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しおりを挟む「と・とりあえず王位継承の話に私らも加わるわよ、だれが王になるかよね」
「次期王はロバート様です、これは決定事項です」
「何を言ううのよ、私は長女よ、王位継承権一位でしょう」
「はぁ・・・グリエラ様あなたはもう王族でもありません、嫁いだ時にこの国の国民ですらなくなっております」
「帰って来たのだから元に戻るのが当たり前でしょう」
「そう言った法律はありません復帰することはありません」
宰相が言うが納得していない様子だった
「一応女伯爵の地位は王の指示で与えられておりますが、王女に戻ったわけではありません」
「お姉さまは国外に嫁がれたからそうだけど私達には」
「継承権はありませんよ、お三方とも嫁がれるときに継承権放棄の手続きをされております、離婚されてもそれが戻ることはありません、それを言われるのでしたら王位継承権復帰出来るのなら王弟のグランバート辺境伯が継承権1位になります」
苦虫をつぶした様な顔をしている姉達だった
「そもそもさぁ・・・素行の悪さで離婚されるような人間に王が強まるわけないだろ」
「ロバート、私達は何も悪くないわ」
「侍女をことあるごとに叩く、兵士に色目を使う、わいろを受け取るお金を湯水のように使う、3人が3人とも同じような理由で離婚とは、王家に恥をかかせてさらに王位の簒奪を狙うとは・・・衛兵、3人を捕らえろ国家反逆罪だ」
ロバートが叫ぶとぞろぞろと兵士が入ってきて3人を拘束した
「痛い痛い、放しなさいよ」
「反逆なんて考えてないわ、ちょっとやめなさいよ」
「お父様、やめさせてよ」
王は真っ青だった、エリザベートがレベル2の威圧で抑え込んでいたからだった、言葉も発せないくらいの恐怖に苛まれていた
「どうなされるおつもりですかロバート様」
宰相が聞いた
「父上と母上は南の離宮で隠居、姉たちは離宮近くの棟に幽閉かな、どう思う法務大臣」
「王家直轄領の北の離宮には先王陛下がご健在ですし、南の離宮なら健やかに過ごせるでしょう、お三方の罪状はこの議会の面々の承認があれば決定ですので、元王女ということも含めロバート様の意見が妥当と思われます」
後ろでうな垂れている王は気力が無くなっていた。
王家直轄領は広い、何人かの男爵、子爵伯爵が領主として町を統括しているが先の断罪で総入れ替えになっている、南の離宮は砂漠の中にあり、離宮の周りは湖もあり過ごしやすいが、隣町に行くのは普通の人間には大変だった、モンスターもでる砂漠があるからだった。
その点、北の離宮はかなり寒いが町は近くて他の町にも出やすい、先王は女癖は悪かったが、街道の整備やモンスター退治の依頼システムの構築、治水にも力を注いだ。女癖以外はそこそこ評判はよかった。その反面現王は税金を上げそれを湯水のように使い(主に王妃と娘たち)政も碌にしない愚王と言われていた。
現王を受け入れてくれる離宮のある町が無かったのだ。西と東は猛反発、税金をかなり上げられ苦労したので、受け入れることを市民に猛反対されたのだった。
落ちた王家の威厳はロバートの功績により数年前から上がっている
半年後
うあぁー
歓声が王都に響き渡っている
教会の鐘が鳴り響く
王冠をロバートの頭に乗せるのは先王、王は部屋にこもりきりになり出てこなくなっていた
「ロバートよこの国をよろしく頼む(女の事なら相談に乗るぞ)ぼそっ」
「はい、先王陛下(私は妻一筋ですのでご心配無用)」
「(我の子とはとも思えんな・・・はははっ)」
「・・・知っておられたのですか」
「まあな」
「あの陛下の侍従の方は・・・似てますね」
付き添いの侍従が先王に似ていることに気が付いた
数日お祭り騒ぎが続いた
戴冠式の後、侍従の事を聞いてみた
「あれ(妻)には内緒じゃ、わが子はかわいいんじゃよ。グランバート卿の所にも潜り込ませておる、あれは武芸に優れておるからなグランバート卿の役にたつじゃろて」
にやにやとロバートを見つめる先王
「まさか・・・」
「あいつ(王)には何度もチャンスをやったんだがな・・・最初から最後まで期待を裏切ってくれたよ」
「私が生まれたのは」
「期待以上だ」
「どこまで計算してたんですか」
「計算なんぞしておらんよ、国が滅びても良いって思っとったからな、殺されそうに何度もなったから、いい加減見限るわい」
「・・・ちゃんと話したことありませんでしたね」
「そうじゃな、また何時でも離宮に遊びに来い、ぜひ孫と一緒にな」
「はい」
先王はエリザベートを見て悲しそうな顔をした
「エリザベート・・・あなたには本当に申し訳なかった、隣国に長期滞在中にあいつがとんでもないことを・・・本当に」
『主の父君、私はその令嬢ではない』
「そうじゃな・・・そうじゃな・・・」
ロバート王は賢君として名を馳せた
そしてその横には常に愛妻のリリアナと魔人エリザベートが居た
「私は?」(ヘイゼル)
居たなそういえば
「ロバート様~」
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