江戸情話 てる吉の女観音道

藤原 てるてる

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築地、猫と猫娘(四十五話)

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 今日は、仕事で築地まで行かねばなんね。
 魚河岸の問屋まで、文を届けんだども、ついでに魚を食ってこ。
 えっさ、ほいほい、えっさ、ほいほい、飛脚は忙しいわい……

 ああ、着いたわ。ここは、ごちゃごちゃしてて、仲買人や小売り、町衆が多いの。江戸前ん魚、安房沖、利根川とかの、いろんな魚をたんと売っとるの。ここは猫も多いわ。猫んとって極楽やないけ。魚食い放題や。オラは猫ん鳴き真似がうまくての、オラがニャオーゆうと、猫も返事返すて。
 猫んよっては、びっくりして振り向くんもいる。ほんに猫はええの。生まれ育った越後では、農家だすけ、猫を飼ってて遊んでたもんだて。いるいる、ニャオーニャオー、そこらじゅうで鳴いとるの。
 あれ、あん置屋の二階から、女がニャオーニャオーゆっておる。どっかの方言やの。仲間とで何かしゃべっとるの。昼飯の魚ん前に、あん女喰ってみっかや。そんしよう。

 オラ「あねさや、さっきから、ニャオーニャオーゆうとるの、どっから出て来たんらかて?」
 猫娘「わたしゃ、三河だに。おみゃーは江戸じゃねえの、どこん国だにゃー?」
 オラ「オラは越後らいの、まだ国訛りが抜けねえすけな」
 猫娘「ほうだらか、雪がようけ降って大変だじゃん。うちは、ぽかぽかだにゃー。わたしゃと遊んでくかえ、ぺろぺろべろべろどうえ」
 オラ「ん?」
 猫娘「あんなあ、猫みてえに舐めたるずら、男んまたたびがよだれ垂らして悦ぶにゃー」
 オラ「そいわええ。猫にまたたび、猫娘には亀形またたびよのう。んじゃ、たんとたのむでよ。オラんのを両方の口でな」
 猫娘「おみゃーのもん、わたしゃん舌技で、あんばようしたるにゃー。ほいで、わたしゃんこつも、めちゃんこにしてちょー。亀形またたびで、ようけようけ頼むでにゃー」
 オラ「あいよ、オラはまたたびじゃて、先に上ん口で喰ってんか」
 猫娘「……おみゃーの、うみゃー、うみゃー……」



 築地で、猫娘に喰われてもうた。
 あん三河女は、ミャオーミャオーようゆうて、まるで猫みたいじゃったわ。
 舌技たるや、よし。三河猫娘の喉ちんこに命中したなり。オラんまたたびも、大悦びじゃて。
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