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2:ループ9回目

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私は12歳まで、母と庶民として王都からかなり離れた町で暮らしていた

メイドだった母に手を付けた男爵、母は妾としてしばらく屋敷にいたが、不貞にうるさい高位貴族の正妻を貰うことになり追いだされた、その時私がお腹に居たことを母も追い出されてから気が付いた、誘惑してやっと手に入れた妾の座、失ったきらびやかな世界、恨み言を言い続ける母。
私には母に愛された記憶はない、そして貧しい生活だった

12歳の時、私の本当の父の代理だと言う人が私を迎えに来た、母は男爵に散々私のことを責任取れと手紙を出していたらしい、無視されていたが男爵家の長女と婦人が馬車の事故で亡くなり、政略結婚の駒として母と私は男爵家に引き取られることになった
政略結婚の駒として引き取られたと知ったのは学園を卒業間直の時期だった、貴族になって有頂天な私は、学園では高位貴族の令息に言い寄っていた
意図せず男爵の思う通りに動いていたようだった
男性は私の胸を寄せて腕に抱きつけば優しくしてくれた
スタイルと顔だけは自慢だった私

でも

王太子とその側近候補達、彼らには婚約者が居た

教科書などが入ったかばんを丸ごと噴水になげいれられた
乗馬服をずたずたに切り刻まれた
二階の窓から泥水が降ってきた
面と向かって頬をぶたれたこともある
相手は一人では無かったと思う、たぶん何人もの令嬢にやられた

それがなぜか全て王太子の婚約者の仕業になっていた
私はやられたことを王太子や令息達に報告はしたが、誰がやったかまでは言ってない
頬をぶった相手は言ったがほかの事は実際、誰にやられたか分からなかったからだ
頬をぶって来たのも、かの令嬢ではない、側近候補の侯爵令息の婚約者だった

私は王太子に仲良くしてもらってるのを自慢はしていた
でも婚約者に取って代わろうとは私は思っていなかった・・・
だが、父は違った・・・
決まっても居ないのに婚約者に取って代わったように言いふらしていた

庶民から貴族になって不安で、令嬢たちには遠巻きにされて、令息達は優しくしてくれたから
庶民の時はそれで貧乏ながらアクセサリーもつけることが出来ていたから
それが悪いことなんて教えては貰っていなかった

王太子と婚約者は仲むつまじいとは傍から見えなかったが実際は溺愛していたらしい

そこから私の不幸が始まったそして8回殺された
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