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土佐兄からの褒美、露助女(七十六話)
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土佐兄んとこへ、こん前の年増んこつで行ったんや。
オラの女ん仕分け三人目で、当たっとるかどうか気になるのう。そもそもオラは女に甘いんや。辛い点なんか、よう付けれんわ。みんなみんな、ええもん持っとるんや、大満足させてくれるんや。だども、女衒は値付けねばなんえ、売り買いのイロハやでな。阿漕な商売よのう、観音様に値付けるなんてな、こいは仕方がねえのう。
オラ 「土佐兄、なんとか仕分けしましたで、オラなりに」
土佐兄「おう、あん六十路ん女、どげなやった?」
オラ 「カズノコは男に擦られ過ぎて、とうになく、めめず残るは数匹なり。よがり汁も枯れ沢の如く、お豆は古納豆、臭いこつ納豆屋もびっくりこん。なれど古箪笥の如き艶あり、漆塗りの一級品もどき、よって中の下では」
土佐兄「ほほう、だいぶ女の値踏みが出来るようになったやんか。そんでええきな。オレも見立ては、中の下や、まだまだ稼げるぜよ。あんな、今日はなあ、おまんに息抜きさせよう思ったんじゃき。オレら女衒の役得の一つに、珍しか女が抱けるがぜよ。露助女や。おまんも、白かやわ肉味わってみい、大和女と大違いじゃき。はまる奴は、病みつきになるがぜよ、訳わかんねけんど、ええあえぎ声出しよるき。でか乳に埋もれて、窒息しそうになんのもおるわ、堪えられんきな。てる吉や、こいは息抜きや、オレからん褒美やき、存分に遊んだれ」
オラ 「ええんですかいのう。女衒の世界は広か、深か、底なし沼ですのう。まっこつ、ありがたくてありがたくて、たまらんですわ」
土佐兄「あの深川の町屋で待っとれ、今晩から朝まで預けたる、白か肉、おまんのもんじゃき。寝ずにのう、露助女、おもちゃにしてええきな、褒美や」
オラ 「土佐親分、一生付いて行きやす、かたじけのう」
ふーん、露助女かいや、こいも闇ん女やのう。蝦夷、そんまた先ん樺太、そんまたまた先ん異国からかえな。横浜には、英吉利西なんかもいるやろけんど、露助女は珍しか。白か肉とは、どげなもんや、はやる気持ちが収まらんわな、我慢出来ねえ。町屋まで、走って行くどー。
オラ 「あ、あのう、大和ん言葉しゃべれっけ?」
露助女「ダー、ダー、ダー、わかるわかる、アンタいい男」
オラ 「髪は金髪やのう、光っとるわい、目は青いし、鼻高か、ええ匂いもすんな。乳も尻もでかか、ほんに色白いのう、雪女見てえでねえか」
露助女「シトー? 何? わからないね、アンタ女好きか?」
オラ 「ほい、ほい、ほい、大好きや。観音に目ないで」
露助女「カンノン? ああエビね。わたし、フイ大好きよ」
オラ 「エビ? オラもエビが大好きだ、天ぷらだな。フイ? おそらく男の鉄砲んこつやな、けっこうやない。大和の男んのは小さか、露助んストロング砲が好きなんやろ?」
露助女「二ェット、ヤポンスキー、ハラショー、好きよ」
オラ 「やっぱ、露助んがええんやな、大和ん刀、糠に釘かや」
露助女「シトー? 何言うの? 早く遊ぶ、朝まで遊ぶね」
オラ 「おう、大和の四十八手喰らわしたるわ。すけべ魂じゃ負けん」
露助女「シトー? いいから抱く、ハラショーな夜に、アンタいいね?」
オラ 「何? ヘンテコな夜にってこつかいな、頭んきた、観音壊したる。こっちさ来い、鶯の谷渡りからやったるわ。とどめは牛突きで昇天させたるわい」
露助女「ウグイス? ウシがどうしたの? わたし、スキヤキ食べたい」
オラ 「じゃかしい、すき焼きでのうてオラん得意技や」
露助女「ハラショーな夜に、ハラショーな……」
オラ 「言うな、ヘンテコな夜なんかにしねえよーだ」
露助女を朝までかけて、滅茶苦茶にしてやった。
大和ん男を馬鹿にしおって、いくら糠に釘でも、ヘンテコな夜とは何事ぞ。
あんなに、キー、キー言わせてやっわい、オラん勝ちや。
しかし、ハラショーとは何ぞや、もしやオラん勘違いかも。
あん女のしがみ付きは半端じゃなかったのう、何やろて。
そいにしても帰り際に、オラにパカーだとよ。
オラの女ん仕分け三人目で、当たっとるかどうか気になるのう。そもそもオラは女に甘いんや。辛い点なんか、よう付けれんわ。みんなみんな、ええもん持っとるんや、大満足させてくれるんや。だども、女衒は値付けねばなんえ、売り買いのイロハやでな。阿漕な商売よのう、観音様に値付けるなんてな、こいは仕方がねえのう。
オラ 「土佐兄、なんとか仕分けしましたで、オラなりに」
土佐兄「おう、あん六十路ん女、どげなやった?」
オラ 「カズノコは男に擦られ過ぎて、とうになく、めめず残るは数匹なり。よがり汁も枯れ沢の如く、お豆は古納豆、臭いこつ納豆屋もびっくりこん。なれど古箪笥の如き艶あり、漆塗りの一級品もどき、よって中の下では」
土佐兄「ほほう、だいぶ女の値踏みが出来るようになったやんか。そんでええきな。オレも見立ては、中の下や、まだまだ稼げるぜよ。あんな、今日はなあ、おまんに息抜きさせよう思ったんじゃき。オレら女衒の役得の一つに、珍しか女が抱けるがぜよ。露助女や。おまんも、白かやわ肉味わってみい、大和女と大違いじゃき。はまる奴は、病みつきになるがぜよ、訳わかんねけんど、ええあえぎ声出しよるき。でか乳に埋もれて、窒息しそうになんのもおるわ、堪えられんきな。てる吉や、こいは息抜きや、オレからん褒美やき、存分に遊んだれ」
オラ 「ええんですかいのう。女衒の世界は広か、深か、底なし沼ですのう。まっこつ、ありがたくてありがたくて、たまらんですわ」
土佐兄「あの深川の町屋で待っとれ、今晩から朝まで預けたる、白か肉、おまんのもんじゃき。寝ずにのう、露助女、おもちゃにしてええきな、褒美や」
オラ 「土佐親分、一生付いて行きやす、かたじけのう」
ふーん、露助女かいや、こいも闇ん女やのう。蝦夷、そんまた先ん樺太、そんまたまた先ん異国からかえな。横浜には、英吉利西なんかもいるやろけんど、露助女は珍しか。白か肉とは、どげなもんや、はやる気持ちが収まらんわな、我慢出来ねえ。町屋まで、走って行くどー。
オラ 「あ、あのう、大和ん言葉しゃべれっけ?」
露助女「ダー、ダー、ダー、わかるわかる、アンタいい男」
オラ 「髪は金髪やのう、光っとるわい、目は青いし、鼻高か、ええ匂いもすんな。乳も尻もでかか、ほんに色白いのう、雪女見てえでねえか」
露助女「シトー? 何? わからないね、アンタ女好きか?」
オラ 「ほい、ほい、ほい、大好きや。観音に目ないで」
露助女「カンノン? ああエビね。わたし、フイ大好きよ」
オラ 「エビ? オラもエビが大好きだ、天ぷらだな。フイ? おそらく男の鉄砲んこつやな、けっこうやない。大和の男んのは小さか、露助んストロング砲が好きなんやろ?」
露助女「二ェット、ヤポンスキー、ハラショー、好きよ」
オラ 「やっぱ、露助んがええんやな、大和ん刀、糠に釘かや」
露助女「シトー? 何言うの? 早く遊ぶ、朝まで遊ぶね」
オラ 「おう、大和の四十八手喰らわしたるわ。すけべ魂じゃ負けん」
露助女「シトー? いいから抱く、ハラショーな夜に、アンタいいね?」
オラ 「何? ヘンテコな夜にってこつかいな、頭んきた、観音壊したる。こっちさ来い、鶯の谷渡りからやったるわ。とどめは牛突きで昇天させたるわい」
露助女「ウグイス? ウシがどうしたの? わたし、スキヤキ食べたい」
オラ 「じゃかしい、すき焼きでのうてオラん得意技や」
露助女「ハラショーな夜に、ハラショーな……」
オラ 「言うな、ヘンテコな夜なんかにしねえよーだ」
露助女を朝までかけて、滅茶苦茶にしてやった。
大和ん男を馬鹿にしおって、いくら糠に釘でも、ヘンテコな夜とは何事ぞ。
あんなに、キー、キー言わせてやっわい、オラん勝ちや。
しかし、ハラショーとは何ぞや、もしやオラん勘違いかも。
あん女のしがみ付きは半端じゃなかったのう、何やろて。
そいにしても帰り際に、オラにパカーだとよ。
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