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天王寺の変 八の章
獣衆無慚 肆 その7
しおりを挟む「あ~ら何でっしゃろかね~」
「何かって、なに?」
同時に二つの言葉が聞こえたのに、みょ~ちんは気持ち悪さを感じた。
(コレや、さっきからキモいのんは!
二重人格? ちゃうなぁ。何や?
と考えるが、、、。
それよりも身体が動かない。
それよりもあげが心配。
「うっぎゃ~~~~!」
突然叫び出したあげまんちゃん。
「どした?」
叫び声と同時に立ち上がって、バタバタ身体をゆすり出したと思ったら走って行った。
「え、、、?」
それを呆然と見つめるみょ~ちん。
「足から血ぃ出てんのに、、、走ってった」
「あぁいうのんは、お嫌いやったみたいやね~w」
ムカつくエセ京都弁。
視線をまゆらに戻し、睨む。
「あげに、何したんや?」
聞かれても、答える暇はない。
まゆらの背に、突然エレクトリック・ゴーストの鬼が出現。
涎を垂らした、顔が一・五メートルで身体が七〇センチのその鬼は、まゆらを齧ろうと口を開けながら倒れ込んで来る。
「ななな~んて、出来損ないな術式でっしゃろ」
糸の呆れ声。
まゆらが二本指を立てると白く光る剣が生えて、巨大顔面の鬼を両断。
みょ~ちんに一瞥。
何か言って来るんじゃないかな? と思ったまゆら。
でもその行動がみょ~ちんには、『どや?』っていう絵に描いたようなドヤ顔になっていた。
(まゆらムカつく! シバく!
あ、何も言わんねや。とスタスタ歩き出す。
それがまたみょ~ちんの眼には、スカした態度に映った。
(なにスカしとんねん! シバく!
二人の思惑はすれ違いのまま、まゆらの足が向かうは天王寺。
「そそ。こんなとこ居っても何の得にも
ならへんさかい、さっさと片付けて、
早うサイラーさんとこ行って終わらしまひょ」
糸の言う通り、しつこい懸賞金狙いのEG使いは本気で相手になんかしてられない。
この状況を打破する一番の手は、サイラーからドクターを解放させること。
させたらとっととトンズラーが一番。
なのだが次から次と出てくる出てくる。
ええ加減、まゆらもキレて来た。
「オマエら“G”か!」
叫んだのは、天王寺小学校の前。
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