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15:エミリオ3(出会い)

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山を下り、自分に浄化の魔法と異状解除を行い
フェルザン公国王都、元第二王子ルーナン・ヴァルデック公爵の屋敷前に来ていた。
夕方霧雨が降る中、外套を深く被って門に向かって歩いて居た。

後ろから音がして、馬車が横を通り過ぎると門の前に泊まり、御者が門を開けようと門番と話して居る時、
横から黒づくめの者達が現れ、門番と御者に切りかかった
「ちっ!厄介な」
咄嗟に魔法を使い吹き飛ばすエミリオ、魔法耐性の魔法具を持っていたらしいが、エミリオの桁違いの魔力に対応出来て居なかった、
もう一人が馬車に駆けより中から女性を引きずり出す
「きゃー、止めて!だれ!・・・はっ!ブライアン!大丈夫?」
こんな時でも倒れて居る御者を心配しているのに驚くエミリオ、
女性を掴んでいる黒づくめの背後に回り腕を剥がすと思いっきり殴り倒した
顎が砕けた音がした
「うげ!ごあ!ぎげ」
「何を言ってるのか分からないな」
女性を背後に匿い、炎の魔法を放つ
「風魔法に、炎の魔法」
「もう二人」
空から林の向こうに氷の槍が降り注ぐ
「無詠唱で、氷も」
黒ずくめの連中が空を飛んで門に集められる
「黒魔術・・・何この人・・・何者?」
「一応怪我は治しとくか・・・」
「光魔法に白魔術?訳分からない」

「このやろう!」
拘束が甘かったのか一人が剣を振りかざしてエミリオに向かって来る
キーン剣を受け止める
「なっ帯剣して居なかったのに・・・収納持ちか!」
「収納持ち珍しくないでしょうに、10人に一人は持てるはずだよ」
「なっそんなわけ」
「へぇ結構強いね」
なん歩か下がって再度切りかかる男、何度やっても剣はエミリオに届かない
「ここまでかな?いい加減投降しないか?ダメか・・・」
そう言うと数歩前に出るキーン!ザシュと剣ごと男をいとも簡単に切る
「ギャー」
男はそのまま動かなくなった
「歯向かわなければ殺さなかったのに」
動かなくなった男を見下ろしている。
屋敷から護衛が出てくる。

女性が手を震わせながら近づいて来る
「お助け頂きありがとうございました」
そうエミリオに言うと、
「お美しい方を守れて光栄です」
と紳士のお辞儀をした。
「わたくしは、この屋敷に住むフロライン・ヴァルデック・・・・公爵の娘です」
「私はA級冒険者のエディ、公爵様にお話がありこちらを訪ねて参りました」
「お父様を?」
「はい、お取り次ぎ願えませんでしょうか?」



その後、賊達は憲兵に連れて行かれたがその後、牢で殺されていた。
口封じされたようだった。



ヴァルデック公爵家の応接室に通されたエミリオは向かいに座るフロラインをじっと見ている。
「えっと、父はもうすぐ帰ってくると思いますので・・・」
顔を赤くしてもじもじしているフロライン
「綺麗だ・・・」
「え?」
どきんと心臓が鳴るフロライン
「綺麗な髪ですね、あなたの可愛らしいお顔がさらに映えて、美しさに磨きがかかっている」
「えーっと・・・」
「お母様と公爵の良いところを貰いましたね、精霊もお母様と同じ8精霊が揃っている、精霊魔法の訓練は?」

「・・・精霊が分かるのですか?」
「はい、私も8精霊を纏ってますので、小さい時から魔法の訓練はしてきました」
「うそ!8精霊持ちがそんなにい・要る訳が」
「そうですか?母に至っては9精霊ですよ、フロライン様のお母様も8精霊ですよね?」
「何故そのことをご存じなんですか?9精霊ってその方って・・・」
コンコンコン
応接室のドアがノックされて執事が入ってくる
「お嬢様、だんな様がお帰りになりました。」
「そう、お話は?」
「今日のことはもうお伝えしてあります。エディ様のことも合わせてお伝えしました」

しばらくして、公爵が応接室に入ってくる。40代とは思えない若々しい公爵はエミリオに近づき
「娘を助けていただきありがとう、是非お礼をさせてくれ」
「いえ、今日のことは気になさらず、いろいろ大変そうですね」
「・・・・どこかでお会いしたかな?懐かしさがあるのだが」

「正式に名乗らせていただきます。
現在Aクラス冒険者のエディとして行動しております、
グレーデリ皇国、第8王子、エミリオ・グロイスターと申します。」

「第8王子!?噂の」
公爵は驚愕の表情を見せた。
「どんな噂かは、知ってますが概ね噂どうりです公爵」

「本当に、”ベンデーソン国”を滅ぼした張本人ですの?」
「ええ、邪魔でしたので」
「邪魔って・・・」











ーーーーーーーーーーーーーーー
グレーデリ皇国執務室に、冒険に出た末の弟からの書簡を見て集まった執務官達は驚いていた

『王陛下、宰相殿、将軍殿
”ベンデーソン国”を滅ぼすのに、兵士2万お貸しください
同封した竜の魔石を資金によろしくお願いします』

「同封って・・・この1メートルの魔石のことか?時価、白金貨10000はするだろ、それにS級と思われる魔物の魔石が100個・・・国の1年分まかなえる量だぞ。エミリオは何をしているんだ?」

「邪神が居ると思われる場所を特定したと、連絡が来たと思えば次はこれ?会合をロウタンでしたいとも書いてあるな」

「こっちのは?」
別の書簡を2通広げる
一通目
『ガジェット国国王、メレニアム・ドビッシー
ベンデーソン国攻略了承した。
兵士1万、指揮官第2王子。
攻略後輪が国の国土取り分はベンデーソン国に奪われた土地のみで了承。
賠償金は我が国3貴国7で了承』
二通目
『カザルフ帝国皇帝、ネストル・ヴァシーリエヴィチ
貴国がベンデーソン国の制圧を黙認する、こちらに被害来ぬよう配慮願う』




ロウタンの町
「エミリオ!隣国の根回し済みで我々の意見無視か!?」
「すごいな、カザルフ帝国皇帝、ネストル・ヴァシーリエヴィチから黙認貰うなんて、エミリオはどうやったんだ?」
宰相(兄)の嘆きに対して、将軍(兄)がうきうきと関心していた
大佐(ウィリアム第3王子)がじっとエミリオを熱い目で見る
「父上と皇太子兄上は何と?」
「お前の思うとうりにすればいいと二人とも・・・ロゼッタ様が何も言わないのが気になるが」
「母上にも、思うようにやれと言われているので大丈夫ですよ」
「総指揮は、誰がする?」
「エミリオだろ!」
「出来たら私でお願いします。基本軍隊は飾りです本命は私の指揮下にある組織の者が行います」
そこに居る皆がぞくっと背筋が凍る感じがした
「エミリオの指揮下の者?何だそれは」
「まぁ、暗殺とか?脅しとか?色々裏の部分をしてくれる者たちです」
「エミリオ・・・そんなに黒かったか?」

何か悲しそうな顔をする兄達
「世界を救うためなら、鬼にもなりますよ」
「・・・肝心なことを聞いてない、邪魔な理由」
将軍が詰め寄る
「1つ、邪神の場所に行くのにあの国が邪魔をするから、
 2つ、王室が邪神信仰なんて馬鹿な考えを持っているから、
 3つ、国民が重税に苦しんでいるから
 4つ、わが国に侵攻する準備をしているから
 5つ、私があの国が嫌いだから・・・以上」

「・・・・邪神か・・・・」
「最後は私怨だよな・・・なにがあった」
「懇意にしていた冒険者を、理由も無く殺された・・・許さない・・・」

殺気があふれる
兄達は弟が得たい知れないような者になった気がしていた。
王宮に居た時は可愛くて、皆で可愛がっていた弟の変貌に憤りを覚えていた




軍隊同士の戦闘はあっけないものだった
圧勝、ベンデーソン国を囲むように配置された軍隊
逃げ場の無くなったベンデーソン国の兵士に上空から襲い掛かる
超級炎弾!
ベンデーソン国3万の兵は跡形も無くほとんどが消し炭になっていた、数百の生き残りは怪我人を置いて敗走散開していった。

見方の兵士達もその力に震え上がった

ベンデーソン国王都では闇ギルド所属の精鋭の暗殺集団が次々に王家の人間を拘束または殺害していき
軍が王都に着くとなんの抵抗も無く王都を陥落した。

軍隊には略奪、暴行を禁止を言い渡した
誰も逆らう者は居なかった。

ベンデーソン国の宝物庫を家探しする二人の男
エミリオとウィリアム
「これか?」
ウィリアムが書簡の入った古い箱を発見した
駆けよるエミリオ、所管の1つをそっと開く
「邪神討伐時の記録古代語(日本語)か・・・よかった~在って・・・兄上?」
後ろから抱きつくウィリアム





「あれ?ウィリアムは?」
将軍聞く
「しばらくしたら来るんじゃない?」
じとっとエミリオを見る将軍
「聞いていいか?」
「?なんですか?」
「懇意にして居た冒険者って男か?」
「?・・・いえ女性です・・内縁関係でした」
「そうか・・・」

内緒の兄たちの会話
「ウィリアムが戻ってきたら顔を赤くして、歩き方が可笑しかったんだ」
「エミリオのことそういう意味で好きだよなウィリアムって」
「そうだ、でも殺されたのは内縁関係の女性だそうだし・・・」
「まさか・・・エミリオって両刀・・・」
兄たちのエミリオを見る目が違ってきていた

「私たちの天使が・・・・真っ黒なケダモノに・・・」
嘆いて居たら

「兄上、このたびはご尽力ありがとうございました」
満面の笑みで兄たちを見た

「やっぱ天使だ」
「?」







「兄上、着いて来てはダメです」
「しかし、危険・・・」
手を出してウィリアムの言葉を止める
「普通の人間がいける所ではありません、兄上達にはこの国の制定と復旧に専念してください」
「しかし」
「兄上!8精霊持ちじゃないと近づけない、そう書いてあってでしょう?」
「1ヶ月は最低でもかかると思います、落ち着いたら国に皆で帰ってください、私の事は心配いりませんから」
そう言ううとエミリオは邪神の居ると思われる区域の森林に消えた

3ヶ月後、発見した邪神の様子を書簡にしたため国に送ると
フェルザン公国王都、元第二王子ルーナン・ヴァルデック公爵の屋敷に向かったのだった。






ーーーーーーーーーーーーー

唖然とするルーナン・ヴァルデック公爵とフロラインと執事
「何と申された!ジョアンナが生きていると?」
「はい、生きていると言ううか、仮死状態でしょうか?」
「お母様・・・」
口を覆い涙ぐむフロライン

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