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天王寺の変 九の章

侮王凡焉 肆 その6

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日本橋ではしゃぐ、アイパッチの男が居た。
言わずと知れた、単眼モノアイ
まゆらと糸が訪れた部屋に、今も居る。

 「いや~、情報通り計画通りで思い通り」

モニターだらけの狭い部屋に、他に三人の男が居た。
映し出されているのは、天王寺小学校のグランド。

 「今回はめっちゃえのん撮れたわ。
  ジブンらついてるな」

映像をメモリースティックにコピー。
椅子ごと振り返るモノアイ。 

右に立つ男がiPhoneの画面を、モノアイへ向ける。
エンターキーをタッチ。

画面に映し出されたバーが左から右へと緑色に変わって行く。
そしてそれに合わせて、表示される数字が比例して大きくなっていく。
コマンドの、進行状況を確認する画面だ。
数字が、100%と表示。

 「振り込んだぞ」
 「おおきに。ほな、コレ」

モノアイがメモリースティックを差し出す。
iPhoneの画面を見せていた男が、メモリースティックを受け取ろうと手を伸ばす。

 「?」

男が持っても、モノアイは離さない。
小さなメモリースティックの引っ張り合いになる。
男が怪訝けげん表情かおになった。

 「何を、、、?」

わらうモノアイ。
残りの二人が、モノアイの波動に反応して自分たちも攻撃の意思を乗せ、波動を纏った。
この狭い部屋で、異なるEG波が畝り出した。

 「なぁなぁ、ちょっと聞きたいねんけどな。
  って、どんなEG使いが居るん?」
 「?!」

この恐ろしく攻撃的な波動で、よくこんなおチャラけたセリフが口から出るなと感心するのと同時に、素性を隠してモノアイに接触していたハズの三人は、驚き、互いの顔を見合った。

 「ちょっとぐらい教えてくれてもええやん。
  東京もんは、冷たいなぁ」

モノアイのペースに巻き込まれるのを嫌ったか、後ろの男が波動を上げた。

 「約束の金は振り込んだんだ。手を離せ」
 「はいはい。冗談の通じひん人らやな~」

手前の男がメモリースティックを受け取ると、同じ間隔で三人の男がゆっくりと後ろに退がる。
視線は、モノアイから外さない。
最後の瞬間まで、警戒を解くことなく部屋を出て行った。

 「ビビり過ぎ~」

出て行った三人に聞こえるように、大きな独り言を放つモノアイだった。

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