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天王寺の変 七の章

我欲動偽 弐 その7

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野球で言う二刀流。
確かに凄いが、ではない。
投げる場面と、打つ場面はだ。

ピッチャーで投げていても、

その時は、一つの役割をしているに過ぎない。
つまり、では無い。

まゆらのしている事は、

状態。



この理屈を術者は解っているから、まゆらを見た者は自分の眼を疑う。
そして、同じ疑問にぶち当たる。
李楠も、その疑問にぶち当たっている。

 (どうやって二つ同時に唱えた?!

疑問は、まだある。
それだけ複雑な事をしながら、男たちを相手に格闘戦にも対応している。

しかも、五人対一人、、、。

 「見ろ!」

不意に駱嘉が、李楠にまゆらを見ろと言う。
いやいやさっきから凝視してるしとツッコミたくなったが、駱嘉のトーンがあまりにも真剣だったのでそれは言わなかった。

 (まだ何か驚かされるのか?

見るとまゆらは、左腕を伸ばしていた。

 「何だ?」
 「あの腕の先から、恐ろしいほどのEG波が
  波を打ち始めている」

観える駱嘉には、EG波の波がよく解かるのだろう。

 「また違う種類の術を構築している、、、!」
 「マジでヤバいJKだな」

李楠がそう言った時、白パーカーの叫び声が聞こえた。

 「俺のチームに、何したぁ?!」

が、ほぼ同時に駱嘉がイケボで呟く。

 「EG波が光った。だ」

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