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魔王の娘 と 聖剣の乙女

魔王の娘 と 聖剣使いの乙女 8

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〔私の名前は…、ヴィルキス。

待っていた…、アノ人の子…、ナナレイアとディステルタに分かたれた血が再び元に戻った……、アノ人の子……。

私は、貴女を待っていた、魔族の姫よ。

私の名前は、ヴィルキス、ヴィルキス…。
貴女は、“私が認めた聖剣使いの乙女”──〕
 
 
「聖剣使いの乙女⁈」
 
 
 
係員の女性とレイラが反応し、係員の女性が、「聖剣ノ間へ!コチラです!」とエディリーンの手を引いた。

聖剣舞い降りし地こと、聖剣ノ間に着くと、既にソコには第一隊長殿や数十人の兵士、そしてシスター科を始めとした大多数が集まっていた。
 
 
 
「聖剣が…!
蒼く輝いてるわ!」

「コエが…、コエが聴こえる…!」

「ヴィルキスって…!建国神話に出てくる人間の始祖神じゃ…?!」
 
 
 
〔嗚呼、やっと来てくれた…。
待っていた…、ずっと、待っていた…。

アノ人の子…、ナナレイアとディステルタに分かたれた血が再び元に戻った……、アノ人の子……。
私は、貴女を待っていた、魔族の姫よ。

私の名前は、ヴィルキス、ヴィルキス…!
貴女は、私が認めた聖剣使いの乙女。〕
 
 

蒼白く輝く聖剣と呼ばれるモノが、さらに発光し、一筋の光となりてかけつけたエディリーンと繋がる。
エディリーンの赤い華の耳飾りが輝いた。
 
 
 
〔貴女こそが、聖剣使いの乙女〕
 
 
 
「エディリーンさんが⁈」

「魔族が、聖剣使いの乙女⁈」

「人間の始祖神が…、聖剣使いの乙女に魔族を選ばれた…⁈」
 
 
 
ソノ場がざわつく。
すると誰かが、「本当に聖剣の乙女なら…!誰も抜けなかったあの剣を抜けるはずだ!」と言った。
ソレにエディーは係員の女性を見た。
 
 
 
「アノ剣は…、いえ、アノ方は、元は人間でした。
今は神となりました人間族の始祖神。
ソノ姿。

ですが聖剣の乙女に最後を託すと言葉を最後に剣に姿を変えられ、以後、抜けた者はございません」
 
 
 
そう言って、係員の女性が聖剣に触れようと近づくと、ある一定距離で弾き返された。

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