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天王寺の変 九の章

侮王凡焉 壱 その7

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キースはさらに思う。
爆発的な波動に引きつられ、駆け足でやって来て良かったと。

これは、this is SYURABA修羅場だ。
キースの顔が赤くなる。
マークははしゃぐ。
ジョシュは笑顔。
武藤は、、、まだ来ていない。

 「これは何だろう? キース、解る?」
 「解る訳無いだろう。
  でもEG使い同士が揉めているようだ。
  日本語にあった、SYURABAだ!」
 「ワオ! シュラバ! シュラバシュバラシイ!」

一人、異質な波動を放つ少女が居た。
キースの眼が釘付けになる。
マークは気付いて無いが、ジョシュもそれに眼が行く。

まとっているのは、EG波ではない。
もっとなモノ。
、、、に近い。

 「あれは、、、」

キースが口ごもるのを、ジョシュが引き取る。

 「大司教パワーでは無いぞ。
  枢機卿、、、いや、教皇レベルの、、、」
 「違う!」

ジョシュの言葉を、キースが強くさえぎる。
そして、にらんだ。

 「それは無い。そんな事は無い」
 「どうしたの? キース、、、」

二人ほどはまだ、遠目から波動のレベルを測れないマークが、何か二人がケンカしてると心配そうに交互に見ながら声を掛ける。
キースの顔は、赤いままだ。

 「絶対にない。
  黄色イエローが私たちより優れたパワーなど、、、
  ましてや教皇様と同じパワーなど、有り得ない!
  崇高なが、なのだから」

眼が、常軌を逸して来た。

 「だが、あれを目の前にしてどうする?」

確かにジョシュの言う通りだ。
眼の前の少女は、今まで感じた事の無いパワーを秘めている。

 「駆除するまでだ」

キースの波動が激しくなると、マークは興奮して笑顔が消せなくなっていた。

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