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天王寺の変 二の章

蝶舞山揺 肆 その1

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 マリオットホテルの一室。

 スーツ姿の李楠りなんが居た。
 長い髪を後ろで束ねた彼女は、窓から外を見ていた。

 十五時間前に言い渡された上官からのムチャブリに応え、すでに日本に居る。
 ここはハルカス上層のホテルだ。

 半年前に日本で起こったEG使いによる事件。
 その犯人が死んでも尚残したEGによる結界。

 その結界の中がどうなっているのかを調査しろと命令が下っていた。

 世界的に、ゲリラ的に起こり始めたEG使いによる犯罪。
 それを詳しく知るためのヒントが、この結界内の凝縮された世界にあると当局は考えている。

 というか、主に我が国の主席サマがそう言ってた。

 ここまで思い返し、李楠は心の中で呟く。

 (偉そうに、、、

 いち早くエレクトリック・ゴーストだのEG使いだのをコントロール出来た者が、次に世界を手中に収めるだろうと、、、。

 (領土拡大の次はそう来ますか

 モニターに映る主席サマがやたら熱く語る。
 それを観た上官が、同じ事を偉そうに言ってくる。

 (ハイ。これ無駄な時間~

 主席サマの語りから李楠の心の突っ込みまでが、ワンセットになっている。


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