誠実であることは難しい

びっとのびっと

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夢について

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「・・・よし君、これ、いくら?」


「・・・とう子さん、値段は聞いちゃダメですよ・・・」


「・・・また敬語になってるよ。」


「・・・うれしくない?」


「うれしいよ!うれしい!・・・」


「じゃあ着けよう。貸して」


彼女の後ろにまわってネックレスを着けてあげる。


「く、首が、こわい・・・」


はあ~、かわいい・・・
俺の、俺の・・・


ニヤニヤニヨニヨしている俺を見て、やっと笑ってくれる。チュッと音を立ててキスをした。


「毎日、着けるんだよ」


「・・・はい・・・。」


これを見つけたら伊藤さんと千川さんは冷やかすだろう。ぜひ冷やかされたい。


メシ作ってくれただけでも充分なのに、とう子さんもプレゼントを用意してくれていた。

プレゼントはパジャマ。
白地に黒のホルスタイン模様で、男女ペアのお揃い。


「ごめん・・・私も頭どうかしてた・・・」
顔を両手で覆っている。


「牛だ!いいじゃん!すっごいいいじゃん!!」
「や、なんで、そんな目を輝かせてるの・・・」
「着よう!今日、これ着て寝よう!」
「もう!お洗濯してから!」


それでも試着だけさせてもらう。
「どう?」
「・・・はぁ、よし君はかっこいいよ・・・本職のモデルさんみたい。」

フランネルの優しい肌ざわり。ぶかぶかなサイズ感もいい。


彼女ににじり寄って抱きしめる。
「ありがとう」
そう言って、今度は長めのキスをした。


お互い寝る間もなくアホみたいに忙しいのに、毎週末、彼女を家に連れこんでエッチしている。
うちにはとう子さんお泊まりグッズがあるが、ここに俺のは無いのでいろいろ持参してきた。

今日は女の子の日だからエッチできない。
明日も仕事だ。風呂を出てすぐロフトに敷いてある布団に入った。
「お邪魔しまーす」
「頭、ぶつけないでね。」
「うん」

彼女はもう、ウトウトしはじめていた。
仕事も忙しいのに料理してくれて、プレゼントも準備してくれた。

「好きだよ・・・」
「・・・うん。・・・私も・・・」

「ずっと一緒にいたい」
「・・・」


眠ってしまった彼女のこめかみにキスを落とす。


来年は指輪にしようか。その前にお互いの誕生日があるな。旅行も行きたい。連れて行きたい場所がいっぱいある。夢が広がって、うきうきしながら俺も眠りについた。
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