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天王寺の変 九の章

侮王凡焉 弐 その1

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それを目の前で、ハッキリ見た。
手下の拳が消え、惰性だせいで伸ばした腕が手首から肘に向かって
さらには、前掛りの体勢でぶつかった頭の三分の一が、あっけなく消された。
間違いない。
あんな能力を使えるのは、しか居ない。

モノアイ。
あの能力は、モノアイのデリート。

 (それ以外、考えられない、、、

そう考える山口の推測は、当たってる。
デュラルがどれだけ有名な式だとしても、デリートは使えない。
デリートみたいなイカサマチックな能力は、モノアイ以外に考えられない。
どうしてデュラルがデリートを使えたのか?
あの黒い球体だ。

 (

元々モノアイとレプリックはコンビとしても有名だし、ツルんでいて不思議はない。
何らかの方法でレプリックの式に、モノアイの能力を付加させた。
それがあの黒い球体。

 (ほんなら、持って来た女は誰や?

山口は知っている女の顔を次々に頭に浮かべたが、ピンとくる女は居ない。
モノアイに、踊らされてるのか?
佳穂のボロボロさを見て、そう思った。

 (か、、、

自嘲。
仲間になったんちゃうんか?!
頼って来たんちゃうんか?!
そう思っても現実にはデュラルによって、手下が殺された。
下手すりゃ、自分だったかもしれないシチュエーションだ。

 (わざわざこんな舞台作らせといて、何を狙っとんのや?
  今まで協力したのに、それでもオレはか?!

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