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しおりを挟む『誰から殺りますか?』
そう魔人のエリザベートが背中の槍を手にもって冷たい声で王子に言う
「さすがだね、私のわずかな殺気に気が付くなんて」
「ちょっと物騒なこと言わないでくださいよ、スプラッタ苦手なんですから」
「殺すのはだめだって言わないのだな」
「えー僕が止めても殺すでしょう?でも悪人しか殺さないじゃぁないですか、僕の前ではやめてくださいってことです」
「エリザベートって人を殺したことあるの?」
『前の主人は異世界の王でしたので、戦争で何万人も殺しておりますが、それが何か』
「へ・・へぇ・・・エリザベートって何歳なの」
『魔人に年齢はありません、大体でよろしければ魔人になって1000年くらいですね、精霊界では若い方です、そちらのフェンリル殿の方が歳で言えば年上です』
フェンリルをもふる、ヘイゼルを見て言った
「人型だと契約者以外にも召喚獣の声が聞こえるんだね」
『いえ、本来なら理解できません魔人語は特殊なので、なぜかこの国の言葉を知っているので、それを使っているからだと思います』
「フェンリルがヘイゼルには人がしゃべっているように聞こえるが、私にはガウガウってしか聞こえないのと一緒ってことか」
『ファリゴフィッガ(魔人語です)』
「何言ってるかわからない」
「私は分かったな」
「すごいです!発見ですおもしろい~」
「興奮するなヘイゼル。おちつけ」
「人型の召喚獣は珍しいですからね、新しい発見ですよ」
興奮して、会場のざわめきが聞こえないヘイゼルだった
退場のアナウンスが流れる
会場を出ようと歩き出したロバートは思い出したように
「父上~!やりましたSSランクです」
ロバートは貴賓席の方を向いて大きく手を振って王を見た
それに追随して魔人エリザベートも王を見る
その無表情で冷たい瞳は王を睨んでいるようだった
「ひっ・・・」
王のかすかな悲鳴は学園長のみが聞いた
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