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運命の再会より
5日後
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それから5日後のこと。ロメリアは、マリエンヌに伝えた通り、父である公爵と共に再び、王城へあがることになった。なぜ5日も空いてしまったのかというと、それはロメリアが熱を出してしまったからだった。といっても、微熱である。
公爵家の領地は、王都とは違い、のどかで緑溢れ「水の都」と呼ばれるほど、水路の多い土地である。故に水車を原動力とした産業が盛んである。領地に住まう民もそんな長閑な場所にあってか、性格も朗らかで、清々しい。空気も清らかで、吹く風には花の香が強い。そんな場所で生まれ育ったためか、ロメリアは極端に人が多く、また一定時間、慣れ親しんだ人間の傍を離れてしまうと、すぐに体調を悪くしてしまう。
それ故に、5日間も寝込んでしまっていた。
「ロメリア、本当に大丈夫かい」
「心配しすぎだわ、お父様」
王城へ向かう馬車の中、父に何度も心配される。それに大丈夫だと答えるロメリアだったが、やはりまだ体調が完全に回復してはいないのか、時折ふわふわと足元が柔く脆くなったような錯覚を覚えるのだった。
(でも……今日を逃したら、1年間はガブリエルに会えないんだもの)
ほんの少しでもいいから、また顔を見たい。この間会ったばかりなのに、もう会いたくなっている自分が情けなくて、可笑しくて。ロメリアは僅かに苦笑を零した。
「そういえば、お父様。もしまた王城に来ることがあれば、ぜひご一緒したいって王女様が仰っていたと前に伝えたでしょう?今日行きますと、王女様に伝えておいてくれたの?」
「ああ、そのことだがな、ロメリア。……今回はお断りしておいたよ」
「え?」
「お前はまだ病み上がりなのだから。そんな状態で、まだ親密とはいえない王女様と対面するのは、負担が大きいだろう」
「……お父様の仰る通りね。それに王女様はとってもお優しい方だけど、私は政治や天文学なんてまるで興味ないんだもの。……きっといつか話題が尽きて、話に困ることになってしまうわ」
ロメリアの素直な物言いに、父公爵は苦笑した。
「そうだろう?それに今日はお前が王都にいられる最後の日なのだから、ゆっくりとガブリエルに会っておいで」
「お父様、私が今日訓練所に行くって、ガブリエルに伝えたの?」
ロメリアの質問に、公爵は頭の後ろを掻いて「この間はほんの少ししか話すことが出来なかったのだろう?婚約者同士なのに、やはりそれではなあ」と気まずそうにしていた。
「お父様、私は別に怒ってないわ」
父は「ガブリエルの様子をほんの少しでも見られたらそれでいい」そんないじらしいロメリアの想いを知っている。愛娘のその想いに答えてやりたいと、公爵は動いた。ガブリエルに「今日も娘が訓練所に行くというから、ほんの少し顔を見せてやってくれ」と伝えたのである。
「ありがとう、お父様」
「喜んでくれたかい?」
「うん、とっても嬉しいわ」
満面の笑顔で笑うロメリアに、公爵は頷いた。
公爵家の領地は、王都とは違い、のどかで緑溢れ「水の都」と呼ばれるほど、水路の多い土地である。故に水車を原動力とした産業が盛んである。領地に住まう民もそんな長閑な場所にあってか、性格も朗らかで、清々しい。空気も清らかで、吹く風には花の香が強い。そんな場所で生まれ育ったためか、ロメリアは極端に人が多く、また一定時間、慣れ親しんだ人間の傍を離れてしまうと、すぐに体調を悪くしてしまう。
それ故に、5日間も寝込んでしまっていた。
「ロメリア、本当に大丈夫かい」
「心配しすぎだわ、お父様」
王城へ向かう馬車の中、父に何度も心配される。それに大丈夫だと答えるロメリアだったが、やはりまだ体調が完全に回復してはいないのか、時折ふわふわと足元が柔く脆くなったような錯覚を覚えるのだった。
(でも……今日を逃したら、1年間はガブリエルに会えないんだもの)
ほんの少しでもいいから、また顔を見たい。この間会ったばかりなのに、もう会いたくなっている自分が情けなくて、可笑しくて。ロメリアは僅かに苦笑を零した。
「そういえば、お父様。もしまた王城に来ることがあれば、ぜひご一緒したいって王女様が仰っていたと前に伝えたでしょう?今日行きますと、王女様に伝えておいてくれたの?」
「ああ、そのことだがな、ロメリア。……今回はお断りしておいたよ」
「え?」
「お前はまだ病み上がりなのだから。そんな状態で、まだ親密とはいえない王女様と対面するのは、負担が大きいだろう」
「……お父様の仰る通りね。それに王女様はとってもお優しい方だけど、私は政治や天文学なんてまるで興味ないんだもの。……きっといつか話題が尽きて、話に困ることになってしまうわ」
ロメリアの素直な物言いに、父公爵は苦笑した。
「そうだろう?それに今日はお前が王都にいられる最後の日なのだから、ゆっくりとガブリエルに会っておいで」
「お父様、私が今日訓練所に行くって、ガブリエルに伝えたの?」
ロメリアの質問に、公爵は頭の後ろを掻いて「この間はほんの少ししか話すことが出来なかったのだろう?婚約者同士なのに、やはりそれではなあ」と気まずそうにしていた。
「お父様、私は別に怒ってないわ」
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「ありがとう、お父様」
「喜んでくれたかい?」
「うん、とっても嬉しいわ」
満面の笑顔で笑うロメリアに、公爵は頷いた。
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