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天王寺の変 九の章
侮王凡焉 参 その25
しおりを挟む力の差をまざまざと見せられ、動けなくなったエーラン。
京弁天は、楽しそうに話し掛けてくる。
「ほ~。アンタもウチと同じ風属性なんか。
EG使いでも、属性くらい解かるよな?」
知ってる。
自分の属性くらい、知ってる。
「しゃあから、ブーメランフック使っとんねん!」
まるで小学生が、大人に意地を張ってるような物言いだった。
京弁天が、優しく嗤い掛けてきた。
「同じ属性のよしみや、、、」
光る。
真横から雷が、、、?
「、、、ご自慢の、その腕一本で勘弁したるわ」
「え、、、?」
横殴りに、バットで思い切り殴られた感覚。
そのまま無様に、なんの抵抗も出来ずに地面に倒れた。
血の気が、引いていく。
感じた事の無い感覚が、エーランの体温を奪い取る。
不意に自分の、なにかのバランスが崩れた。
(何や?????
身体が仰向けになる。
血の気と同時に、力が身体から抜けていくのを感じた。
見上げる宙に、細くしなやかな腕が舞っていた。
(誰の、、、?
事態が呑み込めない。
「えみりぃぃいいいい!!!!」
叫んでる。
(誰が?
ぱるの声だった、、、。
ぱるは、何で叫んでるんだろうと思った。
「えみり! えみり!!」
(何で泣いてんや?
、、、あれ、、、?
なんか、、、真っ暗に、、、
そこで、エーランの意識が途切れた。
「嫌や! えみり!」
泣き叫びながら、エーランの肘から先が無くなった左腕、そこから流れる血を、必死で止めようとしていた。
涙を拭くのも忘れて抑えるが、土台無理。
そんなぱるるに、京弁天が声を掛けた。
「早う結界出て救急車呼ばんと、
出血でその嬢ちゃん死ぬで。
助けてもらった生命は、そういう事に使い」
二胴女に腹を蹴られて、地獄の苦しみを味わってるサイラーが、、、。
血まみれながら、眼を見開くモータルフラワーが、、、。
任務をなんとか遂行しようとする楓が、、、。
あとさき考えずに撃ちまくるルネが、、、。
その女から、眼が離せない。
結界内最強の使い手。
弁天町の、京弁天。
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