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天王寺の変 九の章

侮王凡焉 参 その17

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まゆらの左側では、地べたに座り込んで足をプラプラさせている五右脚女いつくめと、エーランと近接戦闘で盛り上がってる六左脚女りさきめ

その横で天蓋妃てんがいきの脅威を躱しながら、えてったらかしにしている一頭女ひとめ

後ろには、でみょ~ちんを放さず、軍隊蟻を喰い続ける四左腕女よさのめ

その前に、泣きそうなあげまんちゃんを仕留める動作に入る三右腕女みょうめ

七腰女あさよめは気絶している男の上で、下半身だけの身体でまだ腰を振っていた。

 (コイツらマジで、何やってんの

まゆらの顳顬こめかみで、プチっ、、、と音がした。
キレた音。

 「アカンえぇ!」

糸の言葉が、届かない。
まゆらの氣が高度に練り上げられ高質な想念に変換されて放出された時には、渦を四つ創っていた。
それぞれ色を持つ渦は、揃って舞い上がる。
上空で、一つに束ねられた。

 「まゆらちゃん!」

必死に叫ぶ糸。
左掌の主導権を奪って少しでも冷静さを取り戻させようとするが、マジで集中し出したまゆらから意識を奪うのはほぼ無理。

 「まゆらちゃん!!」

四大素子を高速で回転させれば、何が出来るか?
それを知ってる糸は、必死に止める。

 「こんなとこでら、
  全員、、、」

ダメだ、、、。
もう、止められない。
糸がそう思った時、荒れ狂う混沌の中でその声が聞こえた。

 「そんくらいにしとき」

叫んでもいない。
大きもくない。

語りかけられたような優しい音量なのに、怒号と悲鳴が止まないこの場所で、ハッキリ聞こえた。

 (?!

集中していたまゆらが、聞き覚えのある声に動揺した。

声の方を見た。
その姿を一目見ただけで、まゆらは動揺した。

 (、、、あ!

止めたつもりの念が、暴走を始める。
途中で術式を破棄した形になったので、それまでに凝縮された術式の念が、意図せぬ形に膨らむ。

 (くっ、、、!

コントロール出来なくなっていた。
それより声の主が気になった。
そしたら、爆発が起こった。

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