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横浜阿片窟(三十四話)
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こん前、通し飛脚で横浜に行ったのう。
そんで、中華紅街の置屋で垢落としやったけんど、ある話が出た。上海娘から、そら怖ろしか話、聞かされたんや。そんで、のう。あん娘から聞いた阿片窟のこつが、気になってのう、そん目的でまた行ったんや……
中華紅街、ど派手な門のお迎えや。唐娘のお待ちやで。おー、いるいる、チーパオがよう似合うわな、柳腰がエロいのう。大和娘とちごうて、骨太って感じやな。こりゃ、ようしゃなく挑めるわな。
オラ 「ニーハオ、あんた、いいあるね。どこから来たあるね?」
広東娘「広東。上海の南ある」
オラ 「南ん方からね。あんた、かなりやせてるある。名前、何?」
広東娘「ワタチ、パオパオ。唐娘、やせてるのたくさんね」
オラ 「こん前、聞いたこつある。あんたも、阿片やるあるか?」
広東娘「アータ、よくわかったね。あれやると、疲れ取れるある、やせるある」
オラ 「ここでのうて、阿片窟で一戦できんけ?」
広東娘「アータ、そこ怖いとこあるね。帰って来れんかもね」
オラ 「まあ、ためしある。二人で行くね、案内たのむね」
広東娘「大丈夫ある? じゃ、行くね、こちこち……」
いやー、唐娘に合わせて、あっち風でしゃべらんとのう。越後弁混じりん江戸言葉でのうて、合わせっかな。いよいよ、阿片窟かや。ここまで来て逃げられんのうて。
広東娘「さあ、着いたある。親玉に話つけて来る、待つあるね」
オラ 「はぁ」
広東娘「中は暗いある、じろじろ見ないある、声出さないある、いいね」
オラ 「わかったある。唐ん男ん振りすんね。しっー」
広東娘「ワタチ、ここで今、阿片やる。でも、アータやる駄目ね。先に服脱ぐあるね、楽にしててね。待つあるね」
おー、あたり一面、煙モコモコやんか。唐ん男、女が、煙管に阿片詰め横んなって、プースカプースカやっとるやないけ。ありゃ、こん男は、右手に煙管、左手で乳まさぐっとるわな。みんな、猫ん目みてえになって、寝てるみてえじゃねかや。ああ、こりゃ睦ごとで暴れる場じゃねえて。ここでは、おとなしゅう、おとなしゅうして、煙ん酔っとる女をやんわりとのう。
広東娘「待ったね。ワタチ横なるね、煙管吸いながらね。アータゆっくりやって。これやると、寝てるに見える、でも寝てないからね。アータ煙だめだめよ、男使えなくなるよ、女楽しめなくなるね。女を取るか、煙取るかよ。こんにゃくになるあるね」
オラ 「そいは、いけん。良くわかったある。オレは女を吸うあるね。女を吸って、喰って、しゃぶりつくして、極楽いくある。たんと、ありがとの。ではの、ゆっくりゆっくり、いくで……」
こいが阿片窟かいの。
唐の人だらけが、煙モコモコ、お手手はモミモミ、寝床はカタコトやったわ。
ここでは、煙を吸い、寝てるような女を楽しむ所よのう。
まちごうても、あいをやってはいけん、まさに男が立たん。
そんで、中華紅街の置屋で垢落としやったけんど、ある話が出た。上海娘から、そら怖ろしか話、聞かされたんや。そんで、のう。あん娘から聞いた阿片窟のこつが、気になってのう、そん目的でまた行ったんや……
中華紅街、ど派手な門のお迎えや。唐娘のお待ちやで。おー、いるいる、チーパオがよう似合うわな、柳腰がエロいのう。大和娘とちごうて、骨太って感じやな。こりゃ、ようしゃなく挑めるわな。
オラ 「ニーハオ、あんた、いいあるね。どこから来たあるね?」
広東娘「広東。上海の南ある」
オラ 「南ん方からね。あんた、かなりやせてるある。名前、何?」
広東娘「ワタチ、パオパオ。唐娘、やせてるのたくさんね」
オラ 「こん前、聞いたこつある。あんたも、阿片やるあるか?」
広東娘「アータ、よくわかったね。あれやると、疲れ取れるある、やせるある」
オラ 「ここでのうて、阿片窟で一戦できんけ?」
広東娘「アータ、そこ怖いとこあるね。帰って来れんかもね」
オラ 「まあ、ためしある。二人で行くね、案内たのむね」
広東娘「大丈夫ある? じゃ、行くね、こちこち……」
いやー、唐娘に合わせて、あっち風でしゃべらんとのう。越後弁混じりん江戸言葉でのうて、合わせっかな。いよいよ、阿片窟かや。ここまで来て逃げられんのうて。
広東娘「さあ、着いたある。親玉に話つけて来る、待つあるね」
オラ 「はぁ」
広東娘「中は暗いある、じろじろ見ないある、声出さないある、いいね」
オラ 「わかったある。唐ん男ん振りすんね。しっー」
広東娘「ワタチ、ここで今、阿片やる。でも、アータやる駄目ね。先に服脱ぐあるね、楽にしててね。待つあるね」
おー、あたり一面、煙モコモコやんか。唐ん男、女が、煙管に阿片詰め横んなって、プースカプースカやっとるやないけ。ありゃ、こん男は、右手に煙管、左手で乳まさぐっとるわな。みんな、猫ん目みてえになって、寝てるみてえじゃねかや。ああ、こりゃ睦ごとで暴れる場じゃねえて。ここでは、おとなしゅう、おとなしゅうして、煙ん酔っとる女をやんわりとのう。
広東娘「待ったね。ワタチ横なるね、煙管吸いながらね。アータゆっくりやって。これやると、寝てるに見える、でも寝てないからね。アータ煙だめだめよ、男使えなくなるよ、女楽しめなくなるね。女を取るか、煙取るかよ。こんにゃくになるあるね」
オラ 「そいは、いけん。良くわかったある。オレは女を吸うあるね。女を吸って、喰って、しゃぶりつくして、極楽いくある。たんと、ありがとの。ではの、ゆっくりゆっくり、いくで……」
こいが阿片窟かいの。
唐の人だらけが、煙モコモコ、お手手はモミモミ、寝床はカタコトやったわ。
ここでは、煙を吸い、寝てるような女を楽しむ所よのう。
まちごうても、あいをやってはいけん、まさに男が立たん。
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