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1:盗賊が襲って来た
しおりを挟む修道院に送られる馬車を盗賊が襲って来た、今・まさに、脇腹を刺され絶対絶命の危機に居た
(あついあつい、傷口が熱い・・しぬの・・私、また死ぬの・・・・また?)
「けっ・・・ろくなもの積んでねえな」
「この女殺しちまうのか?」
「貴族なんて足ついたらやばいだろうが、殺しちまえ」
「おう」
男は剣を振りかざした
ぼそっ
「ファイヤーウォール」
アリアが小さい声で詠唱した
目の前の盗賊がゴーと火柱を上げて燃えていた
「なっなにが・・うあぁ」
先に犠牲になった御者と護衛も、倒れて動けなくなった馬と馬車も、そこに居た盗賊含め全て炎に包まれていった
炎が治まると真っ黒な灰の塊の物たち、男か女かも分からない黒い死体が転がっていた
「ハイヒール」
脇の傷が綺麗に治って行った
「荷物も燃やしちゃった・・・やっとやっと開放されたのね・・生きてる・・・・記憶があるのに生きてるわ」
土のついた手をにぎにぎして、自分を抱きしめて涙を流していた
「人を・・人を殺しちゃった・・・」
体を震わせてひたすら泣いた、しばらくすると遠くから馬の蹄の音が聞こえてきた
結構大きな炎だったから、きっと調査に来たのだろう
泣きながら街道を離れて森の方に向かって歩き出した
違う方向に魔獣の気配がした
「炎系の魔獣ね・・・偶然?とにかく離れないと」
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