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武蔵府中くらやみ祭り、抱き地蔵の巻(六十五話)
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さあ、まずは一人喰ったわい、朝まで闇のどんちゃん騒ぎや。ええと、今度はのう、小娘にしたろかいな。尻のプリッとしたんがええ、いねかいなあ、暗くてわからんわ。
ああ、いたいた、こまいのう、つぶさんようにせんとな……
オラ「お前さん、男にありついたかえ、女も今夜は楽しまんとのう」
小娘「まだ、アイを誰も誘ってこんのや。あんたが初や」
オラ「なあ百姓ん娘かえ、親御さん、よう出してくれたなあ」
小娘「なあに今夜は特別やよって、大目に見とるんや、どこん家もな。アイんとこなんか、とっちゃんも、にっちゃんも張り切っておるわい」
オラ「じゃあ、家にはかっちゃんが留守番かえ?」
小娘「んにゃ、かっちゃんも祭りん渦ん中だ、どこ行ったか見えねえ」
オラ「そんじゃ、かっちゃんも男に喰らいついとるかもだのう。ほんに、ええ祭りやなあ、関八州一かも知んねのう」
小娘「うん、あんちゃんや、早いとこアイんこつ、可愛がってけろ。若いから、女もあんこつで頭いっぱいなんや、盛りなんや」
オラ「そうや、娘盛りは色盛りや、男ん喰い放題やでな。オラん味、たんと味おうてや、男ん味や」
今夜ん二人目は小娘となりそうろう。お手柔らかにせんとのう、しかし、めんこいのう。生娘と間違いそうやでな。
オラ「おい、あっちの林ん中さ行こうて」
小娘「うん、ええよ。あんちゃんに任せるよって、乱暴にせんといてな」
オラ「ねんごろに、可愛がったるけんな、オラん方こそ、よろしく。ああ、ちょうどええ切り株があるわい、オラが腰掛けるすけ、乗っかってけろ」
小娘「わかんねえ、どうすんだかのう」
オラ「抱き地蔵じゃよ。お前ん好きなように動いたらええ」
小娘「あっ、わかったっちゃ。アイが木をどこまでん登るようにすんのやな」
オラ「そうや、オラが竹だと思って、またがってのう。極楽まで登る気でのう。そんうちにのう、二人して地蔵さんや。女も早いうちに、この世ん極楽味わうんやで、せっかく生まれて来たんやでな」
小娘「うん、アイどこまでん登る、極楽いきてえ」
オラ「さあ、またがってけろ……」
小娘は、どこまでもどこまでも登る。
オラんすけべ魂も、つられつられて極楽へと。
二人は、ひとつの地蔵様と成りにけり。これ、抱き地蔵。
ああ、いたいた、こまいのう、つぶさんようにせんとな……
オラ「お前さん、男にありついたかえ、女も今夜は楽しまんとのう」
小娘「まだ、アイを誰も誘ってこんのや。あんたが初や」
オラ「なあ百姓ん娘かえ、親御さん、よう出してくれたなあ」
小娘「なあに今夜は特別やよって、大目に見とるんや、どこん家もな。アイんとこなんか、とっちゃんも、にっちゃんも張り切っておるわい」
オラ「じゃあ、家にはかっちゃんが留守番かえ?」
小娘「んにゃ、かっちゃんも祭りん渦ん中だ、どこ行ったか見えねえ」
オラ「そんじゃ、かっちゃんも男に喰らいついとるかもだのう。ほんに、ええ祭りやなあ、関八州一かも知んねのう」
小娘「うん、あんちゃんや、早いとこアイんこつ、可愛がってけろ。若いから、女もあんこつで頭いっぱいなんや、盛りなんや」
オラ「そうや、娘盛りは色盛りや、男ん喰い放題やでな。オラん味、たんと味おうてや、男ん味や」
今夜ん二人目は小娘となりそうろう。お手柔らかにせんとのう、しかし、めんこいのう。生娘と間違いそうやでな。
オラ「おい、あっちの林ん中さ行こうて」
小娘「うん、ええよ。あんちゃんに任せるよって、乱暴にせんといてな」
オラ「ねんごろに、可愛がったるけんな、オラん方こそ、よろしく。ああ、ちょうどええ切り株があるわい、オラが腰掛けるすけ、乗っかってけろ」
小娘「わかんねえ、どうすんだかのう」
オラ「抱き地蔵じゃよ。お前ん好きなように動いたらええ」
小娘「あっ、わかったっちゃ。アイが木をどこまでん登るようにすんのやな」
オラ「そうや、オラが竹だと思って、またがってのう。極楽まで登る気でのう。そんうちにのう、二人して地蔵さんや。女も早いうちに、この世ん極楽味わうんやで、せっかく生まれて来たんやでな」
小娘「うん、アイどこまでん登る、極楽いきてえ」
オラ「さあ、またがってけろ……」
小娘は、どこまでもどこまでも登る。
オラんすけべ魂も、つられつられて極楽へと。
二人は、ひとつの地蔵様と成りにけり。これ、抱き地蔵。
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