ラグナロク

たっちー

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日本 学園編

実験

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前回登場した能力/詠唱/キャラクター

教師
聖魔術学園で講師をしている
それぞれがそれぞれの分野で秀でた成績を残したエリート達を学園に集めているので教師もそれなりに実力がある

校長先生
学園の長である校長先生
人一倍の正義感を持っている
元オリュンポス十二神会で働いていたとも言われている

蘇我蓮弥(そがれんや)
会場に急に現れた教師?
学園内では生徒指導をしている
昔は危ない仕事をしていたらしい

加速(アクセル)
生き物を対象として発動する
スピードを加速させる


場面は変わる

???
「どこに行った..人間ども」

バシュン!っと何かが無数に飛んでくる

???
「くそ!」

家の屋根に何か人影が飛んでくる
黒い服を着た人が数人着地する

黒い服の男
「お前を排除する..魔人」

魔人
「はっ!俺を排除だと?笑わせんな!
俺がお前らを駆除してやる」

黒い服の男
「起動隊..やれ」

指示をした男以外のほぼ全ての人間が動き出す
バシュンバシュンと音を立てながら蛇行するかのように空中を移動する

魔人
(なんだこの速さは..遅いが動きが俊敏で簡単に床に落とせねえ..だがあの先端、おそらく何かをあの道具から射出して体を引っ張って移動しているのか..ならば!)

黒い服の男
「っ!起動隊後方に下がれ!敵の広範囲攻撃が予想されるぞ!」

その言葉を聞いた瞬間全ての人間が後ろへ飛び
距離をとった

魔人
「なんて連携だ..逃げるか」

魔人は凄まじいスピードで逃げて行く
それをすかさず皆が追おうとするが

黒い服の男
「いい、ここまでだ、今ここは我々の安全が隠されていない、確認を急げ。
A班は周囲を探索残党を見つけ次第殺せ
B班は我が国にこう伝えろ
旧韓国を取り返したとな」

魔人
(あの空を飛ぶ兵器..あんな物を量産されては我々の勝ち目が薄くなる..報告しなければ)



教師
「では、今日の授業はここまで、しっかり復習しておくように」

レオン・ラピス
「終わったー!疲れたねぇ」

あの入学式から数週間が経過していた

カール・レイウス
「ああ、そうだな」

サイカ・トギラス
「飯食おーぜ、飯」

生徒達
「ご覧になって..」「すげーな」「まじ可愛いよなーうちのマドンナ」

生徒達がその熱い視線を向けるのは学園の優等生であり、超お金持ちコールド家の出である
「コールド・ケアシス」だった

コールド・ケアシス
「ぁぃ...し...」

小声で何かを喋っている

レオン・ラピス
「なんか言ってるね」

ガタッ

カール・レイウス
「気にせず食おう」

サイカ・トギラス
「そーだぜ、さっさと食って訓練しねーと」

カール・レイウス
「いない...」

サイカ・トギラス
「何が?何がいねーわけ?」

カール・レイウス
「ラピスがいない」

レオン・ラピス
「ねえ、なんでいっつも1人でご飯食べてるの?」

悪意のないその声と表情にさらに苛立っている様子を見せる

カール・レイウス
「あいつ!!」

コールド・ケアシス
「あんたに関係ないでしょ、ほっといて」

その透き通るような声は周りの空気が綺麗になるような感じがした

レオン・ラピス
「声めっちゃ綺麗..」

ラピスはぼそっとこぼれる

コールド・ケアシス
「はあぁああ?頭おかしいんじゃないの?」

少し照れくさそうに喋る
ケアシスの瞳は左右で目の色が違うことにラピスは気づく

レオン・ラピス
「君の目...」

コールド・ケアシス
「ちょっ!!見ないでよ」

ケアシスの目は透き通る様な美しい目をしていてまるで青い宝石の様に美しい
だが右目は何も移していないような黒色で何処と無く光を欲している様だった

レオン・ラピス
「ねえ、今から一緒にご飯食べない?」

コールド・ケアシス
「どうせ私の家柄見て近づいたんでしょ、知ってるわよそんなこと」

レオン・ラピス
「あ..もしかしてご飯食べるお金もない...のかな?大丈夫だよ、俺の友達はそんなことじゃ動じない人たちだからきっと」

ラピスは喋っていると急に口を塞がれる

コールド・ケアシス
「はああああ?!!あんた喧嘩売ってるの?!まじで引っぱたくわよ!!」

レオン・ラピス
「えええぇ!!それ以外で気にすることないでしょ..」

ケアシスは最初は強ばった顔をしていたが次第に顔が和らいで行く
ケアシスはラピスの顔を見て何故か面白くなってニヤついてしまう

コールド・ケアシス
「あっはっはっははは、面白いわねあんたの顔、あははは」

それまでツンとしていた空気が溶けていく

レオン・ラピス
「ええ!そんなことないよ!こう見えて結構モテたんだから!!」

コールド・ケアシス
「その顔でー?あっはっはっは、あー面白かったぁ」

レオン・ラピス
「なんだとー!...あははは」

生徒達
「ケアシスさん、私ともおしゃべりしませんか?」「俺とも!」「俺も!」

レオン・ラピス
「あ、ちょっと..」

生徒達は一気にケアシスの周りに集まって行き
ラピスは蚊帳の外になる

サイカ・トギラス
「ラピス...ぶっ..こっち来いよ...」

トギラスの顔は笑いをこらえるので必死そうであった

カール・レイウス
「トギラス..笑う..ぶっ..なよ」

レイウスは途中笑いそうになるがなんとか堪えて最後はキリッとする

レオン・ラピス
「みんなぁ!!!」

次の日~

レオン・ラピス
「今日はみんな食堂行くの?」

カール・レイウス
「行かないよ」

サイカ・トギラス
「俺も行かねえ」

レオン・ラピス
「じゃあ俺買ってくるねー」

ラピスが部屋を出るとケアシスは自分の席を立ちラピス達の席に行く

コールド・ケアシス
「ねえ..あんたたち」

カール・レイウス
「ん?っっん!!?」

サイカ・トギラス
「おお..どうした」

コールド・ケアシス
「その..一緒にご飯食べない?..やっぱりなんもない!!」

ケアシスがその場を去ろうとすると

レオン・ラピス
「え?なんで?一緒に食べようよ」

コールド・ケアシス
「え...はや..」

レオン・ラピス
「んーまあ..座んなよ」

ラピスは自分の席に座る

コールド・ケアシス
「ねえ..」

レオン・ラピス
「なんだよ」

コールド・ケアシス
「ちょっと席立って」

ラピスは席を立つ

レオン・ラピス
「ん、んでなにこれ」

その一瞬油断した瞬間にラピスの席に座る

コールド・ケアシス
「ありがとう」

優雅に座るその様に周りが魅了されている
...ラピス以外は

レオン・ラピス
「いやいや、どいてよ..」

カール・レイウス
「トギラス、先行くぞ」

レイウスはご飯を食べ終えて
颯爽と訓練室に向かっていった

コールド・ケアシス
「ほら、空いたわよ」

レオン・ラピス
「いや、そっちが座んなよ」

コールド・ケアシス
「そっちじゃないわ、ケアシスよ」

レオン・ラピス
「じゃあケアシス、ちょっとそこどいてよ」

コールド・ケアシス
「いやいや、こんな美少女が座って上げてるんだから感謝して欲しいくらいよ!!」

レオン・ラピス
「じゃあいいよ!俺ももうここで食う!」

そう言うとラピスは無理やりケアシスの席を半分奪う

コールド・ケアシス
「ちょっ!!あんた何してんのよ!」

ケアシスは嫌そうにラピスの背中を右手で押す
ラピスも負けじと背中を押し返す

コールド・ケアシス
「はあぁ、もういいわよ」

ケアシスがその場を離れようとする瞬間ふとラピスの背中を見た
その背中はとても綺麗で今にも崩れそうなくらい脆く儚いものに見えた

レオン・ラピス
「どっか行かないのか..」

コールド・ケアシス
「もういいわよここで..」

サイカ・トギラス
「あんさ..あんまりイチャイチャするのは俺の心にくるものがあるんだが.....」

コールド・ケアシス
「あぁ、あんたまだ居たのね」

その目からは罪悪感を全く感じ無い
それが逆にトギラスの心には来るものがあった

サイカ・トギラス
「うぐっ...俺も訓練行ってくる..」

トギラスは重い腰をあげるように席をたち
その場を後にする



キーンコーンカーンとチャイムがなり
授業が始まる

教師
「今日は特殊訓練を行う、初の実習だ
怪我のないようにお互いがお互いを思いやり行うこと、場所は第7訓練所で行う、では移動開始!」

レオン・ラピス
「行こ、みんな」

カール・レイウス
「ああ」

サイカ・トギラス
「行こうぜ」

コールド・ケアシス
「....」

ケアシスは孤独だった
少しは喋りやすくなった様に見えても
学園、つまり学校という所はそう簡単には話しかけては貰えず、この実力主義の学園では尚更弱い者や積極的で無い者は蹴落とされていく

コールド・ケアシス
(また..1人..)

レオン・ラピス
「何してんの?行くよ、早く行かないと遅れちゃうって」

ラピスはケアシスの手を握って引っ張ろうとする

コールド・ケアシス
「何勝手なことしてんのよ」

ケアシスは少し汗をかいている
気温のせいでは無い

レオン・ラピス
「確か5分後に始めるんだったよねぇ、今何分かな~って!もう30秒しかないじゃん!、早く行くよ!ケアシス!」

ラピスはケアシスをふらりと宙に浮かし
お姫様抱っこをする

コールド・ケアシス
「何すんのよ!ばか!、てゆうかもうどの道遅れるわよ..下ろして」

ラピスはニヤッと笑う

レオン・ラピス
「いいや、行けるよ..しっかり掴んでね」

ケアシスがラピスの肩に手をかけると
ラピスの体が一瞬ピリッとする感覚がした
ケアシスはその瞬間唾を飲む

レオン・ラピス
「必ず間に合わせる!!GO!!」

その瞬間一筋の光がケアシスの目には見えた
まるでこれから移動するルートを指すかの様な光であった

コールド・ケアシス
「わあああああぁぁぁぁあああ」

ケアシスは次の瞬間凄まじいスピードで学園内を走っているラピスを見た

コールド・ケアシス
「いっけええ!あはははは」

レオン・ラピス
「了解!!」

5秒ぐらい経ったあと
ラピスは口を開く

レオン・ラピス
「あのさ!ちょっと今言うべきかわかんないけどさ....」

コールド・ケアシス
「どうしたのよ」

レオン・ラピス
「どうやって泊まろうかな...」

コールド・ケアシス
「はああ!?嘘でしょ!!?」

第7訓練所~

カール・レイウス
「遅いな..」

サイカ・トギラス
「もう授業始まんぞ..」

レオン・ラピス
「みんああああ!受け止えてえええ!!」

カール・レイウス
「はっ!?なんか来るぞ!!」

サイカ・トギラス
「くっそ!こいやああ!!!」

凄まじいスピードを出したラピスを2人がなんとか勢いを殺した

レオン・ラピス
「ありがとう!!はぁはぁ」

カール・レイウス
「馬鹿だな..それに」

サイカ・トギラス
「なんだその頭!はははは」

ラピスとケアシスの髪の毛はオールバックになっていた

サイカ・トギラス
「イメチェンかよ、はははは」

蘇我蓮弥
「おい、学園内の魔力使用の許可が降りてないのに使ったな?ルールは守れ」

蓮弥は音もなく全員の背後に居た

カール・レイウス
「蘇我蓮弥!!!」

レイウスは蓮弥に向かって走っていく

蘇我蓮弥
「あーもう鬱陶しい!しつこいぞ」

レイウスの攻撃をかわす

蘇我蓮弥
「次からは無断では使用しないように」

そう言うと蓮弥は姿を消した

レオン・ラピス
「相変わらずすごい速さだなぁ」

教師
「何遊んでんだ、こっちだ、はやくこい」

教師は皆をひとつに集めた

教師
「今日は国からまだ認可が下りきってない代物を扱うこの学園が行っている、まあ言わば試運転ってとこだ」

教師は持ってきたバックからデバイスを出す

教師
「デバイス・オン」

その瞬間教師の腕にデバイスが形状を変化、発光しながら絡みつく

教師
「これが国が新たに発明した新兵器
発射型起動兵器アンカーだ、通称'翼'だ」

形状は少し虫の様な見た目をしているため
生徒たちは少し抵抗を覚えた

教師
「こうやって..」

口の様な部分から緑の魔力の塊が飛んでゆき
その塊には紐のような物が着いている
塊は壁に引っ付く

教師
「このデバイスは装着者の意思を受け取り意図した方向に飛んでゆく、魔力は勝手に吸い取るので我々は基本難しいことは考えなくて良い、ただし、前回授業でやった'魔装'で体を覆わなければ体が再起不能になると思っておけ」

レオン・ラピス
「魔装...」

2時間前...

教師
「今日は次の授業で使う'魔装'について話す
よく聞いておけよ、じゃないと怪我じゃ済まないからな。まず、魔装について知っている者」

1人が手を上げる
ケアシスだ

教師
「コールド・ケアシス立って発言せよ」

ガタッと椅子を後ろに下げ
優雅で綺麗な姿勢で立った

コールド・ケアシス
「魔装とは...
体全体もしくは1部に自身の魔力を集中させ体外に放出し続け、体を衝撃などから守る戦闘の基礎の基礎、一番最初に教わることのひとつです。」

教師
「正解だ、着席しなさい」

コールド・ケアシス
「はい」

ガタッと椅子を動かし座る

教師
「魔力を体に流す以外にも物にも流すことが出来る、これは体に行う魔装と違い、その物体を正しく認識しなくては魔力を行き渡らせることは出来ない、魔装に穴が空いてると強度は低くなる」

レオン・ラピス
「難しいなぁ...」

サイカ・トギラス
「お前できてるぞ、無意識に」

教師
「そう、最初のうちは無意識に出来る様になる事が必要だが、立てレオン・ラピス」

レオン・ラピス
「は、はい!」

勢い良く席を立ったことで椅子が倒れる

生徒達
「だっせぇ」「ちょ、聞こえるって」

レオン・ラピス
「くっ....」

教師
「黙れお前達、レオン・ラピス今からお前に攻撃をする、まあ寸止めするつもりだが」

レオン・ラピス
「え?攻撃!?」

教師
「ふん!!」

攻撃は首に当たる寸前に止まる

教師
「みんなレオン・ラピスをよく見ろ」

ラピスは体全体に魔力を流し魔装を行っていた

教師
「まずお前達はこの瞬時に全体に貼れるようになれ、レオン・ラピスは次の段階の一部分のみに魔装を行う訓練をするように」

レオン・ラピス
「はい!!」

そして今に至る

カール・レイウス
「魔装がどうした?」

レオン・ラピス
「ううん!何も無いよ」

教師
「では、全員デバイスを装着し、障害物を避けながらゴールを目指せ」

訓練所が変形する
4Dホログラムシステムで実際の場所が再現される、場所は都市だ

教師
「ビルの隙間を駆け抜けてもらう、では始め」
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