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天王寺の変 六の章
策略謀略 伍 その3
しおりを挟む追い詰められていた。
同じ攻撃を、同じように、飽きもせずに繰り返してくる。
時々、笑い声さえ上げる。
人としてどうなんだ? ってヤツらに、追い込まれている。
前衛で西下が近藤と肉弾戦を繰り広げると、その最中にパチッ、パチッっと、動きを僅かだが妨げる地味な攻撃を受ける。
地味だけど、かなり効く。
元空手家と元柔道家の攻防中に、捕まえたと思ったらパチッっとやられ、反射的に身構えてしまうところに打撃をくらう。
イライラする。
素早さとパンチに関しては、確かに近藤の方が上だが、捕まえてしまえば一瞬で落とせる。
その自信は、満々にある。
打撃を繰り出す近藤にカウンターで合わせ、西下がその太い腕を伸ばして捕まえに行くと、パチッ、、、とやられる。
これを何度繰り返された事か。
捕まえさえすれば、勝てる。
こんなチビに、絶対に勝てる。
その考えが、余計に西下をイライラさせている。
後ろで笑いながら、指を鳴らしやがる。
パチン!
すると、ほぼ同時に、身体のどこかにアレがくる。
パチッ!
ウザすぎて、首を握力だけで折りたい。
必ず、折ってやる。
首を、握って折ってやる。
西下は近藤を相手にしながら、後ろでパチッっとやってくるEG使いを狙っていた。
そのパチッっとやるEG使い、後方に居るビートイットに、トッポが攻撃をする。
トッポの能力は、左腕を振れば火の玉が五個、相手を襲う。
火力と言うより、質量の攻撃。
熱さじゃなく、五発のパンチが飛んで来ると言った方が良い。
当たると、痛い。
我慢できなくもないが、身を引いてしまうくらいの威力は充分にある。
二発ほど、ビートイットは喰らっている。
殺す! と思ったがタンクに止められた。
「順番に、順番に、、、」
熱くなりやすいクセに、自分のこと以外は冷静というタンク。
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