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魔王の娘 と 聖剣の乙女
魔王の娘 と 聖剣使いの乙女 10
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エディリーンはそう聴きながら、ついに聖剣の前までやってきた。
そして、美しいソレに手をかけると、誰も抜けなかったソレに力を籠めることなく引き抜く。
大地の岩から引き抜かれたソレは、ついに声を発した。
「私の名前は…、ヴィルキス。
貴女は、“私が認めた聖剣使いの乙女”。
堕姫が居るわ·····、堕妃を連れて·····。
私が認めた、聖剣使いの乙女·····。
お願い、堕姫と堕妃を──…」
「堕姫·····!ちょっと?!堕姫と堕妃を知ってるの?!」
エディリーンはそう言うと、同時に周囲のシスター科以外の普通科や兵士達も騒ぎ出した。
ロッペンは写真を撮りまくっていた。
「聖剣使いの乙女が現れたぞ!!」
「ヴィルキス様が御選びになられた!!」
「岩から剣を抜いたわ!」
「でも魔族だぞ⁈」
「でも選ばれたって、待ってたって言ってたわ!!」
ざわめきがほとばしる。
聖剣は光を鎮めていくとエディリーンの身体の中に自身を静かに埋めていく。
「ちょっ、ちょっと何⁈」
くすぐったさも何もなかった。
ただただ聖剣が自分の中に入っていくぬくもりだけが感じられた。
ソレはまるで赤子を抱くような温かさだった。
「貴女!堕姫と堕妃を知ってるの⁈
待ってたとか言うんならなんとか言いなさいよ!ねぇ!!」
そんな時だった。
エディリーンや周囲が騒いでいると、国境付近から早馬ならぬ魔法の早馬が走って来た。
「だ、第一隊長ー!」
。
そして、美しいソレに手をかけると、誰も抜けなかったソレに力を籠めることなく引き抜く。
大地の岩から引き抜かれたソレは、ついに声を発した。
「私の名前は…、ヴィルキス。
貴女は、“私が認めた聖剣使いの乙女”。
堕姫が居るわ·····、堕妃を連れて·····。
私が認めた、聖剣使いの乙女·····。
お願い、堕姫と堕妃を──…」
「堕姫·····!ちょっと?!堕姫と堕妃を知ってるの?!」
エディリーンはそう言うと、同時に周囲のシスター科以外の普通科や兵士達も騒ぎ出した。
ロッペンは写真を撮りまくっていた。
「聖剣使いの乙女が現れたぞ!!」
「ヴィルキス様が御選びになられた!!」
「岩から剣を抜いたわ!」
「でも魔族だぞ⁈」
「でも選ばれたって、待ってたって言ってたわ!!」
ざわめきがほとばしる。
聖剣は光を鎮めていくとエディリーンの身体の中に自身を静かに埋めていく。
「ちょっ、ちょっと何⁈」
くすぐったさも何もなかった。
ただただ聖剣が自分の中に入っていくぬくもりだけが感じられた。
ソレはまるで赤子を抱くような温かさだった。
「貴女!堕姫と堕妃を知ってるの⁈
待ってたとか言うんならなんとか言いなさいよ!ねぇ!!」
そんな時だった。
エディリーンや周囲が騒いでいると、国境付近から早馬ならぬ魔法の早馬が走って来た。
「だ、第一隊長ー!」
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