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胃の痛みについて
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バーで若い男と手をつなぎイチャイチャしている譲を見て、それから俺を見て、しんちゃんが心配そうな顔をしている。
「なんか、二人はいい雰囲気だったよ~、ってママから聞いてたんだけど・・・」と、言いよどむ。
「あー、うん。ふられた・・・」
しんちゃんが黙りこむ。
数秒してから、
「えっ、どうしてよ。」
と、しんちゃんが聞いてきた。
二度目のデートのあと、俺はしばらく忙しいと、譲に伝えた。
「愛してる」の発言に青ざめていたあとで重く思われたくなかったのと、実際に大学の課題もいくつかあったからだ。
俺からは電話をしなかった。
そうしたら、その間に譲は風邪をひいて寝込んだらしく、その看病にあの友だちの友だちとかいう若い男が来て、好きだから付き合ってほしいと告白されたらしい。
「俺、不安で・・・お前からは電話ないし・・・。でも、ごめん。」と泣きながら別れをつげられた。
「なんなの!あの肉饅頭~!」と、しんちゃんが怒りだす。
「いや、でも、俺も放ってたし・・・」と、なだめた。
事は、そんな簡単じゃない。しんちゃんには言わなかったが「俺は別れたくない・・・」って電話口で泣きじゃくった。そうしたら「じゃあなんで電話くれなかったんだ。」となじられた。
電話を切ったあとも涙が止まらなくて、そのままグズグズ布団に入り、枕をびしょびしょにしながらうずくまって泣いた。
翌日も目を腫れぼったくして、また泣いた。食事も喉を通らず、二日目から胃が痛くなり部屋にこもった。四日目はバイトだったので渋々出かけ、「失恋って胃が痛くなるんだな」とぼんやり思えるようになった。
なんとなく、それも、しんちゃんにはお見通しのようだけど。
「だからって!ここで!目の前で!イチャつく必要はないでしょ!」しんちゃんが興奮してる。
「たぶん、あの男の子は知らないんだと思う。俺のこと。譲は言えないんだろ」
「そうだとは思うけど・・・」
しんちゃんは不満そうだ。
「いいんだよ、なんか目が合ったとき申し訳なさそうにしてたから」
しんちゃんがまた黙りこむ。
そこへ、しんちゃんの知り合いらしき人がやってきた。
「あらー、大沢さんじゃない!お久しぶり~。」
「先生!どうも、ご無沙汰してます。」
先生と呼ばれているしんちゃんが気になったが、その人と目が合ったので軽く会釈した。
「お邪魔でしたか。」と言われて「いや、大丈夫ですよ」と笑顔で返した。
「先生にはお世話になって~」とか
「彼は優秀なのよ~」とか
当たり障りない世間話のあと、新しい店の話題にうつっていったので、俺はトイレに行ってからそろそろ帰ろうとする。
突然トイレの前で、追いかけてきた譲に腕をつかまれた。
「あの男と付き合うのか。」
「・・・なに?」
「男、紹介されたんだろ。」と譲が言いだした。
まさか嫉妬してるのか。他の男と目の前で仲良くしているくせに。
「世間話しただけだ。もう帰る」と言い返した。「あれ、彼氏だろ。戻れよ」と若い男に目を向けて言い捨てた。
譲はしばらく腕をつかんだまま黙っていたが「・・・ごめん。まだ気持ちが残ってる。」と言った。
遠くから若い男が心配そうにこっちを見ている。
俺は譲を看病して思いきって告白したという、あの若い男がかわいそうになった。なんであの子を大事にしない。
同時に譲の行動に傷ついてたことが、馬鹿馬鹿しくなった。
「・・・俺は、お前とは違う」そう吐き捨てた。
これからは二度と、誰にも、「愛してる」なんて言わない。かたく心に誓った。
「なんか、二人はいい雰囲気だったよ~、ってママから聞いてたんだけど・・・」と、言いよどむ。
「あー、うん。ふられた・・・」
しんちゃんが黙りこむ。
数秒してから、
「えっ、どうしてよ。」
と、しんちゃんが聞いてきた。
二度目のデートのあと、俺はしばらく忙しいと、譲に伝えた。
「愛してる」の発言に青ざめていたあとで重く思われたくなかったのと、実際に大学の課題もいくつかあったからだ。
俺からは電話をしなかった。
そうしたら、その間に譲は風邪をひいて寝込んだらしく、その看病にあの友だちの友だちとかいう若い男が来て、好きだから付き合ってほしいと告白されたらしい。
「俺、不安で・・・お前からは電話ないし・・・。でも、ごめん。」と泣きながら別れをつげられた。
「なんなの!あの肉饅頭~!」と、しんちゃんが怒りだす。
「いや、でも、俺も放ってたし・・・」と、なだめた。
事は、そんな簡単じゃない。しんちゃんには言わなかったが「俺は別れたくない・・・」って電話口で泣きじゃくった。そうしたら「じゃあなんで電話くれなかったんだ。」となじられた。
電話を切ったあとも涙が止まらなくて、そのままグズグズ布団に入り、枕をびしょびしょにしながらうずくまって泣いた。
翌日も目を腫れぼったくして、また泣いた。食事も喉を通らず、二日目から胃が痛くなり部屋にこもった。四日目はバイトだったので渋々出かけ、「失恋って胃が痛くなるんだな」とぼんやり思えるようになった。
なんとなく、それも、しんちゃんにはお見通しのようだけど。
「だからって!ここで!目の前で!イチャつく必要はないでしょ!」しんちゃんが興奮してる。
「たぶん、あの男の子は知らないんだと思う。俺のこと。譲は言えないんだろ」
「そうだとは思うけど・・・」
しんちゃんは不満そうだ。
「いいんだよ、なんか目が合ったとき申し訳なさそうにしてたから」
しんちゃんがまた黙りこむ。
そこへ、しんちゃんの知り合いらしき人がやってきた。
「あらー、大沢さんじゃない!お久しぶり~。」
「先生!どうも、ご無沙汰してます。」
先生と呼ばれているしんちゃんが気になったが、その人と目が合ったので軽く会釈した。
「お邪魔でしたか。」と言われて「いや、大丈夫ですよ」と笑顔で返した。
「先生にはお世話になって~」とか
「彼は優秀なのよ~」とか
当たり障りない世間話のあと、新しい店の話題にうつっていったので、俺はトイレに行ってからそろそろ帰ろうとする。
突然トイレの前で、追いかけてきた譲に腕をつかまれた。
「あの男と付き合うのか。」
「・・・なに?」
「男、紹介されたんだろ。」と譲が言いだした。
まさか嫉妬してるのか。他の男と目の前で仲良くしているくせに。
「世間話しただけだ。もう帰る」と言い返した。「あれ、彼氏だろ。戻れよ」と若い男に目を向けて言い捨てた。
譲はしばらく腕をつかんだまま黙っていたが「・・・ごめん。まだ気持ちが残ってる。」と言った。
遠くから若い男が心配そうにこっちを見ている。
俺は譲を看病して思いきって告白したという、あの若い男がかわいそうになった。なんであの子を大事にしない。
同時に譲の行動に傷ついてたことが、馬鹿馬鹿しくなった。
「・・・俺は、お前とは違う」そう吐き捨てた。
これからは二度と、誰にも、「愛してる」なんて言わない。かたく心に誓った。
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