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天王寺の変 三の章

稚知謀大 弐 その6

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モノアイは、そんな佳穂の気持ちなんてお構いなしで話しを進める。

 「話す時耳当ててたら片手塞がるやろ、
  稲ちゃんにイヤホン貰い」

素早く首を稲ちゃんに向け、無遠慮に手を伸ばしてちょーだいのポーズを取る。

 「何や?」
 「イヤホンちょーだい!」
 「何ぃ?」
 「モノアイがイヤホン貰いって」
 「ホンマかぁ? もう、、、」

一旦窓口から下に消え、立ち上がってくると手にはマイク付きのイヤホンがあった。
嬉しい事に、箱入り新品だ。


ジャックに差して、両耳に着ける。

 「ちゃんと聞こえてるか?」

モノアイの問いに、佳穂は答える。

 「うん」
 「ほな行こか」

佳穂の足は、再び結界内に向けられた。



はじめに動画を撮影した橋の上に佳穂は居た。

 「なぁ、どこ行くの?」

そう言えば、自分の目的は妹を助けることだと伝えたが、実際どうやって動くかは恥ずかしながら
まったく決めて無かった。

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