ユキとレオ

月灯り

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ユキとレオ

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「ねぇ、ユキ、もう我慢できない」
「やっ」
言うなり大事なところに指が入り込んでくる。
「やぁっ!やだ!待って」
ズブズブと奥まで入り込んで感覚にびくりと背中を反らす。
「もう十分我慢した」
より指が入っているのを感じて泣きそうになる。背中に回された硬い腕が彼との距離を近くする。
誰にも触らせたことのない胸が、服越しに、彼の胸板に潰される。
「ん」
顔を背けると、首に彼の髪が沈んだ。
全身で彼の形を感じとりながら緊張に身を固くする。
「なんっ・・・で」
彼と私はこんな関係じゃない。
床にこぼれた赤い液体と、やたら目を引く豪奢なガラス瓶。
てっきりお酒を飲んで酔っぱらってしまったんだと思っていた。
今日は王宮で、パーティーがあった。
ユキもドレスで着飾って参加していたが、彼の姿、レオの姿がなくて心配して見に来た。
「ユキ・・・ユキ・・・っ!」
聞いたことない色っぽい声に怖さを覚える。
こんなのレオじゃない。
私の知ってるレオは、照れてるくせに照れ隠しに憎まれ口聞いて、憎まれ口を聞く私のことを文句言いながら守ってくれる。そんな人。そして・・・私が大事に思っている人の弟だった。
「レ・・・オぉ!」
呼ぶとますます抱き締められて首をベロりと舐められた。
「ひ・・・っ」
たまらず頭を反らしてみても、抱き締められては逃げようもなくて、何度も何度も、そこになにか・・・キャンディでもあるんだろうか?と思うくらいになめられて吸い付かれてキスされる。
「・・・こわい・・・よ!」
「大丈夫・・・優しく、する。・・・できるだけ」
何のはなしよぉ・・・!
泣きたくなる。
「そうじゃなくて、んっ、・・・離して!」
さっき部屋に入ったら、最初は少し話せていた。瓶にあったものを煽ってから、薬だと言っていたそれを飲んでから、急におかしくなった。
急にベッドに押し倒され、抱きしめられて、ドレスのスカートをまくられて、いじられて、首にキスされてる。
弟みたいで、かわいくてかわいくて、構いたくて、構ってほしくて。そんな男の子だったのに。
「・・・やだよぉ、レオぉ、こんなのやだぁっ・・・!」
弟みたいな男の子の前で泣くなんて、私の方がお姉さんなのに、そういう気持ちでいたのに。もういっぱいいっぱいで涙を流しながらしゃくりをあげてしまう。
情けないし、かっこわるいし、未来の義理の姉の尊厳も何もないが、これで止まってくれて、またもとの関係に戻れるなら安いものだ。
あとでいつもみたいに顔を真っ赤にしながら、あのとき怖かったんだからねぇ!何て言いながら、またあの照れた顔をしてくれればいい、とそう思うのに。
「・・・ユキ、ごめん・・・俺のに、なって・・・」
レオはそう言って私の唇に噛みついた。
実際には噛みつかれてる訳じゃない。・・・キスされてる。でも勢いがすごくて、キスと言うより食べられてるみたいな感覚になる。
一度、大切な人と優しく触れあわせた時の感覚をレオの唇が、舌が、熱が、上書きしていく。
「・・・やぁっ!・・・む・・・んぅ・・・はぁっ・・・んんん・・・んぅっ」
「・・・はぁ、エロ・・・」
言われて泣きたくなる。
誰のせいなのよ。つうっと流れた涙をなめとられる。
「んやっ・・・!」
「・・・はぁ。大事にする・・・。する、から、はっ・・・そばに、いて」
また唇に吸い付かれる。
「・・・ふ、・・・うううっ・・・ん、うっ」
なめとられた涙のあともすぐに元通りになる。
勝手に漏れる声と、そんな声を無理やり出させるレオと、この状況が意味がわからなさすぎて、夢でも見てるんじゃないかと思う。
しゃくりあげてても全然やめてくれない。
こんなのレオじゃない。
「ヒース・・・」
レオの兄の名前を呼んだときだけレオは苦しそうな顔をした。
一瞬やめてくれるかと思ったのにドレスの胸元をぐいと引き下げられて、ユキの胸がそこから顔をのぞかせる。
誰にも見せたことないのに!
今さら部屋が明るいのが気になってくる。
レオが、大事な人の弟が、恋人でもない異性が、自分が触れるくらいの至近距離にいるのに、むき出しになった自分の胸を見て羞恥心でパニックになりそうになる。
「・・・や!・・・やだ!やだ!やだ!・・・ん!」
頭をブンブンふって嫌がってるのに、レオの口がユキの左胸をパクりと咥えこんだ。
あまりの光景にこれは現実じゃないんじゃないかと思い始める。
あり得ない、あの可愛いレオが。それに私には恋人がいて、この人はその人の弟で。両想いだと確信したのも最近で、・・・やっと触れるだけのキスをして・・・乾いた唇と微かに感じた温かさだけを覚えて、たまに思い出しては幸せに浸る、そんな大切な思い出で・・・。
バタバタ暴れてみても腕はひとつにまとめられて頭の上にあって、暴れる両足の間にはレオがいる。
ベッドから体を浮かせようとするとレオの顔に胸を押し付けるみたいになる。
どうしていいかわからなくて次から次へと涙が出る。
どんなに暴れてみても足首まであるドレスの上にユキとレオが横たわっている限り、全裸にでもならなきゃ逃げられないだろう。
絶望的な気持ちになる。
「・・・ヒース、・・・ヒース、ヒース、ヒースぅ!」
あのままずっと、一生一緒にいるんだろうと、最近、実感し始めていた。ずっと手を握って、二人でいろんな経験をして、結婚して、二度目のキスをを交わして・・・。
レオが頭を上げた気がした。
「ひゃう!」
強く下の蕾を、中と外から押し潰すみたいに触られる。
「や、あっ、レ、オ・・・ん、や、やだ、やっやめ」
バタバタ足を暴れさせても足でレオを挟むみたいになるだけだ。
「・・・黙って」
「ん、うっ、んぁっ、はっ、んあ、んぅぅ・・・!」
そのままいじられ続けて声にならない叫びを漏らし続けて酸欠みたいになる。
やっとレオの唇が離れてももうなにも言えない。
「・・・はー・・・は、・・・はー」
なにも考えられなくなった頭とくたりと抵抗もできなくなった体をレオが見下ろしている。
・・・もう、逃げられないんだ。はじめてはきっとヒースだと疑ってもいなかった。なのに、二度目のキスも当然ヒースとすると思ってたのに、誰かに胸を見られるなんてずっと先のことだと思ってたのに、・・・こんなの全然想像と違う。
足の間をなにか流れた気がして太股を合わせようとするが、そうして合わさるのはユキの素足とレオの足だ。すぐに意識して離す。
ただ、涙を流して、こんなに信じられないくらい至近距離にいるのに、極力触れあわないように体を動かして、レオを見つめる。
・・・やめてくれないかとほんのわずかな期待を込めて。
しかしその視線がますますレオを煽った。
「・・・ここまできて離すわけないでしょ」
また下をレオの指が勢いよく出入りしはじめる。
「やっ・・・んやぁっ」
たまらずレオに当たるのも構わずに体をよじる。
腕を拘束していた手が離れ背中を反らされる。
強調された双丘の奥にぎらついたレオの瞳と濡れた唇があった。
「・・・ん、やぁぁっ!」
腰が浮く。腰が浮いても執拗に中がもてあそばれる。
「・・・ふっ、・・・ふっ・・・」
自由になった両手でレオの頭や肩を押しても全然力が入っていないのか、レオはびくともしない。
やがて変な感覚に体が支配される。
「・・・ひやっ、・・・や、・・・や、・・・や」
意味もわからず頭を左右にブンブンとふる。
レオはチラリとこちらを見たが、カリと吸われて赤くなった胸の頂きに歯をたてた。
ビリっと全身に電気が走るように感じる。
「・・・んあっ」
怖くなって両腕で顔をおおう。
はぁ、と吐息をついてレオがユキの足元でごそごそしている、が、全身に電気が走ったようになったユキはそのわずかな休息に安堵した。・・・結果としてそれは間違いだったのだが。
「・・・いれるよ、ゆっくり、するから」
「・・・・・・?」
ボーッとしている頭にそんなことを言われて何がなんだかわからなかった。
ジリジリとした感覚がしたと思ったら、中になにか太くて熱いものが押し入ってこようとしているのだと気づいて慌てる。
しかしドレスは踏まれているし、体には力が入らない。さっきユキを抱き締めていた両腕が今はユキの両膝をすっぽりと包んで左右に押し広げている、
何が起こっているか気づいて悲鳴をあげる。
「・・・や!・・・や!・・・やだぁっ!ヒース!!!」
苦しそうにレオが眉をしかめる。
そうしている間にもどんどんすごい容積のものがメリメリとユキの中に入ってきて頭がおかしくなりそうだった。
「・・・んあっ、・・・やっ!」
「・・・ねぇ、ユキ、俺の名前、呼べる・・・?」
いつもの優しいレオの声に聞こえてなにも考えずに口にしていた。
「・・・レオ・・・?」
苦しそうにレオが表情を歪め、最後の距離を一気につめた。
「・・・ん」
「・・・やぁっ!」
ユキは自分のなかをレオが完全に満たしたことを思いしらされた。
「・・・ユキ」
「・・・レ・・・オ・・・」
苦しいのはこっちなのに、レオが苦しそうに見えた。
ユキの腰の高い位置にあったレオの上半身が倒れてくる。
中でレオのものが動いてユキはたまらず両腕で顔の回りをおおう。
その手をレオの手が左右に開いてシーツに固定した。
「・・・ごめん」
「・・・」
ここまでしておいて、と思うのに。いつもの面影を見るとこっちが切なくなるからずるいと思う。可愛い弟だと思っていたのに、とんでもない男だ。
軽くにらむ。
「・・・抱き潰したい」
「・・・・・・・・・・」
思わず腕を振りほどこうとするがうまくいかない。
レオの唇がユキの唇に深く重なる。
ずるり、となんともいえない感触でレオのが体から出ていく、と思ったら強く打ち付けられ肺の空気が押し出された。
「あっ」
その声がお気に召したように何度もレオの腰が打ち付けられる。
「・・・あっ、あっ、あっ、ん・・・あっ、あっ、やっ・・・んっ、んっ、んっ」
身をよじってみても全然逃れられない。
酸欠で頭がおかしくなりそうだ。
こんな声出したくないのに激しく打ち付けられるたび肺から空気がでて口から声となってこぼれる。口を閉じたいのに舌を噛みそうで閉じられない。
「・・・可愛い、ユキ、声・・・」
もともと恥ずかしかったが、羞恥で顔が赤く染まるのがわかる。
好きで出してる訳じゃないのに・・・!
おさまっていた涙がまた溢れ出すが、レオはそれをペロリとなでてまたユキは動物にでもなったみたいに声をあげ続けた。
レオのと、ユキの入り口が擦れて熱い。
全身が上下に揺さぶられて人間じゃなくなったみたい。
腰が打ち付けられるたび、いつもはそんなことないくせに、体の肉が主張するみたいにゆれる。
胸が上下に揺れていたい。
そっと左胸にそえられた手のお陰で、痛みがやわらぐが頂きを刺激されると頭が真っ白になった。
激しくしていたくせに、急にゆっくりとレオのがギリギリまで出ていく、寂しいような気持ちになったことにぎょっとする。
すぐにまた奥まで勢いよく打ち込まれて、しかもそれを何度も繰り返すから、ユキは頭の中がすっかり真っ白になって意識を手放した。
下腹部に熱を感じた気がしながら。
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