
…と言うのも。カノハの両親も『そう』だったからだ。
カノハ本人だけが──学校に行っていたのか、友人と遊びに行っていたのか──外出していた間に。その日仕事が休みだったカノハの両親は家に居て……強盗しようと家に押し入った冒険者に殺された。
自分が見ていない所で、知らない間に、大切な存在が居なくなる。…この状況が、両親の時と同じで。古傷を抉られ、カノハは自分より何倍もダメージを負っているとジュイは分かっていた。
故、ジュイは必死で言葉を探し、選び、カノハを元気付ける側に回った。可愛がっていた犬が死んだ事は勿論、ジュイも悲しかったが。カノハの前では泣かなかった。カノハが居ない時、居ない場所で泣いた。
そうして2人で少しずつ立ち直って行っていた、ある日。孤児院の新入り…小学1年生の子、3人が。自分達2人に不安そうな…何かを窺うような目を向けていると気付いた。
彼らが孤児院に来てから、これまで。遊んだ事は1度も無い。話した事すら無い。廊下で、お互いが進行の妨げになって「あ」「…あぁ」ぐらいの意思疎通をした程度の3人だった。
「…………」
確証は何も無かった。
しかし、外傷は見られなかったが口元に吐いた跡が残っていた犬の遺体と。彼らの視線が。
『自分達が中学校へ行っている間に』『先に帰って来た彼らが』『何か、食べさせてはならない物を食べさせたのでは』──という疑惑を生んだ。
カノハも同じ疑惑を抱いたようだったが、奴は何もしなかった。ただ忌々しそうに、彼らの視線に応え、彼らを睨んでいただけだった。
故。ジュイはある日、意を決して彼らを殴った。確証は何も無かった。彼らは無実なのかもしれなかった。
だが、彼らが殴られながら「ごめんなさい」と言った事と。その日以降のカノハが、少しだけ明るい顔をしていた事で。ジュイは「やって良かった」と思ったのだ。
…アオ院長からの説教や、数日オヤツを抜かれた罰など。痛くも痒くもなかった。
◇
そして。唯一の事件以外は、ただただ平和で穏やかで…初恋に浮かれながら過ごせていた中学時代の終わりの日。つまり中学校の卒業式の日。
式の終了後、ジュイはカノハと共に──毎年、この時期に行われている──春の祭を見に行った。
色んな食べ物の屋台、見せ物の屋台、的当てやクジ等の簡単に遊べる屋台。
一通り楽しんで、そろそろ帰ろうかという時。2人の目に入ったのが子供向けの装飾品を売っている屋台だった。
「…これ、ちょっといいな」
そこでジュイが手に取った物が、ビーズの腕輪だ。
いや。屋台の店主が言うにはビーズではなく安物の魔法石なのだが。本当に微量の魔力しか含んでいない、本当に安物の石なので…──今も昔も──2人はビーズという事にしている。
…いや。ビーズでも魔法石でも、ジュイはどちらでも良かったのだ。
ジュイは魔法石が欲しかったわけではなく、ビーズが欲しかったわけでもなく、腕輪が欲しかったわけでもなく。
1番大きな石の色…カノハの目と同じ、明るい黄緑色が気に入って、手元に持っておきたくなったのだ。
「買おうかな。…安いし」
『かな』と言いつつ、買うと決め。ジュイがそれを手に取ると。
カノハも「オレもちょっと欲しい」と言いながら、色違いを手にしていた。
「…!」
奴が買った腕輪は、1番大きな石がジュイの目の色──淡いオレンジ色──だった事も。そもそも、色違いのお揃いを持つ事も。嬉しくて。
ジュイはその日「この腕輪は宝物にしよう」「大人になっても毎日、身に付けよう」と…1人で物凄く舞い上がっていた。
──しかし、翌日。
孤児院で、同じ年齢の子供達と会話をしていた時──正確には、カノハの後ろでカノハと彼らの会話を聞いていた時。
「…オレは絶対。一生。もう、新しく好きな相手は作らない。…もう誰の事も好きにならないって、決めてる」
カノハが、そう言ったのだ。
「と言うか…新しく好きな相手は作れない、好きになれない…と思う」
「…………」
どういう会話の流れでその発言が出たのかは、分からない。衝撃が大き過ぎて、頭にも心にも残っていない。忘れてしまった。
おそらくは、近々始まる高等学校での生活について…取り留めも無い雑談が行われていたのだろう。そこで、高等学校では彼女が欲しいだの恋人がどうだの、そちらの方向へ流れたのだろう。
ともかく。その発言が出た経緯は不明──且つどうでもいい事──だ。『カノハがそれを言った』という事実だけが、ジュイに関係や影響のある部分だった。
『好きな相手は作らない。作れない。誰の事も好きにならない。なれない』
ただ単純に。シンプルに。……ショックだった。物凄く、ショックだった。
元々。男から男への恋など、叶わない可能性が高い物だと理解はしていたが。この瞬間、99%叶わないと思っていた物が100%──以上──叶わない物になったのだ。
否。カノハならあるいは──と。ジュイは心のどこかで勝手に期待し、信じていた。99%叶わないと、思っているようで思っていなかった。アピールを続ければ叶うのではと無意識に考えていた。
それが、「無理」「絶対に叶わない」「困らせるだけの気持ち」と…現実を叩きつけられた。
「……」
冷水を、氷水を、全身に浴びせられたと錯覚し。血の気が引いたと言うよりも、体温が一気に奪い去られたような感覚が生じ。
手も足も指の先まで全く動かせなくなって、心臓だけが人生最速の速度で早鐘を打ち出した。
(絶対、気付かれちゃいけない。…違う、それだけじゃない。この気持ちを…持ち続けるのも、いけない)
この時。ジュイは思い知った。
自分にとって何よりも怖い出来事は、カノハの嫌いな物になる事だ。カノハに迷惑がられる存在になる事だ。
冷え切ったあげく小刻みに震え始めた体が、そう思い知らせて来た。
…ジュイの様子に気付いたカノハと、自分達の部屋に戻った後。
「軽い腹痛と吐き気と気持ち悪さがあるだけ、何か変な物を食べてしまったんだと思う」などと誤魔化して、ジュイはベッドに倒れ込んだ。
カノハはずっと側に居てくれて、今まで何度もそうしてくれたように今回も頭を撫でてくれていた。
「…こんな痛み。早く無くさなきゃ駄目なんだ…」
カノハに言っているのか、自分自身に言っているのか。…分からない言葉を零しながら。ジュイは枕に埋めた頭で己を説得した。
初恋は終わった。好きで居続けるのも駄目だ。そもそも男同士だ、最初から無理だったんだ、今更傷付くな。ただの友達、いや親友で十分過ぎるだろう。…と。
しかし…その枕に埋まった頭を撫でて来る手のせいで、説得は上手く行かないまま終わり。『初恋は終わった』の1文だけを飲み込む事しか、この時のジュイには出来なかった。
そして。前日に買った、お揃いのビーズの腕輪は机の上に放り投げられた。
…そして。今もまだ、捨てられはしないまま。色褪せ、机の上で転がっているのだ。
◇
高等学校での事件も1つだけだ。ロウセンとの再会である。
小・中は住んでいる所から最も近い学校へ通うよう決まっているが、高等学校は違う。──受験という物を経て──通う学校を自分で選べる。
つまり、示し合わせたわけでは決してないが、同じ学校を選んでいたのだ。
…そんな嬉しい偶然から始まった高校生活は──カノハとロウセンの2人と一緒に──3人で居るのが当たり前の毎日だった。
しかし。基本的に3人でつるんでいるという点は…小学3年の、春から秋までの約半年間と同じだったが。
他の点は三者三様に、細かく、あるいは大きく、違っていた。
ロウセンは、積極的に色んな仕事を引き受け、積極的に大勢と仲良くし、立派なルナクォーツの人間になるため様々な経験をしようとしていた。
ジュイはそんな彼を素直に尊敬すると同時に「努力が報われてほしいな」とも思っていた。
彼が中学時代の自分と似た様子──やたらソワソワしていたり、時々上の空な事があったり、特定の1人について嬉しそうに話したり──を見せても。好きな相手が出来たなら、これも報われてほしいと思っていた。
カノハは、小学校──あるいはそれ以前──からの付き合いだった友人達と離れた事をきっかけに、広く浅く主義ではなくなった。
否。誰に対しても笑顔を見せ、誰の事も嫌な気分にさせない所は変わっていなかったが。
ジュイとロウセン以外に対しては、少しだけドライになったように思えた。
そしてジュイは、変わった……と言うよりも、元に戻った。
初恋が終わった事により、己の顔や外見も再び嫌いなだけになった。周囲からの視線や陰口も、いちいち気になるようになった。
高等学校に入ったその日に、顔を隠すため、他人の視線を少しでも遮断するため、ゴツめの伊達眼鏡を買って、かけた。…余談だが、魔術や魔法薬や魔法装置の勉強に励んだせいで、眼鏡は直ぐ伊達ではなくなった。
…そして。ひたすら。ずっと。無くならない失恋の痛みに耐え続け、少しでも忘れようとし続けるだけの3年間だった。
これまでジュイは──特に他人に対して──しかめっ面がデフォルトな人間だった故。幸い、痛みに耐えている状態や表情を不自然に思われはしなかった。3年間、1人で密かに戦い続ける事に成功した。
卒業式の日。
ロウセンは一足先に──主人であるリュヌガーデン家の人々に卒業を伝えるため──帰ってしまったので。ジュイはカノハと2人、屋上からぼんやりと景色を見ていた。
「…俺さー…」
この頃のジュイは、大分。失恋の痛みを抑える事が出来るようになっていた。
カノハにとっての迷惑な存在になりたくない、嫌われたくない。それよりは、今まで通りの気安い友達の方が何倍もいい。それでいい。…これが心の底からの本音になっていた。
故。初恋を諦める『仕上げ』として、話しておこうと思ったのだ。
「最近、気付いたんだけど…」
まず。小さな嘘を挟み。
「生まれつき、男しか好きになれない男…みたい、なんだよね…。…多分」
このカミングアウトの直後、カノハがどんな顔をしていたのかは知らない。…確認する勇気がなかったのである。
ジュイはとにかく、『軽い悩みを話しているだけ』に聞こえる声を出そうと、そこにだけ気を払っていた。
「だから、何て言うか。この先の人生も色々…難しかったり、妥協しなきゃだったり…するんだろうなーって。卒業式に、未来が少し暗く見えてる」
ジュイの思惑通り、これは半分以上ただの世間話であると受け取ってくれたのか。
「…そうか」
返って来たカノハの声も、極めて普通の、軽い声だった。
「まぁ、何かあったら言えよ。聞いてやれる範囲の頼みなら、聞いてやるから」
あっさりとそう言って、「今既に何かあるのか?」などと尋ねて来たカノハに。ジュイは首を振る事しか出来なかった。「ありがと」とこれもまた軽く、礼を言うしか出来なかった。
…初恋を諦める『仕上げ』。そういう意味で話したつもりだったが。自分はカノハにどういうリアクションを求めていたのか、ジュイは今でも分からない。
「自分も男でも女でも気にしない」などと、希望を繋いで欲しかったのか。「有り得ない」と完全に拒絶して、終わらせて欲しかったのか。…分からない。
ジュイはただ、これまでの日常が続く嬉しさと、痛みを封じる作業を続けなければならない辛さ…両方が混じった、複雑な気持ちになったのだった。
◇
社会人になってから。つまりハヴィット研究所の研究員になってから。
ジュイは高等学校時代よりも目に見えて、初恋を忘れられるように──失恋の痛みを封印出来るように──なっていた。
卒業式にやった『仕上げ』が自身の心に効いたのだ、と。大きな安心感を得られていた。
山も谷も無い平坦な日々が、己の心中にも山や谷を作らないようにしてくれており…とにかく有り難かった。
そして、社会人になってから──直ぐ。
ジュイは不特定多数の冒険者と、一夜限りの関係を築くようになった。
愛や好意など、当然。誰に対しても皆無だ。全員、顔も名前も覚えていない…と言うか、覚える気すら無かった相手達である。
ただ、男という生物である以上どうしても溜まってしまう欲やらモノやらを発散し、処理するための相手。お互いその目的しか無い、そういう関係の相手達だった。
加えて。ジュイにとっての彼らは、自分以外にも男しか愛せない男、男にしか興味を持てない男が居るのだと。世界は広いと。小さな安心をくれた相手達でもあった。
が。真面目に仕事をしつつ、夜の相手を探して週に1・2回…冒険者に声をかける生活が2年程続いた頃。ジュイが20歳で迎えた春。
「色々、仕方ない所もあんだろーけど…。出来ればやめろよ、そういう生活。…危なかったり、するかもしれないんだからな」
カノハにそう咎められた。
成長するにつれ、奴も『冒険者にも善人と悪人が居る、全員が悪いわけではない』と理解し納得出来るようになって行っていたが。
それでも、冒険者に両親を殺された件から…カノハが冒険者に対して抱く印象は──今も──良い物ではない。
世界のあちこちから持って来た病気のような物を押し付けられるかも。一晩相手をすると言って、どこぞに連れ込まれ危害を加えられるかも。…と。心配して言ってくれたのだ。
分かっていたが、ジュイは唇を尖らせて不満を口にした。
「そうかもしれないけど。今、お前が言ったとーり仕方ないんだよ。男なんだから」
そして、「そんな事を言うなら、お前が発散・処理のための相手、いわゆるセックスフレンドにでもなってくれ」などと戯言を抜かしてみると。
…カノハはしばし考えた後、引き受けてくれたのである。
「お前かオレに好きな相手が出来るまで。って期限付きな」
物凄く軽い遣り取りで、物凄く軽く始まった、友達+セフレという関係だが。
ジュイが意識してそう振る舞っていたのもあり、本当に終始。これまで通りの、気安くて軽い関係だった。
事前も最中も事後も、甘い雰囲気になった事など1度も無く。事前も最中も事後も、『ソレ』とは全く関係の無い世間話が飛び交い。気の置けない友人同士という空気が壊れる気配は、兆しすら存在しなかった。
お陰で、この時点で封じ済みだった分の初恋のアレコレが復活を果たしたりもせず。ジュイはひたすら、カノハにワガママを言って過ごせていた。
…カノハが翌日朝早くから仕事だと、知っていても構わず行為を望んだり。
…基本はタチに回りたい、己の希望ばかり優先して──たまには変われと言われても──1度もネコには回らなかったり。
カノハは渋い顔をしながら、口では文句を言いながら。首を振る方向はいつも縦だった。…ジュイを甘やかしてくれていたのだ。
この、友達+セフレという気安くて軽い関係は3年程、続き。
初恋のアレコレ──失恋の痛み──を全て心の奥底に封印し、忘却に成功したジュイが、ロウセンに2度目の恋をする事で終わりを迎えた。
以降は、今年の春『変身の魔術』などという物を与えられるまで、平穏な毎日が続いていたのだ。
…発散や処理は1人でするか、時々また同類の冒険者を探すか…するようになったが。
仕事に取り組み。カノハの居るバーで飲み。ロウセンに、2度目の恋に、小さく胸を弾ませる。それだけの平穏な毎日が。
◇
(でも2度目の恋は、完璧過ぎるくらい完璧に終わった…)
暗い路地裏を抜け出して、ジュイはゆっくりと歩いている。
秋の夜は肌寒い。…それが良かったのだろう。頭も呼吸も、昔を思い出している間に落ち着いていた。
(…ロウセンへの恋は終わった、て。カノハに言ったら──やっぱり…)
やはり。「またセフレに戻ってくれ、と言われるかもしれない」…と思われるかもしれない。
そうして、カノハにとっての迷惑な存在になるのが嫌で。…ジュイは2度目の恋について、奴に報告出来ないでいるのだ。
(違う。…今はそんな事じゃなくて。これから、帰った後…)
自宅にはまだカノハが居るだろう。ジュイの帰りを待っているだろう。
…涙と鼻水でグシャグシャになっている件は適当に誤魔化せる。
「研究員全員で、アオ所長が作った『花粉症体験薬』の実験台にされていた」「この顔では行けないと思って今日は『波間の月影』にも行かなかった」とでも言えば通る話だ。
──問題は。
(帰った後…って言うか、むしろ。…これから。ずっと。…どうすればいいわけ…)
カノハの口から発せられた、ジュイが1番大事だという台詞をどう受け取ればいいのか。
どんな顔で何を思って、奴と接すればいいのか。
諸々を封じて仕舞っておいた箱のような何かを、引っ張り出され、こじ開けられ…そのせいで漏れ出て来てしまった物には、どう対処すればいいのか。
頭も呼吸も一旦落ち着けたとは言え、冷静になれたとは言え。未だ心中にある、最も大きな感情は『わけの分からない怒り』のままだ。
これも、どうやって消せばいいのか。
(本当に。…本っ気で…何1つ…!)
分からない。
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