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天王寺の変 三の章

稚知謀大 肆 その1

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大阪の通天閣。

地理的に、それを囲うような区画がある。
通天閣を中心に、北向きに半円を描く道が、さらに放射線状に三本の道を伸ばす。

伸びた先にあるのが、西側から恵比寿、恵美須東、天王寺動物園北、国道25号線に沿う三つの交差点だ。

それを一辺とし、南側へ行くと対向するのが、、、。

同じく西側から恵美須東3南の交差点。
ここはMEGAドン・キホーテのある交差点として有名。
そしてJR大阪環状線に沿って東へ行くと丁度阪神高速14号松原線の下を走る道が出る。

動物園との境目になる道路だ。

その道路を北へ向かうと、国道25号線に当たり、それが天王寺動物園北の交差点。
つまり、通天閣を中心にした四角い区画になる。

このそれほど大きくない区画が、結界内のEG使いたちにとって常に話題に上がる、重要な意味を持つ土地になっていた。

通天閣の周りには観光客相手の飲食店が多く、未だ土地を離れず商いを続けている商売人が多く残った。

人が残るという事は、エレクトリック・ゴーストから人々を守る、強いEG使いが必要とされる。

それも、エレクトリック・ゴーストが出て危険だと分かってても、逆にそれを見たくて来るノリノリの観光客をも守りながら対処できるっていう、相当、高等な術師だ。

安全面を考えて、エレクトリック・ゴーストが出始める時間帯には役所の人間と商店街の自治会の人たちが協力し、観光客を無理矢理にでも結界の外へ誘導するのだが、、、。
当の観光客は、エレクトリック・ゴーストが観たいのである。

そうそう、言う事は聞いてくれない。

毎度のことながら警察も出動して、やっと一般人を結界の外へ、、、という毎日。

警備は厳しくなったが、それでもちょくちょく実物のエレクトリック・ゴーストを観れたりするもんだから、目撃スポットとして勝手に宣伝される。

そんな状態でも今まで大きな事故を起こさず来れたのは、人々の協力もあるが、通天閣に就いているEG使いがかなりの使い手だという事になる。

強いEG使いが居る場所だからこそ、安全に危険を体験できる。
世界に現れ始めたエレクトリック・ゴーストを、かなりの確率で、しかも安全に観られる場所。

だから、通天閣へやって来る観光客が後を絶たない。
海外問わず、だ。

人が集まる土地の、(上がり)はオイシイ。

羨ましさと、その実力を妬み、噂されない日は無い。

通天閣の、モータルフラワー。
強いからこそ、それが出来る。

この噂は周囲に居る乗っ取り組のEG使いにとって、かなりの牽制となっていた。

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