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休日について
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純と会えない一人の休日。月曜の朝一にデザイン事務所で打ち合わせするための資料を忘れていたので、買い物ついでに会社に立ち寄った。
すると会社に電気がついている。
「あれ、前原君。」
塚本さんだった。
「おつかれさまです。仕事ですか?」
「うん、次の仕事の下準備。前原君も?」
「俺は忘れ物を取りに」
「私、もう帰るけど。」
「あ、俺もすぐ出ます」
塚本さんは新宿で買い物すると言うので、ラーメンのことを思い出し「友達と約束とか無ければ一緒に昼メシどうですか」と誘う。
「俺、スパゲッティ食べようと思ってたんで」
「美味しいの?」
「俺は好きでよく行きます。ただ量が多くて・・・」
ニンニクががっつり効いたチーズたっぷりの辛いトマトスープのスパゲッティは、塚本さんも気に入ってくれた。
しかし、俺は誘ったことを後悔した。正確には、今日、誘ったことを。
塚本さんは白い長袖Tシャツを着ていたのだ。
ラーメンのように啜って食べるそれは、トマトスープを飛び散らせ、塚本さんの服を汚した。
「わわっ、あ~。」あわてて汚れをふく塚本さん。だが取れるわけもなく・・・
「すみません。俺、気が利かなくて・・・」
「えっ?いや、大丈夫よ!服ダメにしてもいいくらい、ここ美味しいよ!」
逆に慰められてしまった・・・。デートなら大失態だ。デートにこんなニンニクもりもりのスパゲッティは選ばないけど。
いいよいいよ、すぐ着替え買うからと、塚本さんは言った。だけど、あの汚れた服でお店まで行くのは恥ずかしいだろう。俺も服を買うからと、塚本さんについて行った。
塚本さんはぽっちゃり体型で、パグ犬みたいな顔をしている。失礼ではあるが身体にぴったりした長袖Tシャツは似合わないなあと思っていた。ボーダー柄もしっくりこない。
「塚本さん、これどうですか」
襟高のパリッとしたシャツを手に取る。シンプルなデザインのレモンイエロー。
「ちょっと若すぎない?」
「塚本さん、そんな年でもないでしょ」
「ううーん・・・」
「絶対、似合いますよ!試着しましょう」
無理やり試着室に連れていく。結果、思った通り、良く似合っていた。
「割と良かった・・・」と照れながら塚本さんが言う。
調子に乗った俺は、厚手のカーディガンや、綿のロングスカート、パーカーなど、次々と塚本さんに試着させる。
「前原君、もしかしてショップの店員さんだった?」
「いえ、貿易事務でした」
「・・・」
ちょっと呆れられただろうか。
「すんません。なんだか俺、楽しくなっちゃってます」
「う、うん。そんな感じだね。でも助かるよ。おすすめしてくれる服は、どれもとてもいい感じ。」
そう言って塚本さんは、試着した服をいくつか買ってくれた。
すると会社に電気がついている。
「あれ、前原君。」
塚本さんだった。
「おつかれさまです。仕事ですか?」
「うん、次の仕事の下準備。前原君も?」
「俺は忘れ物を取りに」
「私、もう帰るけど。」
「あ、俺もすぐ出ます」
塚本さんは新宿で買い物すると言うので、ラーメンのことを思い出し「友達と約束とか無ければ一緒に昼メシどうですか」と誘う。
「俺、スパゲッティ食べようと思ってたんで」
「美味しいの?」
「俺は好きでよく行きます。ただ量が多くて・・・」
ニンニクががっつり効いたチーズたっぷりの辛いトマトスープのスパゲッティは、塚本さんも気に入ってくれた。
しかし、俺は誘ったことを後悔した。正確には、今日、誘ったことを。
塚本さんは白い長袖Tシャツを着ていたのだ。
ラーメンのように啜って食べるそれは、トマトスープを飛び散らせ、塚本さんの服を汚した。
「わわっ、あ~。」あわてて汚れをふく塚本さん。だが取れるわけもなく・・・
「すみません。俺、気が利かなくて・・・」
「えっ?いや、大丈夫よ!服ダメにしてもいいくらい、ここ美味しいよ!」
逆に慰められてしまった・・・。デートなら大失態だ。デートにこんなニンニクもりもりのスパゲッティは選ばないけど。
いいよいいよ、すぐ着替え買うからと、塚本さんは言った。だけど、あの汚れた服でお店まで行くのは恥ずかしいだろう。俺も服を買うからと、塚本さんについて行った。
塚本さんはぽっちゃり体型で、パグ犬みたいな顔をしている。失礼ではあるが身体にぴったりした長袖Tシャツは似合わないなあと思っていた。ボーダー柄もしっくりこない。
「塚本さん、これどうですか」
襟高のパリッとしたシャツを手に取る。シンプルなデザインのレモンイエロー。
「ちょっと若すぎない?」
「塚本さん、そんな年でもないでしょ」
「ううーん・・・」
「絶対、似合いますよ!試着しましょう」
無理やり試着室に連れていく。結果、思った通り、良く似合っていた。
「割と良かった・・・」と照れながら塚本さんが言う。
調子に乗った俺は、厚手のカーディガンや、綿のロングスカート、パーカーなど、次々と塚本さんに試着させる。
「前原君、もしかしてショップの店員さんだった?」
「いえ、貿易事務でした」
「・・・」
ちょっと呆れられただろうか。
「すんません。なんだか俺、楽しくなっちゃってます」
「う、うん。そんな感じだね。でも助かるよ。おすすめしてくれる服は、どれもとてもいい感じ。」
そう言って塚本さんは、試着した服をいくつか買ってくれた。
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